スーツの自宅での洗濯方法と洗濯頻度|シャツ/ズボン/洗濯機
更新日:2020年08月28日
スーツの洗濯の方法
スーツは、クリーニングに出すものだと思って、自宅でクリーニング=洗濯をすることすら考えたこともない人も多いでしょう。しかし、ものによって、スーツは洗濯できます。
まずは、スーツには欠かせないシャツ、スーツのパンツだけ汚してしまった時には、どうしたらいいのでしょうか?
キレイなシャツに仕上げたい!
シャツの洗濯では、なるべくシワをおさえて仕上げたところでしょう。だったら、まずは洗濯表示をチェックします。
ポイントは、手洗いなのか、弱めの洗濯機ならOKなのかの他に、水温もチェックすることです。
洗濯表示の手洗いや手のマークがあるものは、押し洗いと振り洗いの意味です。デリケートコースや手洗いコースを選びましょう。水温は、40という数字があれば、それは40度以下の水温のぬるま湯で洗うこと、という意味になります。
漂白剤を使う場合には、選択表示に従って、成分が合っているものを使います。
裏返してネットに入れるのもポイント!
シャツをそのまま入れるのは、シワの原因になります。しかし、そのままネットに入れると、汚れが落ちない気がする人もいるでしょう。
シャツは、裏返しにしてネットに入れるのがポイントです。その際には、裏返したまま、襟を中心にクリーニング屋さんのたたみ仕上げのように折ってから入れます。くちゃくちゃのまま入れてしまうのも、洗濯上がりのシワの原因です。
目立つ汚れがある時には、あらかじめポイント汚れ落としをつかいましょう。
洗い終わったらすぐに干す
初めに表示を確認したように、洗濯コースのセットを忘れずにしたらスタートします。
大切なのは、洗濯が終わったら、すぐに干すことです。
干す前に、シャツを表に返して軽くたたみ、上からぽんぽんたたくことでシワをのばします。太めのハンガーに干すと、全体的に重みがかかりシワがのびますし、肩のところも綺麗にしあがります。
スーツのズボンだけやスラックスは?
ズボンなども、シャツとほぼ同じ洗い方になります。洗濯表示を確認して、ドライコースや手洗いコースなどやさしく洗えるコースを選ぶことになるでしょう。
目立つ汚れは予洗いして、きれいにたたんでから洗濯ネットに入れます。洗剤は、おしゃれ着洗い洗剤がいいでしょう。
ズボンを干すには2つの方法がある
ズボンのシワを防ぐには、干し方に2つの方法があります。
■筒状に干す
洗濯ばさみ(ピンチ)がついたハンガーを使って、ズボンの腰ベルトの部分を丸い形になるように、足の部分は筒状になるよう、丸く干す方法がひとつめです。風通しがよく、早く乾くので、シワを防ぐことができます。
ズボンにはポケットがついていて、その部分が乾きにくいものです。ですから、ちょっとした手間ですが、裏返にして干す、さらに乾きが早くなります。
■センターラインで折って干す
もうひとつの方法は、ズボンのセンターラインで綺麗に折って干す方法です。スーツなどのビジネス用のズボンは、センターラインが入っているので、この方法もいいでしょう。
折り目に合わせてスラックスを綺麗にたたみ、裾の部分をピンチハンガーではさんで逆さにして干します。
しっかりセンターラインが残りますし、ズボンの重さでシワものびる方法です。
スーツを自宅で洗濯する方法
では、次は本格的にスーツを丸ごと自宅で、しかも洗濯機で洗う方法をご紹介します。
今は、洗濯機洗いOKのものもあれば、水洗い不可のものもあったり、スーツの生地によってさまざまです。だからこそ、スーツを自分で洗濯しても大丈夫なのか不安の方も多いでしょう。シャツやズボンのようには、気軽には挑戦できません。
ここでは、自宅でスーツを洗濯するにあたり注意すること、色落ちや縮み、洗剤の選び方や型崩れなどを防止する方法をご紹介します。さまざまな理由でせっかくのスーツを台なしにしないですみます。基本的な洗濯の手順でもあるので、スーツ以外のものを洗濯する参考にもなります。
スーツの素材を確認する
最近では「家庭で洗えるスーツなどが販売されていますが、洗濯をした結果、縮んでしまってもう着ることができなくなってしまったら大変です。スーツの素材は必ず確認しておきましょう。
なかにはポリエステル100%といったスーツもありますが、スーツの生地には縮みやすいウール100%のものや、ウールをベースにしたポリエステルなどの混合が使われているのが一般的です。
たとえ「家庭で洗えるスーツ」であっても、洗濯の方法を間違えたら縮んでしまう恐れもあります。シルクやカシミヤなどの高級素材などが混合させている場合などは、無理に洗濯をせず、クリーニング店に相談してみるのも良いでしょう。
「水洗い不可」のマークがあっても、今回ご紹介する方法で丁寧に洗濯し、スーツへのダメージ最小限にできます。
スーツのポケットをチェック
せっかく洗濯したのに逆に汚れの原因にならないよう、スーツのポケットの中には何も入ってないか必ず確認しておきましょう。
レシートやポケットティッシュがばらばらになってついてしまったり、洗濯途中で壊れたボールペンのインクで汚れてしまうこともあります。
スーツの色落ちを確認
自宅で洗濯した場合、色落ちを完全に防ぐことは難しいですが、極端に色落ちしてしまわないか、事前にチェックをしておくと良いでしょう。
チェック方法は、まず生地の目立たない箇所に洗剤の原液をつけ、5分ほど待ちます。その後、白い布などをあて、布に色移りをしていないか確認しましょう。もし、布にそれほど色移りをしていなければ、洗濯してもそれほど目立った色落ちはしないということです。
上下セットのスーツの場合、別々で洗濯をすると上下で色の違いがでる可能性があります。上下セットの場合は一緒に洗濯する方が良いでしょう。
スーツをネットに入れる
スーツを洗濯する場合は、傷み防止や型崩れをしないようネットに入れるのが一般的です。洗濯後にアイロンをかける際でも、ネットに入れていれば最小限のシワに抑えてくれますので、必ずネットに入れましょう。ジャケットとズボンの両方を洗濯する場合は、別々のネットに入れるようにします。
ネットは、100円均一でさまざまなサイズのものが売っていますので、大き過ぎず小さすぎず、適切なものを選ぶのがポイントです。最近では、型崩れを最小限におさえたスーツ専用ネットなども販売されていますので、型崩れが心配の方はそちらを選ぶのも良いでしょう。
ネットのジッパーをきちんと閉め忘れると、洗濯機の汚れなどが入ってしまう恐れがありますので、きちんと最後までしまっていることを確認してください。
洗剤の選び方
洗濯用洗剤は、弱アルカリ性が一般的です。弱アルカリ性は洗浄力が高く、色落ちなどで生地に負担がかかってしまう恐れがあります。
スーツを洗濯する場合は、ドライ専用の中性洗剤を選ぶようにしましょう。中性洗剤は、洗浄力が弱アルカリ性よりも低いですが、生地への影響が少なく、色落ちや型崩れを防いでくれます。
また、洗濯するときには、直接生地にかからないようにしましょう。
洗濯機のコース選びは?
準備が整ったら、次は洗濯です。洗濯機には、標準コースなどさまざまなコースがあります。
スーツはとてもデリケートなので、いちばん優しく洗えるモードを選ぶようにしましょう。どのコースが適しているのか、洗濯機によって搭載されているコースやその名称に若干の違いがあるかも知れませんが、いくつかコースをご紹介しますので、参考にしてください。
ドライコース
クリーニング屋さんでもおなじみのドライクリーニングですが、ドライコースとはクリーニング屋さんのものとはまったく別物です。
ドライコースの特徴は、最も弱い水流で衣類を洗い、脱水も軽めのコースです。洗剤を浸透させ、繊維にダメージを与えないように仕上げるので、標準コースでは縮みや型崩れしてしまうようなデリケートな衣類の洗濯に適しています。
脱水は軽めなので、干して乾くまでに少し時間がかかりますが、スーツを洗うならドライコースが一般的なです。
ソフトコース
ドライコースよりも少し強い水流で洗うのが、ソフトコースです。
スーツを洗う場合は、汚れがひどいものや洗濯OKの素材のスーツであれば、ソフトコースよりもドライコースのほうが綺麗に洗濯するには適しているでしょう。
手洗いコース
最近では、手洗いコースが無い洗濯機も増えています。
実は、手洗いコースのことをドライコースと言いかえている場合が多く、それほど差はありません。もし、洗濯機に両方のコースがあった場合は、ドライコースの方が優しく洗うことができるので、ドライコースを選ぶのがいいでしょう。
おしゃれ着コース
洗濯機によっては、ドライコースも手洗いコースも無い場合があります。
そんな場合は、おしゃれ着コースがドライコースと同じ機能となっていますので、おしゃれ着コースを選んでください。
脱水
本来であれば洗濯機の脱水は避け、そのまま干すことでスーツは綺麗にしあがります。
しかし、1分程度の脱水なら問題ありません。それ以上は、の原因になるのであまりやり過ぎない方がいいでしょう。
スーツを干す
洗濯が終わったら、時間をあまりおかずに干すようにします。完全に乾いた後に干した場合、アイロンがとても大変になってしまいますので注意しましょう。
風通しの良い日の当たらない場所に干し、手で軽くシワを伸ばし形を整えておきます。くれぐれも乾燥機にかけたりしないようにしましょう。
ハンガー選び
ハンガーは細くて弱いものより、スーツが型崩れしないような、太めでしっかりしたハンガーを選びましょう。
ズボンは最初にご紹介したような、洗濯ばさみ(ピンチ)ハンガーを使って丸く干す方法とセンタープレスで折って逆さにつり下げて干す方法があります。ズボン用にも、どちらかのハンガーを用意しておきましょう。
アイロンをかける
そして、最後の仕上げは「アイロン」です。アイロンをかけるタイミングは、洗濯物が9割ほどの生乾きの状態でかけるのがポイントです。
ウール製品はとてもデリケートなので、中温で当て布をするのが良いでしょう。当て布をしないとテカリの原因になったり、最悪の場合は生地が溶けてしまいますので、めんどくさがらずに必ず当て布はするようにしましょう。
完全にスーツが乾いてしまってからのアイロンがけなら、適度な水分を含ませてアイロンをするようにします。霧吹きを使って水分を与えると、アイロンがかけやすくなります。
上級者向けとして、高温でスチームを使う方法もあります。アイロンが得意な方は、チャレンジしてみるのも良いでしょう。手際の良さがポイントになります。また、高温スチームの際も、当て布は必須です。
アイロンをかける場合は、折り目の位置に注意します。折り目が二重になってしまわないようにしましょう。
スーツの洗濯の頻度
スーツをクリーニングに頻繁に出すと、スーツの生地は傷みます。ですから、普段から手入れさえしていれば、シーズンの変わり目にクリーニングに出すのが一般的です。
スーツを自宅で洗濯する場合でも、クリーニングほどではないですが、生地へのダメージが全くないわけではありません。ですから、複数のスーツでローテーションしながら、洗濯をして着まわすのがいいでしょう。洗濯でも頻度が多いと、傷みや色落ちの原因となりますので注意してください。
ダメージを抑えてスーツを長持ちさせるには、どんなタイミングで、スーツを洗濯するのがいいのでしょうか?
季節ごと洗濯
衣替えのタイミングで洗濯するのが、クリーニング同様に最も一般的でしょう。あまり汚れない環境や汗が少ない季節なら、季節ごとの洗濯で十分な場合もあります。
汚れに気づいたとき洗濯
仕事などで毎日のように着ているスーツは、いつ汚れてもおかしくはありません。食べこぼしなどをしてしまう人も少なくないでしょう。汚れをほっとくと、時間の経過とともに、シミになってしまうこともあります。
目立つ汚れをつけてしまった場合には、汚れたタイミングで洗濯をしておくのが良いでしょう。
毎月洗濯
月に一度であれば、やり過ぎず、やらなさ過ぎず、といった洗濯の頻度といえます。清潔に保ちたい場合には、月に1度を目安に洗濯するといいでしょう。
デリケートな素材のスーツであれば、定期的に洗剤を使わずに、適度な温度で水洗いをするのもいいでしょう。
毎週洗濯
夏場なんかは特に汗をかくため、スーツの匂いが気になる方もいるでしょう。その場合は週に一度に洗濯をし、清潔に保つのも良いでしょう。
ただし、色落ちや生地へ負担がかかりますので、長期間大切にスーツを着るのには向かないでしょう。夏だけ、汚れやすい仕事が入っている期間だけ、と限定的には毎週洗濯する必要があるのではないでしょうか。
スーツの洗濯に洗剤
自宅でのスーツの洗濯には、中性洗剤やドライマーク用のせんざいを使うのが鉄則です。おしゃれ着洗いの洗剤は、ドラックストアなどで一般的に売ってます。
ここでは、通販で入手しやすい、スーツの洗濯用の洗剤をご紹介します。ドラックストアによっては、店頭で販売されていることもあるので、チェックしてみてください。
エコベール デリケートウォッシュ(おしゃれ着用洗剤) 本体1000ml
ヨーロッパの肌テストに合格した、赤ちゃんにも敏感肌にも安心して使える洗剤は、スーツの洗剤にもぴったりの洗浄力もあります。色落ちも抑えられる洗剤でもあります。これ一本で、スーツから他のおしゃれ着まで幅広く使えます。
人工的な香りが無く、洗濯後の仕上がりも問題なく気に入りました。
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1VYL18K03XA... |
量が多いのでしばらく使えそうですが、無くなってもリピートする予定です。
ドライニング 衣類用液体洗剤 ドライマーク・ウールの衣類・おしゃれ着洗い 本体 500ml
ドライマーク衣料用の洗剤は、自宅に1本あると便利な一品です。えり・そでの部分洗い、シミぬきなどにも使えます。リピーターが多い洗剤なのが、なによりの理由です。
母が昔、東京ではあまり売っていないころから使っていましたが、最近はアマゾンで見つけられてうれしいです。着物以外はほとんどスーツからダウンまで自分で洗っても風合いも変わらず、セーターももちろん、クリーニング店に出すことがほとんどなくなりました。あまりに簡単ですが、汚れているときは漬け置き洗いの水が本当に黒く出てきます。自分のものだけなので納得です。
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R35TFG4KQWPT... |
スーツの洗濯後のアイロンのかけ方の3つのコツ!
最後に、スーツにアイロンをするときのコツを3つ抑えておきましょう。この3つを抑えるだけでも、スーツのアイロン仕上げが断然綺麗になります。
■裏地からアイロンをかけると、仕上がりが美しく仕上がります。裏の縫いしろをしっかりとプレスしましょう。
■スチームはずっと入れっぱなしではなく、アイロンを動かす動きに合わせて使います。通常の往復の動作の場合には、いきのアイロンでスチームを出し、帰りのアイロンではスチームを出さないでシワを延ばすつもりでやってみましょう。スチームの湿気とアイロンの熱を上手く使いわけるように心がけましょう。
■立体的な部分(ジャケットの肩や袖、ズボンの裾など)は、内側にタオルを入れて優しくプレスします。
正しい知識でいつでも自宅でスーツを洗濯!
クリーニング店のドライクリーニングでは、有機溶剤を使うため、しっかり油汚れなどを落としてくれます。しかし、水溶性の汚れ(汗・シミ・ジュース・アルコールなど)が落ちないという欠点があります。ですから、定期的に自宅でスーツを水洗いできれば、匂いや汚れを気にせず、いつも清潔なスーツを保つことができるでしょう。
自宅でスーツを洗濯するのに、いちばん苦労するのはやはりアイロンでしょう。アイロンのハードルさえ乗り越えれば、いつでも好きなときに自宅で洗濯ができ、クリーニング代も節約できるため、乗り越える価値はあるでしょう。最後にご紹介したコツを参考にしてください。
最初のうちは、失敗したくない大切なスーツはクリーニングに出し、慣れるまでは失敗しても後悔しないスーツでチャレンジした方がいいでしょう。自宅でスーツをお洗濯するのは、慣れればハードルはそう高くありません。ぜひチャレンジしてみてください。
初回公開日:2017年12月09日
記載されている内容は2017年12月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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