【素材別】包丁に砥石|メーカー/初心者/家庭用
更新日:2020年08月28日
包丁の素材によって使う砥石の種類も異なりますが、使い方や砥石の原料、研磨する粒の大きさ(粗さ)によって種類が異なります。現在一般的に使われている砥石は、人口砥石です。砥石は、仕上がりに合わせた種類の他にも、砥石の成分や製法でも種類があります。砥石に関する種類や番号について見ていきましょう。
砥石の番号は粒度?
砥石に表示されている番号は、人口砥石の表面の目の粗さを数字にしています。天然砥石は素材が天然のため、品質が均一ではなく粒度の適用外です。
砥石の番号が小さいほど荒く、大きい数字ほど砥石の粒度が細かくなります。例えば、「#200」は表面の粒子が大きくざらついています。
目の粗い砥石は、削る力が強いため包丁の刃の部分の減りが大きくなります。刃が欠けた時の修正に粒度の小さい砥石、荒砥石を使ってください。荒砥石の目安は「#120」から「#600」です。
家庭用に使う一般的な中砥石の目安は、「#800」から「#2000」になります。包丁を削る力もちょうど良く、包丁の減りもそれほど大きくはありません。包丁の切れ味が悪くなった時には、この中砥石を使って研いでください。
仕上げ砥石の目安は「#3000」からになります。仕上げ砥石は、表面の粒子が細かくサラサラしています。包丁の切れ味をより向上させたい時に、仕上げ砥石を使います。
砥石は仕上がりで3種類?
砥石には、仕上がりや用途に応じた種類があります。大きく分けて、荒研ぎ・中砥石・仕上げ用砥石の3種類があります。刃物の研ぎには、基本の3ステップがあります。3つのステップに応じて3種類の砥石を使って研いでください。
まず、荒砥石で刃の表面を修正します。研いでいくうちに刃の裏側にざらつきができます。これを「刃返り」と言います。刃返りができたら中砥石で刃の表面の傷を落として、刃返りを小さくします。日常の包丁の研ぎには中砥石からのメンテナンスがです。
そして、仕上げ砥石を使って刃返りを取り、切れ味を出します。また、仕上げの砥石を使った研ぎをすることで、切れ味が鋭くなり切れ味も持続します。
砥石は人口と天然がある?
砥石はもともと、地質から採掘した硬い岩を利用していました。今では、質の良い砥石の採掘量が減少し、天然砥石は高価になっています。天然砥石は少しの水で研げて、包丁研ぎに必要な切れ味の向上やキレが長持ちします。ステンレスや鋼にも使えて刃物全般に使えるのが天然砥石です。しかし自分の目利きが必要なため、一般的にはハードルが高いものでもあります。
私たちがホームセンターなどで良く見かける砥石は人口砥石です。人口砥石は、研削粒と粘土質の結合材を合わせたものです。また人口砥石は、天然砥石の砥石を目指して生産されているため、安定した品質で扱いやすい砥石でもあります。
砥石には水砥石と油砥石がある?
天然砥石にも人工砥石にも水砥石と油砥石があります。水砥石と油砥石は研ぎ方が異なるので注意してください。近年の採掘量の低下から、品質の良い天然砥石は非常に高価になっています。
水砥石は昔から、日本刀や農具、大工用具や包丁など日本で作られた刃物を研ぐために使われていました。水砥石は油砥石に比べて柔らかく、研ぎによる減りも早いです。水分を含ませた水砥石で包丁を研ぐのは、刃物と水分を含んだ砥石が擦れる砥汁で研ぐことでもあります。
油砥石は水が豊かな日本ではなく、水が少なくナイフを使うアメリカで発達した砥石です。ナイフだけでなくドリルの刃や工具の刃にも使用できます。水砥石に比べてとても硬く、研ぎによる減りが少ないのも特徴です。油砥石は硬度が硬く、刃と研磨剤を擦りつけて研ぐのが一般的です。また、油を使って研ぐため研いだ後の片付けも必要です。
人工砥石の成分は3種類?
砥石は仕上がりによって、大きく分けて3種類あることはお分かりいただけたでしょう。砥石は仕上がりだけでなく、成分や製法によっても種類があります。
また、研ぐ包丁が鋼やステンレス、セラミックなどの違いで選ぶ砥石も異なります。セラミックやチタンなどの硬度の高い包丁には、ダイヤモンド砥石やセラミック砥石といった硬度の高い砥石を使って研いでください。
オールマイティなセラミック砥石
ダイヤモンドの次に硬いセラミックで作られた砥石です。研ぐ時には少しの水を使って研ぎます。硬度の高い砥石は、削る力が弱いとされていますが、セラミック砥石は硬度も研磨力も強いのが特徴です。包丁や刃物全般に使える、オールマイティな砥石です。
ダイヤモンド砥石
ダイヤモンド砥石は、金属の板にダイヤモンドの粒子を塗りつけたもので、研磨力が強いのが大きな特徴です。工業用に使われていますが、セラミック包丁にも砥石の面直しにも使えます。刃こぼれした包丁にも砥石です。
アルミナ系砥石
研磨剤を接着剤で固めた人工の砥石です。私たちがホームセンターなどで見かける購入しやすい砥石でもあります。セラミックやダイヤモンド砥石よりも安価です。水砥石と油砥石の種類があります。
初回公開日:2017年12月13日
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