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2019年03月19日

火遊びをする心理・罪になるのか・子供の火遊びの原因

「火遊び」が火災原因の上位にランクインしていることをご存知ですか?火遊びとは「義務教育以下の児童が、火事を起こす目的や悪意ではなく、火をおもちゃにして遊ぶこと」と消防機関で定義づけられています。この記事では放火と火遊びの違いから法関連、予防対策をご紹介します。

火遊びをする心理・罪になるのか・子供の火遊びの原因

火遊びと放火の違いは?

火遊び

火遊びは、子どもが燃え盛る炎の鑑賞や火をつける行為を面白がって楽しむ目的で行うものと定義されています。また、子どもの年齢が上がってくると、禁止されているからこそ、というスリルを楽しむ目的で行う心理が働きます。そこに「火事を起こしてやろう」「誰かを困らせてやろう」といった悪意はなく、遊び目的で火を扱う行為を差します。

消防機関では、火遊びの定義を

・義務教育以下の児童
・遊びを目的として出火させた火災

と定めています。各消防機関により具体的な年齢(例:東京消防庁では14歳未満の児童)を定めています。

放火

放火は火事を起こす目的で故意に建物や可燃物に火をつける行為です。また、なんらかの目的のために、わざと火を放つ行為も放火と見做します。

火遊びをする心理

上野厚氏の著書『都市型放火犯罪』の第2章-2『放火犯罪者の人的特性-少年はなぜ放火するようになるのか(少年の放火犯罪心理)』によると、子どもには、先天的に火をつけたいという衝動がある、という説があります。幼児期のころは、自然現象をじっと見守ることに喜びを覚えます。

成長して少年期に入ると、火はヒーローが悪者を倒す武器として描かれることが多いので、強い力の象徴として、火を取り扱いたい衝動にかられます。しかしこの年代になると、火が危険なものだという認識もできているため、慎重に取り扱わねばという気持ちも同時に抱いています。

火を自在に操ってみたい、火をつけたいという心理そのものは、特別異常なことではないそうです。しかし、それを実行してしまう子どもの約半数が、家庭に何らかのトラブルを抱えていた、という研究結果があります。

都市型放火犯罪

この本は、都市で発生し続けている放火犯罪の、様々な事例を挙げた内容となっています。

子供の火遊びの原因

物理的な原因

何と言っても「火をつける道具を子供の手が届く場所に置いてあること」が一番の原因でしょう。子どもの火遊びの原因の上位はライターやマッチの放置です。この統計結果を受け、2011年9月27日からチャイルドレジスタンス(CR)機能の施されたライター以外の販売が禁止されました。

また、子どもは年齢が上がるにつれ「火遊びを見つかると大人に怒られる」ことを学んでいくので、次第に大人に隠れて火遊びをします。そのため、注意される機会を得られないまま、火遊びが次第にエスカレートしていってしまいます。

心理的な原因

「火遊びをする心理」でもご紹介しましたが、少年期に入り、火遊びが大人に禁じられている行為だという認識ができていても衝動を抑えられない、という場合は、家庭や学校など、子どもを取り囲む環境になんらかのトラブルがあり、ストレスから衝動を抑えられなくて行動に移してしまうケースも考えられます。

また、発達障害などの衝動を制御するのが難しい障害や、反応性愛着障害、不安障害などが原因になっているケースもあります。

火遊びは罪になる?

法律

失火責任法

明治時代に制定された現行法です。当時の日本は木造住宅が多かったため、火事になると周囲に甚大な被害をもたらしました。個人ではまかない切れない被害金額になるので、重度の過失でなければ、民法第709条の「不法行為による損害賠償」を適用しない、と定めている法律です。そこで問題になるのが「重度の過失」の基準ですが

・油を火にかけたまま調理コンロのそばから離れたことによる出火
・寝タバコや、火の消し忘れにより可燃物に引火して起こった火災
・判断能力のない子どもの傍にライターなどの着火道具を置いたまま目を離して出火

など、ほんの少し注意すれば、防げたはずの火災原因だった場合は、重度の過失と判断されます。

失火ノ責任ニ関スル法律

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス

口語訳:民法第709条の規定は、失火の場合には、適用しない。ただし、失火者に重大な過失があったときは、この限りでない。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E7%81%AB%E3%83%8E... |

民法第714条「責任無能力者の監督義務者等の責任」

失火責任法が適用されない場合、民法第709条の「不法行為による損害賠償」が適用されます。しかし、ほとんどの未成年には損害賠償能力がありません。そこで火元となった未成年の監督義務者、つまり保護者に対して民法第714条「責任無能力者の監督義務者の責任」が適用されます。

監督義務者が火元になった未成年に火遊びの危険性について常日ごろからきちんと指導していたか、監督義務者としての責任ある行動(見守りや管理監督など)をしていたにも関わらず火元になった未成年が火災を発生させてしまったのか、それとも管理監督を怠っていたために火災発生に至ってしまったのかなどを裁判所が判断した上で判決を下します。

保護者の指導や監督状況、火遊びで火事を起こしてしまった子どもの年齢や判断能力などが複雑に絡まり合うため、一概に「こういう罪・責任が課されます」と述べることはできないので、法律相談の相談内容一覧や、「子どもの火事」を検索ワードにいろんな判例を参考にしてみるとよいでしょう。

一例として、小学校低学年の子どもが火事を起こしてしまった事案に対する弁護士事務所の見解を下記にご紹介します。

罰則

責任能力を問えない未成年に刑法の失火罪が適用されないので、それによる罰則も適用されません。

民法第709条及び第714条が適用された場合は、損害賠償という罰則が適用されます。損害賠償額については、ボヤで済み数十万円の見舞金で済んだというケースから、消火活動により両隣の火災・家財損害の賠償や火災による怪我が原因の入院治療費の請求をされるケースまで、その賠償額は非常に幅広く、一概に概算の賠償金額を提示することはできません。

火遊びの指導方法

火遊びの現場を見掛けたら声掛けや注意を

近ごろは、よそ様の子どもを注意することに、ついおよび腰になってしまいがちです。ですが、火遊びを見掛けたあなたが見て見ぬふりをしたことで大火事に発展したら、もっと大変なことになってしまいます。

「何しているの?」と声をかけるだけでも、年齢や火遊びをしている人数によっては、すぐにやめて逃げていくこともあるでしょう。危ないことをしている自覚がないようだったら、ちょっとしたイタズラのつもりでも、火事になって子どもたちだけではどうにもできない大変なことになると、注意を促しましょう。

もし逃げられた場合は、別の場所で火遊びをする可能性があります。警察に火遊びをしていた子どもがいることと、発見した場所、逃げた事実を伝え、パトロールをお願いしましょう。

声掛けや注意ができない状況のときは警察に通報しましょう

未成年、子どもと言っても、体格だけは大人並みの子もいる高校生などが集団で火遊びをしていた場合、発見した人が一人だった場合など、注意を促すことで別の事件が発生しかねない場合もあります。その場合は、迷わず警察へ通報し、火事に発展するのを防ぎましょう。

学校と家庭による指導の連携も大切です

『火遊びの心理的な原因』の項目でも述べましたが、火遊びをしたいという衝動を抑えられない理由が存在していることも忘れてはいけないでしょう。

各自治体や教育委員会では、子どもの火遊びを発見した場合、家庭への聞き取りや事情聴取した警察に子どもが語ったことを確認し、家庭と学校で連携を取っています。家庭と学校で情報を共有し、子どもたちが楽しく安全に日々を過ごせるよう、見守りと適切な対応をすることが肝心です。

火遊びの防止方法

常日ごろから火事の恐ろしさを教える心掛けを

改めて真面目に家族会議、などと構える必要はありません。一緒にニュースを見ているとき、料理でガスを使うとき、ストーブに火をつけるときや灯油を入れるときなど、火事について語る機会は普段の生活の中にたくさんあります。子どもの年齢や理解度に合わせ、子どもたちが火の恐ろしさを実感できる語り口で火遊びの危険性を交えて、火事の恐ろしさを伝えておきましょう。

子どもの目に付く場所に着火道具を置いて離れない

子どもは大人のすることをよく見ています。マッチやライターなどを置きっぱなしにしたまま子どもだけで留守番をさせたり、子どもに片付ける場所を知られたりしていると、親の目がないうちに持ち出して外でコッソリと火遊びをしている、というケースもあります。面倒と思っても、きちんと子どもの目につかない場所に片付けましょう。

子どもの行動を見守って変化をいち早く察知する

子どもは口頭での説明指導だけでは、理屈で分かったつもりでも実感するのは難しいです。

・マッチやライター、また火そのものに対し、異常に関心を示していないか
・火事が起きたとき、妙に興奮したり面白がっている様子はないか
・友だちとだけ共有している秘密の場所があるような気配はないか
・共働き家庭で時間の共有が少なかったり、子どもとの会話が少なく放任気味になっていないか
・子どもの生活環境から、火への興味をそそるようなものや状況を取り除いているか

これらのチェック項目に該当するようであれば、周囲の大人が子どもの環境や状況への配慮が必要です。それに気付けるよう、周囲の大人たちも、常に子どもの行動を見守って変化を気付けるよう心掛けましょう。

周囲の大人が子どもを火遊びの危険から守りましょう!

火遊びと放火の違いから、子どもの火遊びを防ぐ対策をご紹介してきました。

・子どもは火の姿を楽しんだり禁止されたことをするスリルを楽しむ目的で火遊びに興味を抱く
・火遊びをする学童期の子どもの中には、家庭などにトラブルを抱えている場合もある
・火遊びで火事を起こしてしまったら、子どもではなく保護者が責任を問われる
・警察だけでなく、周囲の大人たちも子どもに火の恐ろしさや上手な付き合い方を指導する
・日ごろから着火道具の取り扱いに大人が気を付け、火の恐ろしさの理解を促すことで火遊びを防止する

他愛のないいたずら心から、端を発した火遊びが火事に発展したとき、子ども自身を含めた多くの人が不幸になります。親だけでなく、学校や地域の住民も一体になって、善悪の判断ができない小さなうちから、子どもたちに適切な働きかけをして火事を心配することのない、楽しい日々を過ごしましょう。

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