ジンベースのカクテル・一緒に割ると美味しい飲み物
更新日:2020年08月28日
カクテルとは何か
カクテル(cocktail)とはベースとなるお酒(基酒)に他のお酒やジュースなどを混ぜて作るアルコール飲料のことです。カクテルを表現するときには「お酒+何か」や「お酒+お酒」と表現されます。このほかにも、アルコールを含まないものや、アルコールが1%未満程度ノンアルコールカクテルもあります。
カクテルには決まりがなく自分の好きに作れるのがカクテルのいいところです。自分なりのカクテルを作ってみても良いですし、レシピどおりに作って好みのカクテルを見つけてみるのも良いです。
ジンベースのカクテル
ジンというと透明で、くせがなく飲みやすいアルコール度の高いお酒です。ジンベースのカクテルというとどんなものが思い浮かびますか。ジンは癖がない代わりに特徴もないですが、合わせるお酒やジュースなどで香りが出てくる飲み物だと言われています。
しかし、実はジン自体にも特徴がいろいろあり、ストレートで楽しんでいてもいろいろな癖があり楽しいお酒です。ここではたくさんのジンベースのカクテルの中でもとりわけ有名なカクテルや人の歴史、ジンとは何かを紹介していきます。
ジンとは何か
ジンとはどんなお酒かご存知ですか。ジンとは大麦やライ麦、ジャガイモなどを原料にして作られた蒸留酒です。ジュニパーベリー(セイヨウネズの球果)の上に流して、香りづけをするのが特徴的で、日本では酒税法上はスピリッツに分類されています。
蒸留酒の中では比較的個性が強く無いのでそのまま飲むだけではなく、カクテルの材料として用いられています。ストレートで飲まれるお酒の中でも辛口から甘いものまで、ジュニパーベリーの香りが強いものから、風味付け程度に香りつけされたものまでいろいろな種類があります。
スピリッツとは何か
日本でジンはスピリッツの分類されています。ではスピリッツとはどういったものなのでしょうか。スピリッツとは「醸造酒を蒸留して作ったお酒」のことです。「醸造酒」を火にかけて蒸留し、水分を分離したもののことを「スピリッツ」と言います。
基本的にアルコール度数が高いので、蒸留後に加水しても「蒸留酒」とされるので、アルコール度数を大きく落としたもの含みます。日本では日本酒に代表されるように加水することでアルコール度数を調整していますが、ジンはそのまま蒸留後に出荷されることが多く、加水やアルコールを足すなどの行為をされるものが少ないという特徴もあります。
ビールやワインなどは材料を発酵させて作るので「醸造酒」と呼ばれます。「醸造酒」は2つの沸点が異なる液体を分離する「蒸留」をしていないので水分を多く含み、アルコール度数が低くなります。これらの「醸造酒」を火にかけて蒸留して水分を分離させて、アルコール度数を高めたもののことをスピリッツ(蒸留酒)と言います。
世界各地には色々な蒸留酒があります。その中でも有名なのは「ジン」と「ウォッカ」「テキーラ」「ラム」です。これらは「世界4大スピリッツ」と呼ばれています。
ウォッカとジンの違い
「ジン」と「ウォッカ」は実は同じ材料でできています。なぜ違うものなのかというと、醸造の時の違いがあります。
・ジン
ジンは醸造するときにはジュニパーベリーで香り付けをします。ジュニパーベリーを使ったお酒がジンという定義になっています。日本製のジンも必ずジュニパーベリーで香り付けをしてさせています。ジュニパーベリー=ジンという方程式が正しいと言えるアルコールです。
・ウォッカ
醸造した原酒を白樺の木で醸造します。これで癖の少ないまろやかな蒸留酒になっています。ウォッカの名前の由来は「生命の水」を意味する「ズィズネーニャ・ワダ」が縮まり「ワダ」から「ウォッカ」になったという説があります。
ジンの歴史と日本での一般化になった理由
ジンの歴史
さまざまな説がありますが、一番有力なのは「11世紀ごろにイタリアの修道士がジンというスピリッツを作った。生まれたのはあくまでもジュニパーベリーを主体としたスピリッツを作っていた」という記録です。ジンが生まれたのは、薬用酒としての意味合いが強く、この頃はまだ一般化していませんでした。
アルコール全体に言えることですが、昔は薬草などを混ぜたり、蒸留技術が未熟だったために、決して美味しいと言えるものでありませんでした。また、薬としての役割が強かったため、飲料用アルコールとしての発達も遅く、レシピも広まるまでに時間もかかりました。それでは今日、ジンが広まった理由はなぜか紐解いてみましょう。
ジンが一般に流通しだしたのはいつか
一般にお酒として認知されるようになったのは、1660年にオランダのライデン大学の医学部の教授であるフランシス・シルヴィウスが解熱、利尿作用の薬用酒であるジュニエーヴェル・ワイン(ジェネヴァ、イェネーヴァーなどとも呼ばれる)が起源とされています。普通に飲んでも美味しかったので一般に流通したと言われています。
さらに30年後にオランダの貴族であるオレンジ公ウイリアム(ウイリアム3世)がイングランドお国王として迎えられた際にイギリスに持ち込まれを博したとも言われています。呼び名が「ジン」になったのもこの頃だと言われています。
19世紀半ばに連続式蒸留器が発明されるまでは、蒸留技術が低かったため、雑味の多いジンが流通していました。産業革命前後には、ロンドンに大量の労働者が流れ込んでスラム街が形成されていました。そのため低所得者にジン中毒と言える現象が蔓延していました。
「健康的なイメージのビール」に対して、安い割にアルコール度の高いジンは「労働者の酒」「不道徳な酒」というイメージがつけ、貴族や健全なものが飲む酒ではないとまでいわれています。
19世紀半ば以降は雑味が少なく度数の高いスピリッツが蒸留できるようになりました。また20世紀になるとカクテルのベースに使われるようになったことで、上流階級にも飲まれるようになります。カクテルが作られたことで、上流社会で楽しまれたことでジンは広がりを見せましたが、それがなければ「不健康な酒」というレッテルを貼られたままでした。
お酒を混ぜて楽しむということが発達したおかげで、全世界にも人が広がり、今世界中で楽しまれるようなお酒になったと言えます。
日本ではいつ流通したのか
初回公開日:2017年11月18日
記載されている内容は2017年11月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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