酸素系漂白剤の使い方と酸素系漂白剤|洗濯槽
更新日:2020年08月28日
漂白剤の種類を知ろう
ドラッグストアなどの洗濯洗剤売り場に行くと、たくさんの種類の漂白剤が陳列されています。一見するとどれも同じ漂白剤に見えるでしょう。しかし、よく見ると漂白剤には「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」の2種類に分かれることがわかります。まずは、「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」の違いを見ていきましょう。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウムが主成分でツンとした臭いがします。液体で売られており、薄めて使用することが多いでしょう。
漂白力が強いため、キッチンやお風呂など水回りの黒ずみを取る時によく使用されています。白い服に付いたシミや汚れを洗濯する時に使用すると、元どおりの色に戻すことができます。
しかし、どんなものでも白くしてしまうので柄物の洗濯には使用することはできません。漂白力が強いので繊維を痛めやすく、素材や環境によっては白ではなく黄色になってしまうこともあるため、注意が必要です。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤には、粉末と液体の2種類があります。
粉末の酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムを主成分としています。水に溶かして使用し、衣類の漬け置き漂白によく使われます。水温が低いと漂白力を発揮せず、40~50℃程度で最も漂白力が強くなります。
一方、液体の酸素系漂白剤は、消毒などに使われるオキシドールと同じ成分である過酸化水素からできています。単独で使用しても漂白力を発揮しないため、他の洗濯洗剤と一緒に使用します。
粉末と液体のどちらとも、柄物にも使用することができます。また、ツンとした臭いがしません。しかし、ステンレス以外の金属と反応するため、金属製の付属品は酸素系漂白剤を使用する前に外しておきましょう。
洗濯には酸素系漂白剤が便利
この項目では、2つの漂白剤の違いについて説明しました。
「塩素系漂白剤」は漂白力は強いですが、何でも白くしてしまうので、あまり洗濯には向きません。一方、「酸素系漂白剤」は塩素系に比べると漂白力が穏やかなため、色柄物にも使用することができます。
つまり、洗濯には酸素系漂白剤が向いています。そこで、ここからは酸素系漂白剤の使い方について、具体的に説明していきます。
酸素系漂白剤が使えないものもある
洗濯に便利な酸素系漂白剤ですが、どんな物にも使用できるわけではありません。洗濯で失敗しないためには、酸素系漂白剤が使えないものを知っておきましょう。酸素系漂白剤が使えないものは次の3つです。
水洗いできないもの
酸素系漂白剤には水が必要なため、水洗いできない洋服には使うことができません。水洗いできない洋服は自宅での洗濯も難しいので、ドライクリーニングに出しましょう。
ウールやシルクなどの動物性繊維
ウールやシルクなどの動物性繊維は、粉末の酸素系漂白剤を使うことができません。なぜなら、粉末の酸素系漂白剤はアルカリ性のため、動物性繊維に含まれるたんぱく質や油を溶かしてしまうからです。うっかり使ってしまうと、黄ばみやゴワゴワ、縮むなどのトラブルの原因になってしまいます。
しかし、液体の酸素系漂白剤であれば、水に溶けると中性になるので動物性繊維を痛めません。動物性繊維の漂白では、液体を使うようにしましょう。
ステンレス以外の金属の付属品がついているもの
酸素系漂白剤は、ステンレス以外の金属に使用すると酸化還元反応という化学反応を起こします。この酸化還元反応が起こると、汚れは分解されます。しかし、汚れだけでなく金属も分解してしまうので、錆びを発生させてしまいます。
取り外しができる金属の付属品であれば、外して洗濯すれば大丈夫です。ファスナーなどの取り外しができないものが付いている洋服には、残念ながら酸素系漂白剤を使うことができません。
どうしても漂白したい時には、短い時間の使用にすると金属へのダメージを減らすことができるでしょう。
酸素系漂白剤を使って洗濯してみよう
それでは、酸素系漂白剤を使って実際に洗濯してみましょう。粉末と液体では、洗濯での使い方が変わってきます。ここでは、粉末と液体の洗濯での使い方とコツを紹介します。
粉末酸素系漂白剤は漬け置き漂白が得意
粉末の酸素系漂白剤を漬け置き漂白で使用する時には、以下のポイントに注意してください。
お湯の温度は40℃がベスト
粉末の酸素系漂白剤は、お湯に溶かして使用することで効果を発揮します。漬け置き漂白をする際には、40℃程度のお湯を準備しましょう。40℃程度というのは、お風呂に入る時の温度と変わりません。
温かければお風呂の残り湯で十分です。少しぬるいと感じる場合には、熱めのお湯を足すなどして、40℃程度まで温度を上げてください。
漬け置き時間は1時間程度
粉末の酸素系漂白剤を使って漬け置きしたら、1時間程度そのまま置いておきましょう。漬け置き始めの温度が40℃程度であれば、1時間程度で冷めてきます。冷めたら通常どおり洗濯します。
冬場など外気温が低くすぐに冷めてしまう可能性がある場合は、漬け置き容器にふたをしておくと、お湯が冷めにくくなるので漂白力も上がります。
漬け置きに使う洗剤の量は大さじ2
早く漂白したいからと言って、酸素系漂白剤をたくさん入れても、残念なことに漂白する時間は短くなりません。それどころか、粉末の溶け残りが出てしまったり、濃度が濃くなって記事を痛めたり、手荒れの原因になることも。洗剤は正しい量を使うようにしましょう。
漬け置き漂白に使う酸素系漂白剤は、お湯3リットルに対して大さじ2が適量です。溶け残らないように、しっかりと溶かしてから洗濯物を入れるようにしましょう。
液体の酸素系漂白剤は普段の洗濯洗剤と一緒に使おう
液体の酸素系漂白剤は、普段の洗濯の際に洗濯洗剤を一緒に使用しましょう。使い続けることで、消臭や抗菌、黄ばみや黒ずみの漂白をすることができます。
食べ物のシミや口紅などの落ちにくい汚れには、直接塗って染み込ませます。そして、漬け置きせずにすぐに洗濯しましょう。洗濯が終わるころには、汚れは落ちているでしょう。
酸素系漂白剤は洗濯槽の掃除も得意
洗濯が得意な酸素系漂白剤ですが、実は洗濯槽の掃除も得意です。酸素系漂白剤を使うと、洗濯槽にこびりついていた汚れがどんどん剥がれ落ちてきます。そのため、いきなり洗濯で酸素系漂白剤を使用すると、洗濯槽の汚れがどんどん出てきて洗濯物についてしまうことも。
ですから、洗濯で酸素系漂白剤を使おうと考えている場合には、洗濯する前に酸素系漂白剤を使って洗濯槽を掃除しておく必要があります。縦型洗濯機とドラム式洗濯機での掃除の仕方を見ていきましょう。
縦型洗濯機
縦型洗濯機の場合は、水量と水温に注意します。実際の洗濯槽の掃除の流れは以下のようになります。
1.洗濯機の中を空にする
2.毛布コースで45~50℃の湯を高水位に貯める
3.洗面器に粉末の酸素系漂白剤を溶かして洗濯槽に入れる
4.水を流さないよう、洗いコースのみで5~6分回す
5.2~3時間そのまま置いておく
6.浮いてきたカビ汚れをゴミすくいネットなどで取り除く
7.再び洗いコースを選択し、5~6分回したのち2時間ほど置く
8.洗い~すすぎ~脱水と全ての工程を行う
9.空になった洗濯槽を濡れぞうきんで拭く
10.ほこりネットを取り付けて再度全コースで回す
洗濯槽を掃除する場合には、お湯62リットルに対し酸素系漂白剤750gを使用します。粉末の酸素系漂白剤は500~750gで売られている物がほとんどですので、1袋まるごと使うと覚えておきましょう。
ドラム式
ドラム式洗濯機の場合も、基本的には縦型洗濯機での洗濯槽掃除と流れは一緒です。しかし、水位を高水位にしてしまうと、途中でドアを開けられなくなります。
水位は必ず最低水位を選びましょう。途中でドアを開けてカビ汚れを取らないと、ホースや排水溝が詰まって故障の原因になるので、注意する必要があります。
また、ドラム式は漬け置きできない物が多いので、縦型洗濯機よりマメな掃除をするようにします。目安は2カ月に1回程度です。
洗濯槽掃除ができない洗濯機
実は、酸素系漂白剤を使用した洗濯槽掃除ができない洗濯機もあります。縦型洗濯機では、洗濯槽に穴のあいていないもの、ドラム式では洗濯が始まると途中でドアを開けられないものは、酸素系漂白剤での洗濯槽掃除ができません。これらの洗濯機の洗濯槽掃除は、他の洗剤を使用するようにしてください。
酸素系漂白剤はコレ!
お店に行くと、酸素系漂白剤だけでもたくさんの種類が並べられています。どれを選んでいいいかわからないと悩むことも多いでしょう。そこで、酸素系漂白剤を3つ紹介します。
酸素系漂白剤 シャボン玉石けん
無添加石けんでおなじみ「シャボン玉石けん」のナチュラルクリーニングシリーズとして販売されているのが、シャボン玉石けんの酸素系漂白剤です。長年無添加石けんを作り続けている会社であり、全国的な知名度も高いことから、信頼度が高く多くの人に選ばれている商品です。
ドラッグストアやホームセンターなど身近なお店で見かけることも多く、Amazonでは750g600円とお手頃価格となっています。また、以下の口コミのように、日本製である安心感や信頼性が高いことも理由のひとつです。
これまでは海外メーカーの酸素系漂白剤を使っていましたが、こちらに乗り換え。
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R223Y9H85BG4... |
さすが日本製!というか、汚れ落ちがすごいです。
また、量も少なくて済むのでこれ一つで大分長持ちします。
これまでは海外メーカーの酸素系漂白剤を使っていましたが、こちらに乗り換え。
出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%9C%E3%8... |
さすが日本製!というか、汚れ落ちがすごいです。
また、量も少なくて済むのでこれ一つで大分長持ちします。
パックス 酸素系漂白剤
粉末の酸素系漂白剤では、パックスの酸素系漂白剤もがあります。容量や値段はシャボン玉石けんと変わりません。
しかし、パックスは筒状のプラスチック容器に入っており、口コミでも以下のようにボトルが使いやすいと評価されています。
また、詰め替え用も販売されており、詰め替え用は500gで464円と安くなります。定期的に購入する人にはパックスの方がコストが安くなるでしょう。
一見なんでもない形状と思われるこのボトルですが
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R13HFUP542MR... |
この直径が私にとっては太すぎず細すぎずで持ちやすく、
蓋で計量できる。と使いやすいので、
そのせいか、頻繁に使ってしまいます(笑)
ワイドハイターEXパワー
液体の酸素系漂白剤と言えば、ワイドハイターEXパワーです。ドラッグストアやホームセンターのほか、スーパーなどにも置かれていることのが多いので、目にすることも多いでしょう。
600mlと1000mlの商品があり、どちらも詰め替え用が販売されています。また、手軽に使えて臭いの抑制ができるとの口コミが多く、色柄物の洗濯に使用することが多い商品です。
使用前は雑菌や生乾きのにおいしていて、困っていたのですが
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/REIKMUCHLIOK... |
使用後は、嘘のようににおいが消えました。
洗濯と洗濯槽の掃除なら酸素系漂白剤におまかせ
酸素系漂白剤は、洗濯と洗濯槽の掃除が得意な漂白剤です。特に、洗濯槽の掃除では驚くほどのカビ汚れを浮き上がらせてくれます。もしまだ洗濯槽の掃除をしたことがないのであれば、ぜひ酸素系漂白剤を使ってみてください。まるで新品のようにピカピカの洗濯槽になることでしょう。
そして、ピカピカになった洗濯槽でお気に入りの洋服を洗ってみてください。酸素系漂白剤なら、白い服だけでなく柄物だって色落ちすることなく、きれいにしてくれるにちがいありません。
初回公開日:2017年12月12日
記載されている内容は2017年12月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。