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2018年10月04日

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

一言で「ネジ」と言ってもいろんな種類のものがあります。用途、使用環境、形状、寸法、強度、材質、サイズ、膨大な選択肢の中から最もふさわしいネジを選ぶには、全体を網羅した一般的な知識を身に着けておいたほうが望ましいでしょう。

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

ネジの種類ってどんなものがあるの?

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

ネジとは円筒状の軸と穴の双方に螺旋状の溝を付け、軸が穴に進入する量を軸の回転の量によって制御できるようにしたもので、その多くはくさび効果で生じる摩擦を利用して工業製品などの締結に利用するものを言います。

締結以外の用途では旋盤などの工作機械で工具や加工物の位置を制御するボールネジや台形ネジがあり、これらも広い意味でのネジの仲間です。また配管の世界では管どうし、または機械との接合のために管自体にネジを切ります(管用ネジ)。

その他にもネジにはいくつかの種類があり、それぞれの種類の中にも多くのバリエーションがあります。そんなネジの世界を紹介していきます。

ネジを表す用語の種類は?

ネジは螺子、捻子、捩子、螺旋など複数の漢字表記があり、日本語のねじの語源は虹(にじ)の語源と同じでヘビのイメージからできた言葉だそうです。英語ではscrew(s)(スクリュー)と言い、特に雄(お)ネジと雌(め)ネジを区別して呼ぶときにはbolt(s)(ボルト)、nut(s)(ナット)と呼びます。

日本語で、ボルト、ネジ、ビス、ナットはいずれも広い意味でのネジを表わしますが、「ネジ」と発音した時にそれが雌ネジを指していることはほとんどなく、ナットだけは「ナット」と呼ぶのが通常です。稀に雌ネジをネジと呼ぶ例として、穴にネジ溝を切って雌ネジを形成する時に「ネジを切る」という言い方をすることがあります。

「ボルト」、「ネジ」、「ビス」もそれぞれに違ったニュアンスで使われており、「ボルト」という時には比較的大きいサイズで主に強度を重視した、構造物の締結のためのものを言い、頭部は六角または六角穴付きのものである場合が多くなります。

「ネジ」は「小ネジ」とも呼び、比較的小さいもので部品の組付けに使われるものを言います。頭部はプラスまたはマイナスのドライバーで締付けるものが多くなります。「ビス」はその中でも特に小さなネジを指している場合が多くなります。

ネジの用途と種類とは?

ネジの用途はいくつかの種類に分けられますが用途の種類を大別すると、以下のようになります。

     用       途    使   用   例
雄ネジと雌ネジの間に対象物を挟んで固定するタイヤホイールの取付
雄ネジそのものを雌ネジに固定する。 またはその逆椅子の足先にねじ込式のゴム足を付ける ペットボトルのフタ
対象物を移動させる。        正確な位置を割り出す。旋盤の送りネジ、手回しジャッキ

「ペットボトルのフタ」は、ネジと言えば金属製のものが多い中で、違和感を感じる向きもありますが、ネジの概念を広くとらえればネジの種類の一つになります。

「対象物を移動させる。正確な位置を割り出す。」はネジの一般的なイメージの「締付け、締結」とは大きく異なり、ネジの特殊な用途と言えます。

ネジと木ネジはどう違うの?

雄ネジと雌ネジがセットで使われるネジはJISなどの規格によって軸径やピッチ、山の形状が厳密に決まっており、同規格のものは別々に買いそろえてもぴったりはまり合って、ネジの役を果たします。規格に沿って大量に作られる種類の既成ネジは安価に入手でき、材質やメッキ、ネジの長さなど豊富な種類のバリエーションから選択できます。

これらの種類のネジは大型の構造物を組み立てる際の鉄骨の接合に使われたり、機械本体に部品を組付けたりするときに使われます。雌ネジの場合、既製品のナットかタップ(雌ネジを切るための専用工具)によって構造物や機械本体の穴に直接ネジを形成します。

その一方、木製品を組み立てるための木ネジという種類は、木部の穴の内径面にネジ山を食い込ませながら締付けるので、木ネジ以外のネジに比べピッチ(ネジの山と山の間隔)が粗く、ネジ山の形状は薄く鋭利になっています。ネジ部は先端になるにつれてだんだん細くなっており、逆に頭部側1/3程度はネジが切られていません。

木ネジもJISなどの規格で軸径やピッチは規定されていますが、木ネジ以外のネジとは違って金属製の雌ネジとはめ合うわけではなく、木ネジを作る側でも木ネジを使用する側でも規格はあまり重視せず、用途を想定した大体の目安で種類と寸法を決めることになります。木ネジという名称は木製のネジという意味ではなく木部に使用するネジであり、材質は金属です。

タッピングネジ(JIS規格では「タッピンねじ」)は、薄鋼板などに雄ネジを直接ネジ込む種類のネジです。木ネジと形状が似ていますが、頭部側の端までネジが切られていることが相違点です。

ネジの規格には様々な種類があるの?

ネジに限らず工業製品は日本の規格であるJIS規格(ジス、日本工業規格、Japan Industrial Standards)とISO(アイエスオーともイソとも、国際標準化機構、International Organization for Standardization)との2種類の規格が運用されています。

日本では当然のようにJIS規格で多くの工業製品が規定されていましたが、国際化の波に乗ってISO規格に依存する方向へとシフトしてきています。そんななかで、日本のネジの規格に関しては実務上、ISOにはなくてJISだけにある寸法のネジが今でも多くの業界で使用されていることからJISの方が全体を網羅していることになります。

JIS規格は日本の工業規格でありながらメートル、ミリメートル基準のネジだけでなく、ユニファイネジ、管用ネジ、管用テーパーネジの3種類に関してはインチ系の寸法でネジを規定しています。ただし、それを無理矢理ミリメートル単位で表記してあるのでわかりにくくなっています。逆に、ISO規格にもメートルネジの規格が存在します。

日本で使われるネジの種類は管用を除いてすべてメートル、ミリメートル基準だけですが、まれに輸入機械の部品や逆に輸出を想定された国内製品などでインチ系のネジが使われている場合があります。インチネジとメートルネジとで極めて近い寸法のネジが存在するので、雄ネジと雌ネジがなぜかはまらない時はどちらかがインチネジになっている場合があります。

また同様のことが六角レンチについても言えます。外国産の六角レンチやキャップスクリューの穴はインチ基準になっている場合があるのでメートル基準で作られた日本のものとは合わずにナメてしまうことがあります。

  種     類  J I S 規 格   表  示  例
   メートルねじ   JIS B 0205M8-12
  メートル台形ねじ   JIS B 0216Tr24 × 5
 ユニファイ並目ねじ   JIS B 0206No.6-32 UNC     5/8-11 UNCなど
 ユニファイ細目ねじ   JIS B 0208No.6-40 UNF     5/8-18 UNFなど
   管用平行ねじ   JIS B 0202PF2 1/4,ISOではG2 1/4
  管用テーパーねじ   JIS B 0203PT2 1/2,ISOではR2 1/2
    木ねじ   JIS B 1112木ネジ 2.1×3鉄
   タッピンねじ   JIS B 1122ST3.5×16ーA4-20HーRーH

ネジのサイズを表す「呼び径」とは?

呼び径とは、雄ネジの軸の基準となる直径を言います。ただし、実際に雄ネジを切る際には、はめ合いの加減で呼び径よりもわずかに細くした軸に溝を刻みます。雌ネジは、呼び径からネジ山の高さの2倍を引いた寸法からわずかに大きくした下穴に溝を刻むことになります。

メートルネジもインチネジ(ユニファイネジ)も表示例の最初に出てくる数字が呼び径です。M8ならば8ミリ、5/8-11UNCなら8分の5インチです。インチネジの1/4より小さい呼び径は「No.0」から「No.12」で呼び径のサイズを表します。

メートルネジの呼び径は?

JIS規格では、メートルネジの呼び径の種類を1ミリメートルから300ミリメートルの範囲で規定しています。それぞれの呼び径に対して、おおむね2種類以上のピッチが規定されています。かつてはメートル並目ネジとメートル細目ネジが別の規格だったものを、現在は「JIS B 0205メートルネジ」に統一しています。

メートルネジの呼び径一覧

呼び径の種類は、間隔が一定でなく細かく刻まれているところと粗いところがまちまちです。また、一つの呼び径に対してピッチが4種類あるいは5種類のものがあり、まれには1種類しかピッチが規定されていない呼び径のサイズもあります。これは、それぞれの業界ですでに定番化しているネジのサイズを規格から外せなかった事情によるためです。

     範       囲    呼   び   径
        M1~1  1.1  1.2  1.4  1.6  1.8
        M2~2  2.2  2.5  3  3.5  4  4.5
        M5~5   5.5   6   7   8   9
        M10~10  11  12  14  15  16
        M17~17  18  20  22  24  25
        M26~26  27  28  30  32  33
        M35~35  36  38  39  40  42
        M45~45  48  50  52  55  56
        M58~58  60  62  64  65  68
        M70~70  72  75  76  78  80
        M82~82  85  90  95  100  105
        M110~110  115  120  125  130  135
        M140~140  145  150  155  160  165
        M170~170  175  180  185  190  195
        M200~200  205  210  215  220  225
        M230~230  235  240  245  250  255
        M260~260  265  270  275  280  285
        M290~290  295  300

インチネジの呼び径は?

インチネジの呼び径は2の倍数を分母にした分数を使うところが特殊で、ポンドやオンスについてもこのような種類の表記が使われます。これはこの表記に慣れない日本人にとっては、非常に難解なもので、ポンド・ヤード法の表示を理解しにくい障壁になっているところです。

せめて分母が統一されていて16なら16を共通の分母にすれば比較しやすいところを、分子が偶数の場合は算数の原則どおり約分してしまうので手に負えません。1/4インチよりも小さい径のネジは寸法で表すのではなく、No.0からNo.12とする番号で呼び、この区間は1,000分の13インチ刻みとされていることもインチネジの複雑なところです。

参考までに、インチネジの表記と呼び径の対応を記します。

インチネジ(ユニファイ並目ねじ、ユニファイ細目ねじ)の呼び径

   表   記   呼び径(インチ)呼び径(ミリメートル)
    No.0  60/1000 (0.060)    1.524
    No.1  73/1000 (0.073)    1.854
    No.2  86/1000 (0.086)    2.184
    No.3  99/1000 (0.099)    2.515
    No.4 112/1000 (0.112)    2.845
    No.5 125/1000 (0.125)    3.175
    No.6 138/1000 (0.138)    3.505
    No.8 164/1000 (0.164)    4.166
    No.10 190/1000 (0.190)    4.826
    No.12 216/1000 (0.216)    5.486
     1/4  1/4 (0.250)    6.350
    5/16  5/16 (0.313)    7.938
     3/8  3/8 (0.375)    9.525
    7/16  7/16 (0.438)    11.112
     1/2  1/2 (0.500)    12.700
    9/16  9/16 (0.563)    14.288
  ( 中 略 )  ( 中 略 )  ( 中 略 )
    1 3/8  11/8 (1.375)    34.925
    1 1/2  3/2 (1.500)    38.100

インチネジの表示でハイフンの後に記載される数字は、1インチの長さにネジ山がいくつあるかを表しています。

形状にもいろいろな種類がある

ネジの種類を形状から分類すると、ネジ部分の形状・寸法(呼び径、外径、谷径、有効径、ピッチ、ネジ長さ)と頭部の形状(雄ネジについて)の組み合わせになります。

ネジ部分の形状・寸法は、JIS規格で規定された寸法をアルファベットと数字の組合せで種類を表現し、頭部の形状は日本語で種類を表現します。例えば「M6-20 十字穴付きなべ頭」であれば、メートル並目ねじで呼び径6mm、ネジ部分の長さ20mmのプラスドライバー用なべ頭付きネジを言います。

締付け工具ごとのネジの種類は?

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

締付けに使用する工具による種類からして、最も多いものはプラスドライバーで締付ける「十字穴付き」です。

古くはマイナスドライバーで締付ける「すり割り付き」が成型が容易で多く使用されてきましたが、多数のネジを締結する生産の現場で、電動ドライバーの先端が素直にネジの中心に収まって効率的に締め付けができるプラスドライバーへシフトしており、「すり割り付き」は少なくなっています。

プラスドライバ-とマイナスドライバ-のどちらでも締付けができる「十字穴付き」で一方向の両端へ溝が貫通しているものもあります。

「六角穴付き」は、六角レンチで締付けるように作られた種類のネジで、プラスドライバーやマイナスドライバーでは締め付け時にネジ頭部と工具を滑らせて頭部を損傷する(ナメる)ことがある弊害を防ぐように開発されました。

六角レンチは穴と同サイズのものが必要で、サイズ違いのものを代用することはできません。六角穴付きネジの多くは頭部の外形が円筒状になっているところへ六角穴があけられており、キャップスクリュー(CS)とも呼ばれます。

安易に分解されることを避けるため、あるいは締付けの確実性や効率性を考慮した結果、星形穴付きや三角穴付きなど、さらに特殊な工具を使うことを想定したネジも多くなっています。

ネジ頭部分の形状の種類は?

ネジの種類を頭部の形状から大別すると、「十字穴付き」や「すり割り付き」の頭部の外形には「なべ」「丸」「皿」「丸皿」「トラス」などの種類があります。

「なべ」は、小ねじの頭部では最もポピュラーな種類で、土鍋をうつ伏せにしたような形をしています。頭部の底面、すなわち座り面は平面です。

「丸」は、「なべ」と似た種類ですが、土鍋の形ではなく球面で構成されています。同じく座り面は平面です。

「皿」は、頭頂部が平らで座り面が90度の円錐形になっており、締め付けられる相手部材側に同じく90度のすり鉢状のくぼみ(皿もみ加工)をつけてネジの頭部を沈み込ませるようにした種類です。ネジを締付けた面にネジ頭の突起が残らないようにすることができます。

「丸皿」は、読んで字のごとく「丸」と「皿」の組合せで、頭頂部の丸のふくらみが小さく、ネジを付けた面に若干の突起は残るものの、緩やかなものになります。

「トラス」はネジの大きさに対して頭部を大きく取った種類を言い、締結時に強く力をかけることを求められるタッピングネジなどで使われます。

六角穴付きボルトの頭部は前述のとおり円筒形です。

ネジの「山」とは?

ネジを軸の中心を通る面でカットした場合の断面図にみられる山の形状のことをネジ山と言います。JIS規格のメートルネジやユニファイネジではネジ山の頂点の角度(山を挟んだ両側の斜面のなす角度)は60度です。

インチネジの一部でウィットネジという種類は55度とされていましたが、現在はJIS規格から廃止されています。三角形の山形以外の種類では台形ネジがあり、メートル台形ネジの規格ではその角度を29度または30度と規定されています。

ネジ山の頂点から次のネジ山の頂点までの距離をピッチと言い、mm(ミリメートル)で表します。インチ系のネジの種類では1インチ(≒25.4mm)の距離の中にいくつのネジ山があるかで種類を表します。ピッチも「並目」と「細目」の種類が存在し、特に径が大きくなるとさらにピッチの種類も多くなります。

「ネジ溝」とは?

ネジ溝とは、ネジ山と逆の概念で、ネジ山とネジ山の間の谷の部分を意味します。ネジの製作工程を見ると、母材に溝を刻んでネジを形成しているのであって、母材に山を乗せるものではないため、ネジ溝の概念が重要になります。すなわち、できあがったネジの形状を表す場合はネジ山を、製作工程を語る場合はネジ溝の概念からネジをとらえることが多くなります。

ネジ溝の形状は通常はV字谷ですが、台形ネジは溝底に水平部分があります。ボールネジはボールが転動できるU字溝が刻まれ、使用されるボールがぴったり収まる寸法に作られています。

ネジの製造方法の種類は?

ネジ、特に雄ネジの製造方法から種類をとらえると、旋盤または丸駒ダイス(雄ネジを切る専用工具)で溝を刻む切削の方法と、ネジ溝を押し付けるようにローラー(転造丸ダイス)にはさんで転造する方法があります。

切削で作られたネジと転造で作られたネジでは、転造のネジの方が2割ほど強度が優れています。これは、切削でネジ溝を刻む方法は切込み線を刻むようなもので、応力が谷の部分に集中することで破断しやすくなるところを、転造では塑性加工でネジ山を転写するため、母材の金属内部の組成が切られずに、鍛造されたような粘り強さが発揮されるようになります。

ネジは既製品で対応可能なものはネジメーカーから供給される既製品を調達することが経済的かつ効率的です。しかし、軸径が大きくなったり、きわめて長尺のネジを必要とする場合や、特殊な素材で製作する場合、機械部品の一部にネジ部を形成する場合や、ピッチやネジ山の形状が特殊なものなどは、既製品ではなく単品製作で対応したほうがいい場合もあります。

この場合も旋盤で正確なネジ山形状を削り出すには特殊なノウハウが必要であり、ネジ製作の転造丸ダイス用の設備はネジメーカーでない限り普通は持っていないことから、丸駒ダイスとタップで製作する場合がほとんどです。特に雌ネジ製作は、ほぼタップ一択となります。

ネジを製作する工具は?

ネジを製作する工具には、丸駒ダイスとタップがあります。

丸駒ダイスとはどんな工具?

丸駒ダイスとは、ナットの雌ネジ部分を切削刃にしたような工具で、ネジに加工する軸を丸駒ダイスにねじ込んでゆくことで軸に雄ネジを刻みます。

タップとはどんな工具?

タップとは、ダイスと逆に、ボルトの雄ネジ部分を切削刃にしたような工具で、ネジを切りたい穴にねじ込んでゆくことで雌ネジを形成します。通常は3本セットで販売されていて荒・中・仕上げとネジの切込み深さに差が付けてあります。

ネジのトラブルにはどんなものがある?

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

ネジの製作や仕様の場面で発生するトラブルの代表的なものを挙げます。

「カジル」とは?

前述の丸駒ダイスもタップも、使用時に特に注意しなければならないことは、加工はじめに母材と工具の垂直を正確に維持することです。

ネジはその性質上、いったんネジが形成されるとさらに加工範囲を広げる(ネジを切り進める)場合には、最初のネジ部分の向きにならってしか進めません。最初のネジ部分の向きが軸の方向または下穴の方向とわずかにズレていると、加工に伴う抵抗力が次第に強くなり、さらに悪い場合は加工をやめようにも逆へ回すことすらできなくなり母材や工具を破壊してしまうこともあります。

また、工具を外せたとしても同じ箇所に良好なネジを形成しなおすことはほとんど不可能です。ただし貫通穴の雌ネジは、穴の反対側から再度タップを立てて正確なネジを切れば、ある程度のリカバリーは可能です。

このように、最初の部分で方向が悪いネジと、正しく刻まれるネジとが干渉してネジ山の一部が潰れてしまったり、あるいはネジを使用する場面で、最初にまがった方向でねじ込み始めたためにネジ山の一部が潰れてしまう、ネジや工具がそれ以上進まなくなってしまうことを「齧(カジ)る」、「齧った」と言い、ネジのトラブルの代表的な種類になります。

「ナメル」とは?

「齧る」と似た使い方をするトラブルで「舐(ナ)める」、「舐めた」があります。これはネジを使用する場面でドライバーの抑え方が弱かったり、締め付けが強すぎたためにドライバーが滑ってネジ頭の十字穴やすり割りをつぶしてしまうことを言います。

ネジの頭部のナメは意外に厄介なトラブルで、ねじ込まれたままで回せなくなったネジを除去するには特別なノウハウが必要になります。端的な対処法としては潰れたネジ頭に新たに溝を削って再びすり割りを設け、マイナスドライバーで回せれば事なきを得ることができます。

ネジ切れとは?

「舐める」と同じく、固いネジを無理に回そうとするとネジの頭部が首の部分やネジの途中からちぎれてしまうことがあります。これを「ネジ切った」と言います。

これは雄ネジの軸の強度を上回った力でネジを回そうとしたときに起こり得るトラブルです。ネジの強度を支えているのは谷の底部分の直径なので、その太さを見誤ることがあります。また、溝が切ってあることで破断のきっかけが用意されてるため、意外と簡単にちぎれてしまいます。その意味で転造によるネジは強度の部分で少し有利になります。

「ハダン」とは?

ネジで締結された部材や構造物の重さ、そこに係る応力がネジの強度を上回ったり断続的に繰り返す応力でネジに金属疲労が発生するとネジが切れてしまう場合があります。ネジの破断は、構造物の崩落につながることもあり、人命にもかかわる重大なトラブルです。安全率を確保した綿密な強度計算は欠かせません。

ネジの表面処理(メッキ)にはどんなものがある?

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

ネジのメッキの種類は主に亜鉛メッキとニッケルメッキがあります。

亜鉛メッキ

亜鉛メッキ後の仕上げにはさらにユニクロ処理とクローメート処理の2種類があります。

ユニクロ処理

ユニクロ処理は、亜鉛メッキ後の処理として、メッキした亜鉛にさらに耐食性を持たせる処理を行うことです。光沢のある銀色を呈しますが、耐食性は三価クロメートに一歩譲ります。

クロメート処理

クロメート処理も、亜鉛メッキ後の亜鉛の耐食処理です。以前は六価クロメートが主流でしたが、現在は人体への有害性を考慮して三価クロメートが主流です。耐食性はユニクロメッキよりも高く、虹色がかった金色になります。

黒色クロメート処理

クロメート処理には、処理後に全体が黒色になる黒色クロメートもあります。

ニッケルメッキ

ニッケルメッキは、外観を重視する場合の処理方法で、亜鉛メッキで現れる粉状の腐食が出にくいのが特徴です。

木ネジの使う時の注意点は?

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

ネジの中でも木ネジは、木部を雌ネジとする場合の雄ネジを指しますが、木部側には下穴をあけておく程度であり、ネジを立てる前に木部にわざわざ雌ネジを切ることはまれです。木ネジもネジの一種ではありますが、この解説ではネジと木ネジは別のものとして説明しています。

金属部の下穴にタップで雌ネジを切る場合と同じく、木ネジは最初の食いつきで下穴と方向が狂っていると、後半でネジが回りにくくなります。また下穴なしで木ネジを立てて方向が良くなかった場合は、後半でそれを修正することは困難です。下穴と木ネジの方向を正確に合わせてねじ込みを開始しましょう。

木は無理な力がかかると木目に沿って割れてしまいます。木の硬さやネジのサイズにもよりますが、木ネジを立てる場合は下穴をあけてから行ったほうが安心です。

100均で買えるネジの種類は?

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

100円ショップでネジや木ネジは、比較的大きな店舗でも日常で実用頻度の高い(呼び径2mmくらいから5mmくらい)数種類のネジをパックにした小ネジセットとして売られていることが多く、各種類・各寸法のネジを陳列している店舗はごく少数です。

店舗内にネジと木ネジの各種類と各サイズをそろえるとなると、どうしてもある程度のスペースが必要になるため、店舗スペースの制限が厳しい店舗では全くネジを置いていない場合が多いです。メートルネジの呼び径各種類(実用上需要の多いM1.6からM20程度)に対して、ネジの長さも一種類だけでは品不足感があります。

同径のボルトも必要ですし、ワッシャーも置かなければなりません。そこへ加えて木ネジも並べる必要があります。鉄のネジを各種類そろえても、同じだけステンレスのネジも求められます。小ネジをそろえれば、キャップスクリューも陳列したいところです。

そういうこともあり、ネジを陳列するとなると100円ショップの店舗構成の中で、1ブロック片面あるいはその1/2程度のスペースを占有することになるので、工具類全体でも1ブロック片面程度しか割り振れない店舗では陳列をあきらめるほかありません。

また、100円ショップやディスカウントショップの商品ラインナップは、価格と品質のせめぎあいが激しく、残念ながら品質が必ずしも十分でないものも含まれています。締め付け時にネジの頭がちぎれてしまったり、固定したネジが破断するなどのトラブルを避けたい場合は専門店か、せめてホームセンターでJIS規格準拠のものを選びましょう。

目的に合ったネジを選んで、プロの仕事を完成しましょう!

ネジの種類(形状やサイズ等)・100均で購入できるネジ

ネジの種類について、いろいろな角度から、特に実用頻度の高いものを重点的に解説してきました。ネジについて基礎的な知識は身につきましたでしょうか。特殊な種類のネジについては専門のサイトを参照してみてください。

身の回りにはたくさんの種類のネジが使われていますが、それらをよく観察するとそれぞれの使用場所や用途に応じて的確な種類を選んで使われていることがわかります。中には何本かのうち一本だけ違う種類のネジが混ざって使われていることもあり、手元にあるネジで済ませてしまったような仕事も見受けられます。

少なくとも「この場所にどうしてこのネジを使った」と言われないようなネジを選べるようにしておきましょう。

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