山形の日本酒|ばくれん/ひとりよがり/朝日鷹
更新日:2020年08月28日
銘柄別の山形の日本酒
山形県といえば、さくらんぼや芋煮、玉こんにゃくなど美味しいもので有名なところです。四方を山で囲まれた土地なので、豊富で良質な水源を持っています。そのため、個性豊かな日本酒が数多く生まれました。
その日本酒を作る酒蔵も54軒と豊富にある酒の国です。その歴史は安土桃山時代までさかのぼり、一番古い酒蔵は1592年に創業した羽根田酒造です。続いて歴史の古い酒蔵は小屋酒造で、県内の多くの酒蔵は江戸時代以前の創業という老舗酒蔵です。
東北という土地柄やその気候を生かした銘酒が数多くあります。酒蔵が多い地域があるというわけでなく県内全域に酒蔵が分布しているため、互いに励まし合い競い合うことで、美味しい日本酒が量産されているのです。その中で山形の日本酒を紹介します。
ばくれん
ばくれんは、明治8年に創業した亀の井酒造という、現在5代続く酒蔵で作られている超辛口のお酒です。全国でも限られた特約酒販売店でのみ販売されています。酒瓶のラベルには女性が描かれており、「ばくれん」とはこの女性のことを表しています。
ばくれんとは、「すれっからしの女」や「親の言うことを聞かずに好き勝手にしている女」という意味を持っています。
この亀の井酒造は、「くどき上手」で有名な酒蔵です。「くどき上手」は上品な甘さを持ったお酒ですが、ばくれんは対照的なお酒で、辛口を追及した日本酒です。このくどき上手の裏アイテム的な位置づけなのが、このばくれんなのです。味わいは上品でなめらかな味わいが特徴です。切れのよさも抜群です。
ひとりよがり
ひとりよがりは、冨士酒造が製造する日本酒です。冨士酒造は、239年前の安永7年に創業した歴史のある酒蔵です。
冨士酒造では、法令で定められている「手造り」を表示できる伝統工程を今も踏襲している酒蔵です。そのことから、古い酒屋と小さい酒屋を掛け合わせて、古酒屋(こさかや)となっています。
冨士酒造は「栄光冨士」という銘柄の日本酒が有名な酒蔵です。「ひとりよがり」が発売された当時は、今のように吟醸酒がもてはやされていたわけではありませんでした。杜氏の道楽といった感じで作られていました。利益を無視して自分が飲みたい本当にうまい酒を造りたいというひとりよがりな想いから、この名前がつきました。
そのような中で、値段も高価であったため、中々も出ませんでした。そしてほんの少量だけ販売されていていたという経緯もあるため、それこそ酒蔵の「ひとりよがり」的な日本酒でした。現在では、山形県内でも入手困難な日本酒の一つとなっています。
朝日鷹
朝日鷹は、高木酒造が製造する本醸造酒です。高木酒造は、402年前の元和元年という江戸時代初期に創業を始めた歴史のある酒蔵です。高木酒造といえば、山形を代表する高級純米大吟醸酒である十四代を作る蔵元です。
この十四代は、地元でも全くお目に掛かれないといった日本酒で、十四代を目にすることができるのは高級店と東京などの都会だけです。
その高木酒造が地元でも飲めるお酒を仕込んでします。それがこの朝日鷹です。朝日鷹は決してランクの高いお酒ではありません。本醸造酒ですが、味わいは本醸造のランクを超えるいる日本酒です。十四代とは対照的に地元以外ではあまりお目に掛かれないのも特徴です。
雅山流
雅山流は、進藤酒造店が製造する日本酒です。進藤酒造店は、明治3年に米沢市で創業した酒蔵です。この進藤酒造店では、一般流通商品から地酒専門店専用商品まで数種類のシリーズを製造販売しています。
その中で、地酒専門店用に販売されているのがこの雅山流です。この雅山流は、「山は動かぬもの 川は流れるもの」という考えのもと、杜氏の進藤氏の名前の一文字である雅を取り名づけられました。
この日本酒は地酒の意味を考え、「本物の地酒」を目標として、自社田で作られる原料米から一貫して仕込むという発想から生まれた原料米に重点を置いたシリーズです。クセのないすっきりしたさわやかな口当たりで、フルーティーな香りがするのも特徴です。雅山流のシリーズは、色々な商品がありますので、試してみるのも面白いです。
十四代
十四代は、朝日鷹と同じ高木酒造が製造する日本酒です。こちらは、フルーティーで甘味のある大吟醸酒として登場しました。高木酒造15代目の後継ぎとして十四代の酒造りを行ってきた専務兼杜氏の高木顕統氏の手により、東京での十四代の販売は成功しました。
この十四代は、本醸造酒のランクから大吟醸酒まであります。本醸造酒はフルーティーな味わいで、他の吟醸酒と比べても負けません。今では、山形を代表する一本である日本酒です。
枯山水
初回公開日:2017年10月19日
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