桜餅に使われる葉っぱの種類の名前・作り方・生産地・マナー
更新日:2020年08月28日
【長命寺】
葉をはずし、お餅に移った桜葉の香りと餡の風味を楽しむのが本来の食べ方だそうです。長命寺で売り出したころの桜餅は、葉を1~3枚重ね、食べる時にはがしていたとのことです。その事から、桜の葉は香りづけのために使っていた事が分かります。
【道明寺】
甘めの餡に、塩っけのある桜の葉っぱを合わせて食べることを基本に、味が整えられています。そのため、葉っぱごと食べるのが一般的とされています。
とはいえ、嫌なものをいやいや食べてがっかりするよりは、自分の好きな食べ方で美味しく食べることが一番大事なのではないでしょうか。
2.茶会ではどうか?
色々な作法に細かいお茶の席でも、その場と流儀によっては食べたり食べなかったりという事があるそうです。流派による違いは大きく、「桜餅からきれいに葉っぱをはがし、葉っぱは折ってお餅の下に敷いておき、残った葉っぱや葉の軸は懐紙などに包んで持ち帰るのがマナー」とする流派もあれば、葉っぱも一緒に食べてしまうという流派もあります。
そのため、流派のルールに従って食べるのが良いでしょう。分からなければ、率直に聞いてしまった方が間違いはありません。
葉っぱがはがせない場合、葉脈を切ろうとするのではなく、葉脈を避けて楊枝を葉っぱに突き刺します。続けて切り取り線を作るように間隔を開けて次々と突き刺していき、最後にその切り取り線に合わせて切るようにすれば、潰れずにきれいに切れるとの事です。
3.和菓子職人や店のこだわり
【桜餅の葉っぱを食べることをすすめている店の場合】
塩漬けの桜の葉と一緒に食べることを基本とし、葉と一緒に美味しく食べられるように味が整えられています。
【桜餅の葉っぱを食べないようにとすすめている店の場合】
塩漬けの桜の葉を除き桜餅本来の味や食感などを感じてもらう事を基本としています。そのため、桜の葉の香りが桜餅に勝ってしまうので、葉っぱははがして食べるようにと説明しています。
お店によっても食べ方などにこだわりがありますが、これが正しいという事ではないのでしょう。とはいえ、職人さんやお店の人がすすめる食べ方が一番美味しく食べられるという事なので、それに従って食べるのが良いのではないでしょうか。
裏表
桜の葉っぱは葉脈がはっきりと浮き出て見える方が裏になります。そのため、桜餅を包む際には葉脈が外側に見えるように包むと、良いアクセントとなります。
また、和菓子の職人によってはこだわりがあり、桜の葉っぱごと食べる場合は表を外側にし、葉っぱをはがして食べる場合は、葉っぱを器に見立て葉の表を内側にして巻くそうです。
自分流に美味しくいただきましょう
今回は桜餅の葉っぱについてご説明しました。四季があり季節感を大切にする日本ならではの和菓子で、桜餅は季節を目で楽しむ春の代名詞ともいえます。また桜の葉の塩漬けによる、桜餅の香りと甘さを中和する塩味も桜餅独特のものです。
桜の葉っぱは桜餅の乾燥やほこりを防ぎ、カビの発生を抑えるなど、大切な役割を持っています。桜の葉っぱに含まれるクマリンに肝毒成分があるとは言っても、毎日何十枚も食べるという事もないですし、そんなに心配する必要もありません。
とはいえ、食べる食べないは個人の自由であり、これといったルールもありません。また、販売店や職人の意見もまた異なります。以上の事から、周囲の意見に従うのではなく、自分流に美味しくいただくのが一番いい方法でしょう。
あまり考えすぎず、春の和菓子を美味しくいただきましょう。
初回公開日:2018年02月13日
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