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日本酒の平均度数・銘柄別の度数・焼酎やワインとの度数の違い

更新日:2020年08月28日

酒は昔から百薬の長と呼ばれ、適量なら緊張をほぐすなど薬にも勝るといわれてきました。自分にとっての適量とは?近年益々の日本酒の度数について、酔って失敗しないためにも日本酒の強さを知っておくことが大切です。銘柄や他の種類のお酒の度数についてもご紹介します。

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日本酒は好きですか?

若い人たちの間では「ポン酒」などと呼ばれるようになった日本酒ですが、焼酎やワインなどいろんな種類のお酒がある中で何のお酒が好きかと聞くと、日本酒が好きと答える人の割合が多くなってきたといいます。その中でも最近は特に若い女性にも日本酒はがあります。

海外でも日本酒は「SAKE(サケ)」と日本語のまま呼ばれ、愛好者が増えている日本酒ですが、他のお酒と比べて度数がどのくらいあるのかご存知でしょうか。ビールや酎ハイなどと比べれば、度数は高いだろうということは知っていても、何度あるのかを知っている人は意外と少ないでしょう。

日本酒は大好きという人もいれば、全く飲めないという人もいます。日本酒は日本古来から飲まれているお酒で、日本特有の製法で作られている日本が世界に誇れるお酒です。

今回は日本酒の「度数」に焦点をあてて詳しくご紹介していきます。日本各地の銘柄の度数はどれくらいあるのか、辛口甘口といった違いに度数が関係するのかなど、日本酒の度数について詳しくみていきましょう。

日本酒の平均度数はどのくらいあるの?

色々な銘柄や種類がある日本酒ですが、度数はどれくらいあるのでしょうか。日本酒とは通常「清酒」のことを指し、主な原料は米と麹と水になります。酒税法といって酒類の分類や税率、製造や販売の免許などお酒に関する法律が定められていて、それによると清酒はアルコール分が22%未満のことをいうとなっています。

酒税法による「清酒」の定義とは?

清酒は分類でいうと醸造酒にあたり、酒税法による清酒の定義とは次のようになります。いずれもアルコール分は22度未満のものをいいます。

◆米、米麹、水を原料として発酵させてこしたもの
◆米、米麹、水および清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させてこしたもの

日本酒は主に清酒のことを指しますが「合成清酒」や、「その他の醸造酒」といわれるどぶろくなども日本酒の中に含まれます。

「合成清酒」とは?

日本酒に含まれている「合成清酒」とは、 アルコール、焼酎または清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類で、清酒のような風味にしたアルコール飲料のことをいいます。アルコール分は16度未満のものであることが求められています。

清酒と違い一年中大手の酒造メーカーが作っているお酒で、清酒の代用として用いられることが多いお酒です。清酒に比べると税率が低く価格も安くなっていて、料理酒としても使われています。

製法としては理研式、電化式、高橋式などがあり銘柄としては協和発酵の「鬼ごころ」や宮城島酒造場の「日本平」、寿屋の「千代田」などたくさんの銘柄があります。

日本酒の作り方とは?

製造過程において度数が大きく関係することから、まずは日本酒はどのように作られているのかから簡単にご説明いたします。

主な原料は米と麹と水になります。これがどのように日本酒になっていくのかというと、まずアルコールになるには糖化という過程が必要になります。米を蒸して麹を混ぜることにより、麹菌の作用によって米のデンプン質がブドウ糖へと変化します。これを糖化といいます。

日本酒には大量の酵母が必要となるため、麹と冷たい水で作った「水麹」と呼ばれるものを作り、これに「醸造用乳酸」と「清酒酵母」を少量入れて『酒母』を作ります。これがお酒の酵母です。酒母を入れることによって発酵つまりアルコールに変える働きをします。

日本酒はこの糖化と発酵を同時に行う「並行複発酵」という日本酒独特の醸造方法によって作られ、他の醸造酒(ワインやビールなど)より高い度数を得られるようになっています。

日本酒の平均度数は?

アルコール分は酵母が糖分を食べる時に出されるものということになりますが、この酵母はアルコール分が20度を過ぎると死んでしまうということから、日本酒(清酒)は通常の製法では20度を大きく超えるものはできないということになります。

統計をとると日本酒の度数の平均は15~16度といわれています。他の酒類に比べると次のようになります。

◇日本酒 15~16度
◇赤ワイン 11~15度
◇白ワイン 7~15度
◇ビール 4~8度
◇酎ハイ 3~9度
◇焼酎 20~25度
◇ウイスキー 40~60度

これを見ると普段ビールや酎ハイなどを飲む人にとっては度数は高く感じられ、逆に焼酎やウイスキーを飲む人にすれば低く感じられることでしょう。日本酒は中間ぐらいかなと思われるでしょうが、度数が高い焼酎やウイスキーは蒸留酒(何度も蒸留を繰り返して度数をあげるもの)であり、日本酒は発酵のみでできる醸造酒です。決して低い度数ではないということになります。

日本酒の銘柄で度数が高いものは何?

酒税法によっては22度を超えるものは清酒といわないとされていて、日本酒の度数の平均は15~16度だということがわかりましたが、では日本酒で最も度数の高いものはなんという銘柄の日本酒なのでしょうか。

最高度数の日本酒とは?

日本で度数が高いとされる日本酒は「越後武士(えちごさむらい)」という銘柄で、度数は46度ありこれが最高度数だといわれています。ただし清酒のアルコール度数という点でいえば定義である22度をはるかに超えているので、この日本酒は番外であるともいわれています。

度数が20度を過ぎたあたりから酵母は通常死んでしまうのですが、実は高い度数(22度以上)で日本酒を作ることは技術的に可能なことだということです。

「越後武士」は特殊な技術によって清酒の製法で作られていて、アルコール度数以外は清酒としての要件は全て満たしていますが、分類からすればリキュール種扱いとなっています。「越後武士」は日本の米どころである新潟の玉川酒造という酒蔵で作られ、日本のウォッカとも呼ばれているお酒です。

この「越後武士」は冷凍庫に入れると凍らずにトロンとした舌触りになるといいます。『シューイチ』というテレビ番組では、新潟の名物である「へきそば」に合う日本酒として紹介されていました。日本酒と「そば」は相性がいいというのはよく聞かれていることです。

最高度数の「清酒」の銘柄は?

清酒の最も度数が高いとされているのは、京都にある木下酒造が作る「玉川自然仕込山廃純米酒白ラベル無濾過生原酒」という日本酒です。

日本酒の限界に挑んで作られたというこのお酒の今年の度数は21度、これまで作られた最高記録は21.5度といいます。まさに清酒の定義である22度ギリギリの度数といえます。

この日本酒は蔵に住みつく酵母の働きの限界を毎年試すということで作られていて、最も高い度数でありながら旨味の力によって辛さを感じさせない、優しい味わいのある日本酒だということです。

次のページ:度数の低い美味しい日本酒の銘柄とは?

初回公開日:2017年11月01日

記載されている内容は2017年11月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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