【素材別】ニットの洗濯方法・縮む・伸びたときの対処方法
更新日:2020年07月16日
ニットの種類
ニットというとウールが多いですが、ウール以外にもさまざまな種類があります。洗濯方法のご紹介の前に、ニットの種類と特徴をご紹介していきます。
ウール
ウールはご存知の方も多いでしょうが、天然繊維に分類されます。羊の毛のことです。ウールの中でも、羊の種類によって分類されランク分けがされています。ウールは一般的にメリノ種の羊毛のことをいい、オーストラリアで生産され、日本に輸入されているウールも80%はオーストラリアからのメリノウールになります。
メリノウールは、ウールの中でも最高品質で細く繊細な糸で、他のウールに比べると柔らかく光沢があるのが特徴です。
ウールのメリットは、シワになりにくく型崩れがしにくいこと、汚れに強いことと、冬は暖かく夏は涼しいところです。
デメリットとしては、水に弱く水温によっては縮んでしまったり、フェルト状になりやすい点があげられます。また、摩擦によって毛玉になりやすく、虫に食われやすいのもデメリットです。
カシミア
カシミアは天然繊維に分類され、カシミアヤギから作られる繊維で、ウールに比べて細く光沢があるのが特徴です。ウールとの違いは、カシミアは空気を含みとても柔らかく滑らかで肌触りが違います。また、保温性も高くウールよりも高級とされています。
カシミアのメリットは、吸湿性が高く保温性があることです。蒸れにくく暖かいのが特徴です。一方、デメリットはウールと同じで水に弱く、摩擦によって毛玉ができやすい点などがあげられます。
アンゴラ
アンゴラもカシミアと並ぶ高級繊維で、アンゴラウサギの毛から作られる天然繊維のことをいいます。アンゴラは柔らかく滑らかな風合いが特徴です。
アンゴラのメリットは、絹のように柔らかく、毛の中心が空洞になっているため保温性が高く軽いところです。デメリットとしては、ウールに比べて繊維がウロコ状になっていないため表面が滑りやすく毛が抜けやすいことと、毛玉になりやすく静電気が起きやすい点が挙げられます。
素材別ニットの洗濯方法
ニットを自宅で洗濯するときは、普段の洗濯よりも注意する点がたくさんあります。どのニットもまず、洗濯前に衣類についている取り扱い絵表示を必ず確認しましょう。
取り扱い絵表示には洗濯方法や保管方法など注意点が記載されています。この取り扱い絵表示に手洗い不可のマークや、洗濯機使用ができないことが記載されていると、自宅で洗濯することはできません。そのような場合は、自宅では洗濯せずに必ずクリーニング店に出すようにしましょう。
また、ニットを洗濯する前にまず、色落ちテストをするようにしましょう。色落ちテストは、衣類の一部に洗剤を付け、タオルなどを当てて色落ちがしないか確認します。タオルに色移りがしなければ洗濯しても大丈夫です。
ウール・カシミア
手洗いの場合
①桶に水をはりオシャレ着用洗剤をとかす。
ニットは暖かいお湯につけると縮んでしまうため、必ず30度以下のぬるま湯を使用するようにしましょう。また、洗剤を入れすぎてしまうと繊維の間に洗剤が入り込みすすぎに時間ぎかかってしまうので、洗剤の量は少量で大丈夫です。
②ニットを軽くたたみ、桶の中で押し洗いをする。
揉み洗いやこすってしまったりすると、摩擦で毛玉の原因になります。短時間で押し洗いをするようにしましょう。
③桶の水を入れ替え、よくすすぐ。
すすぎのときも30度以下のぬるま湯を使用し、よく洗剤を落としましょう。
④洗濯機で脱水をする。
ニットは手で力を入れて絞ってしまうと伸びやヨレの原因になります。脱水の際はネットに畳んで入れて、洗濯機の脱水にかけましょう。脱水の時間も長時間してしまうと傷んでしまうので、1〜3分ほどの短時間で大丈夫です。脱水が終わったらしっかりと形を整えてください。
洗濯機の場合
ニットを洗濯機で洗う場合は、手洗いと同じように水温を30度以下になるようにし、「ドライコース」で洗濯するようにしてください。通常のコースだと、強い力が加わってしまいニットを傷めてしまう原因になります。
また、洗濯機に入れるときは必ずネットを使用しましょう。汚れのつきやすい袖口や襟元が外側にくるように、ネットの大きさに合わせて畳んで入れましょう。汚れが気になる部分には、ポイントで洗剤を付けておくと汚れが落ちやすくなります。脱水のときも、手洗い同様に短時間で行いましょう。
レーヨン
衣類によっては、夏物のものにレーヨンとウールの混紡のものがあります。レーヨンは水にとても弱く縮みやすいのと、摩擦によってシワになりやすい性質があります。レーヨンとウールの混紡のニットは基本的には手洗です。
①桶を2つ用意し、水をはる。
1つには30度以下のぬるま湯に中性洗剤を溶かし、もう一方には同じ水温の水だけをはっておきましょう。
②洗剤の入った桶で振り洗いをする。
レーヨンは押し洗いをしてしまうと、摩擦でシワになりやすいので、生地の両端を持ち前後に振るように洗いましょう。洗濯時間は1分ほどの短時間で行いましょう。
③水だけの桶でよくすすぐ。
洗い終わったら、水だけの桶に入れ替えて素早くすすぎましょう。すすぎのときも振り洗いです。ここまでで、洗濯時間の目安は2分かからないくらいにしましょう。
④水気をよく切る。
洗濯機の脱水にかけてしまうとシワになってしまうので、大きめのタオルで水分を吸い取るようにしましょう。
リネン
リネン(麻)は、夏物によく使用され、涼感があり丈夫な素材です。ニットとの混紡で、ニット100%に比べて強度は高くなりますが、リネンも手洗いが基本になります。リネンの特徴として、摩擦によって白化しやすい点があります。洗濯機を使用すると圧力で白化の原因になってしまいます。
①桶に水をはり、中性洗剤を溶かす。
ウールの混紡の場合は、水温は30度以下にするようにしましょう。
②摩擦が加わらないように押し洗いをする。
揉み洗いやこすってしまうと摩擦で白化してしまうので、優しく押し洗いをしましょう。
③桶の水を入れ替えて、よくすすぐ。
すすぎのときも、洗い同様に優しく押し洗いをします。
④脱水にかける。
洗濯機の脱水を使用して脱水します。型が崩れないようにたたんでネットにいれて、短時間で脱水しましょう。脱水後は、形を整えるように両端をもち軽く振ってください。
洗濯によるニットの縮みの対処法
ニット製品は洗濯の仕方によっては、縮みや型くずれの原因につながってしまうことがあります。大切なニットをダメージから守るための対処法としては、洗濯をするときにニットを水の中でできるだけ動かさないことです。
水の中で動かしすぎてしまうと型くずれや縮みの原因になってしまいます。そのため、手洗いで洗濯する場合は押し洗いや振り洗いなど摩擦が起きない洗い方や、洗濯機を使用する場合はドライコースを使用しましょう。
また、洗濯前に衣類についている取り扱い絵表示を確認することも大切です。手洗い不可や洗濯機使用できないマークがついているニットを洗濯してしまうと、ダメージの原因になるので、必ず確認するようにしましょう。
ニットの洗濯後の干し方
ニットは洗濯後の干し方も注意が必要になってきます。ほかの衣類と同じように干してしまうと伸びや型くずれの原因になります。ここでそれぞれのニットの干し方をご紹介しましょう。
ウール・カシミア・アンゴラニットの干し方
ウールやカシミア、アンゴラニットはハンガー干しをしてしまうと伸びやヨレの原因になってしまいます。これらは、洗濯後は平干しをするようにしましょう。脱水後に形をしっかりと整えてから、日の当たらない平らな場所で袖口と身頃が重ならないように広げて干してください。直射日光が当たると色褪せの原因になるので、必ず日陰で干しましょう。
レーヨン・リネンの混紡の干し方
レーヨンやリネンの混紡のニットは夏物で多く見られるので、薄手のものが多いでしょう。薄手のものは、物干し竿で洗濯バサミなどを使ってしまうと跡になってしまうので、ハンガー干しか平干しがおすすめです。
ハンガー干しも平干しもどちらも、色褪せを防ぐために直射日光は避け、日陰で干すようにしましょう。干す時は形をしっかりと整えて、型くずれを防ぐようにしてください。レーヨン混紡のニットに関しては、レーヨンの割合によってはハンガー干しでは伸びてしまうものもあるので、取り扱い絵表示を確認して、生地によっては平干しをするようにしましょう。
ニットの洗濯におすすめの洗剤
ニット製品を自宅で洗濯するときは、通常の中性洗剤ではダメージを促進させてしまうものもあります。そのため、ニットの洗濯にはオシャレ着洗い用の洗剤がおすすめです。
オシャレ着用洗剤の代表的なもので「エマール」があります。エマールは、通常の洗濯ではダメージを受けやすいニットやシャツなどを、ドライコースの使用で毛玉やヨレ、縮み、色褪せなどを防ぐことができます。
手洗い可能な衣類にはエマールを使用することはできますが、水洗いできない衣類には使用できないので、ニットを洗濯する前には必ず取り扱い絵表示とエマールの注意事項を確認するようにしましょう。
エマール 洗濯洗剤 液体 おしゃれ着用 アロマティックブーケの香り 本体 500ml
衣類のダメージを防ぎながら、すっきりと洗えるおしゃれ着用洗剤です。新品の仕上り感をキープする繊維ケア処方採用し、繊維のダメージを軽減し毛玉やヨレを防ぎます。洗濯機のドライコースの使用でニットはふわっとした洗い上がりになります。
価格:268円
香りも良く、手洗いしても荒れずにふんわり仕上がります。意外と洗えるものも多く購入して良かったです。
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ニットの洗濯におすすめのネット
ダイヤコーポレーション 折り畳み いろいろ物干しネット・2段
ハンガー干しができないニット製品は、平干し用のネットがおすすめです。平らに置くことで伸びやヨレの型くずれを防ぐことができます。長袖のニットなどは、袖を重ねて干すこともできます。
価格:1,173円
ニットをハンガーに干して伸び伸びになったのを機に購入。
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大きくて平らに干せるので伸びる心配がなくなりました。
ニットだけでなく、帽子・パンツ・枕も干せてとても便利です。
セーター干しネット SW1
大きめのニットや、厚手のものは正方形タイプのニットがおすすめです。長袖も広げて干すことができ、型くずれを防止できます。
価格:1,931円
セーターを干すのに購入しました。
出典: https://www.amazon.co.jp/%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E6%A8%B9%E8%8... |
使わない時はコンパクトに出来、皆さんがネットが付けにくいとか
レビューしてましたが特に問題なく使用しています。
お風呂で干すときも風呂釜にぴったりで助かっています。
洗濯で伸びたニットの対処法
手洗い不可のニットなどを洗濯してしまい、生地が伸びてしまったという経験がある方も多くいるはずです。一度伸びてしまったニットは、元どおりのキレイな状態にするのはなかなか難しいですが、伸びてしまったものは縮ませて元に近づけることはできますので、伸びてしまったニットの対処法をご紹介していきます。
スチームアイロンを使う
ニット製品は熱が加わると縮む性質があります。そのため、伸びてしまったニットは熱を当てて縮ませる方法があります。スチームアイロンの蒸気を少しずつ伸びてしまった部分に当てて形を整えながら縮ませていきましょう。
お湯に浸す
短時間で縮ませる方法として、少し熱めのお湯に浸すやり方もあります。
お湯に付けることによって、繊維が引き締まり形を整えることができます。42度程度のお湯に付けて様子を見ながら形を整えていきましょう。高温すぎると一気に縮んでしまう可能性もあるので、少しずつお湯を付けていくのがおすすめです。
お湯に付けた後はタオルドライで形を整えて、ドライヤーで乾かします。これによって、伸びてしまったニットも繊維がキュッと縮むことがあります。
ニットの保管方法
洗濯後のニットを保管するときは、たたんで保管する方法と、吊るして保管するのを使い分けるのがおすすめです。
シワができやすかったり戻りにくい薄手のニットはハンガーでの吊るし保管、重みのあるニットはたたみ保管をするようにしましょう。厚手のワンピースなどたたんでしまうとシワになってしまうものは、肩に厚みのあるスポンジ付きのハンガーで肩のラインを整えて吊るすようにしてください。
また、ニット製品は虫食いに弱いので、たたみ保管も吊るし保管もどちらも、クローゼット内では必ず防虫剤を使うようにしましょう。防虫剤を使用するときは、衣類に直接付かないように気をつけましょう。ごく稀に、化学反応を起こす場合があります。
ニット製品の長持ちは正しいお手入れが鍵!
冬になるとニットは必需品になりますが、洗濯でのトラブルを経験したことがある方も多いでしょう。洗濯をしたら縮んでしまったり、気づいたら伸びていたりと大切なニットの型くずれはショックなです。
今では、ウールやアンゴラ、他の素材との混紡でも自宅でお手入れできるニットが増えてきています。ニットを自宅でお手入れするときは、衣類についている取り扱い絵表示をよく確認して、自宅で手洗いできるかどうかをチェックしてから洗濯するようにて下さい。
洗濯するときは、洗い方や干し方のポイントをよく確認し、ダメージに気をつけて行いましょう。衣類によっては、手洗い不可や洗濯機が使用できないものもあるので、そのようなものはクリーニングに出すようにしましょう。
大切なニット製品を長く愛用するためにも、洗濯方法のポイントはしっかり確認しておくと安心です。
初回公開日:2017年11月22日
記載されている内容は2017年11月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。