洗濯表示のマーク・絵の一覧|旧マーク/新しく変更された
更新日:2020年08月28日
気になる洗濯表示の意味は?
洗濯表示マークが変わって一年が経ちましたが、使いこなせていますか。マークの種類が増えて複雑に感じている人も多いでしょう。新しい表示は国際規格に合わせて統一されているので、輸入ものや海外で購入した服も、新しい洗濯表示マークを覚えてしまえば、迷うことなく洗濯でき衣類を守ることができます。
旧表示では「~するのがよい」と言う表示でしたが、新しい表示は「~まですることができる」という「上限表示」をもとに考えられています。ここまでは良いと解釈できるので、決められた範囲でやりやすい洗濯ができます。
少し複雑な表示もありますが、お気に入りのお洋服が縮んでしまった。色移りしちゃった。なんてことのないように、基本のマークとポイントをしっかりおさえておきましょう。
家庭洗濯できる衣類 おけマーク
洗濯関係の表示の変化のポイントの1つとして挙げられるのが、「おけマーク」への統一です。これまでは洗濯機で洗う場合と、手洗いの場合とでマークが別々でしたがそれが統一された形です。そこにはどのような理由や背景があったのでしょうか。
洗濯機からおけへ
今まで洗濯機表示だった「家庭洗濯」はすべて洗いおけに変わりました。「デリケート洗い?」と思いがちですが、家庭洗濯つまり洗濯機で洗濯ができるという意味です。マークは国内外で統一されているため、洗濯機の形が国ごとに違う事と手洗い表示もできるので、洗濯機から洗いおけに変わりました。
おけマークがあり型崩れの心配がなければ、洗濯機での洗濯がです。皮脂や汚れは付きやすいので、頻繁に洗い清潔を保ちましょう。心配なものはクリーニングへ出すこともできます。
数字は水温
おけの中にある数字は水の温度です。【95】と表示されている場合は、95℃までの温水で洗濯が可能という事です。「洗濯機で95℃で洗濯することがある?」なんて思われそうですが、海外では高温水の洗濯が一般的です。
最近は日本でも『高温洗浄』が設定されている洗濯機が増えているので、「高温洗浄」や「煮洗い」を試したい時は温度表示を確認しましょう。
実は水で洗濯するよりもお湯で洗濯する方が洗浄力はアップします。洗剤が溶けやすく漂白剤が活発に働き漂白力を高めてくれます。皮脂汚れに関しては人の体温以上で溶け出し落ちやすくなります。汚れの気になる洗濯物は洗濯表示の温度内であればお湯洗濯が効果的ですので、ぜひお試しください。
【ー】は水流を
おけマーク下の【ー】は水流の強さを表しています。【ー】の数が多いほど水流を弱くして洗濯するという意味なので、デリケート素材の洗濯物は【ー】の数を確認しましょう。【ー】1本は「洗濯機で弱い処理ができる」、【=】2本は「洗濯機で非常に弱い処理ができる」という表示になります。
おけに手を入れる 手洗い
デリケート素材の衣類にはわかりやすくおけに手が入るマークが表示されています。これは「手洗い」という意味です。優しく押し洗いしているところをイメージするとわかりやすいでしょう。
洗剤を溶かした水やお湯の中でたたんだ衣類を上から優しく押し、力を抜くという動作を繰り返して優しく摩擦を起こさないように洗いましょう。脱水は手のひらで優しくしぼるかバスタオルで挟み水分を取るタオルドライ、または洗濯機で30秒以内の脱水などで絞りすぎないよう気を付けましょう。
また洗濯機の「手洗いコース」「ドライコース」などの優しいコースで洗濯することもできます。水温は押し洗い、洗濯機どちらも30℃以下が推奨されています。
表示に×印は気を付けて!
マークに【×】がついている場合は「手洗いや水洗いが不可」のため、家庭での洗濯は避けクリーニング店へお願いしましょう。ウール素材などの衣類は水により縮みやすいので表示されていることが多いのですが、縮んでからでは遅いので、愛着があったり長く着たいものはクリーニング店へお願いしましょう。
漂白剤使用はフラスコマークから【△】へ
従来はフラスコマークで塩素系漂白剤の使用有無の表示だけだったものが、【△】の表示に変わり洗濯時の漂白剤使用の有無を3種類表示しています。従来のマークと少し似ているので覚えやすいでしょう。
【△】は「塩素系および酸素系漂白剤漂白剤が使える」
【△に//】は「酸素系は使えるが塩素系漂白剤は禁止」
【△に×】は「塩素系および酸素系漂白剤の使用禁止」
となり、酸素系は使えるが塩素系は使用できないの表示が増えました。
塩素系漂白剤は強い漂白力と殺菌力がありますが、色素を破壊するため色柄物には使用できません。白いものの漂白によいでしょう。酸素系漂白剤は塩素系漂白剤より漂白力はありませんが、肌や繊維に優しく色柄物や除菌・消臭対策によいでしょう。
色落ちなどの心配で迷ったときは、マークを確認してから洗濯をするとよいでしょう。
ドライクリーニングは【〇】
ドライクリーニングは従来と変わらず〇の表示で、ドライクリーニングができる・できないの表示から、衣類に適した溶剤を選ぶための表示が増えました。クリーニング店にとっては最も重要な表示です。
また【〇】に【×】はドライクリーニング禁止の表示です。ドライクリーニングとは水を使わず石油系溶剤で洗うことで、油性の汚れを落とす効果や水によって崩れや縮み、色落ちを防ぐ効果があります。
このマークがあるからといってクリーニングに出せない訳ではありません。クリーニング店では表示をみて洗濯方法を選ぶので問題ありません。心配な時は「ドライは×」と伝えておくといいでしょう。
間違いやすいのですが洗濯機の「ドライコース」やドライ洗濯用洗剤を使用して洗うのは、水を使っているのでドライクリーニングではありません。家庭洗濯ができるのはドライマークではなく水洗いができるかどうか、おけのマークをみて判断しましょう。
F・P・W:溶剤表示の種類に追加が
ドライクリーニングの種類はこれまでの【F】と【P】に【W】が加わり3種類となりました。
【F】は「石油系溶剤ドライクリーニングができる」
【P】は「パークロロエチレンまたは石油系溶剤ができる」
【W】は「ウェットクリーニングができる」
パークロロエチレンは洗浄力も強いのですが、繊維に含まれる油分、顔料プリント、コーティングに使用される樹脂(接着剤)を溶かす力も強い溶剤です。それに比べ石油系溶剤は洗浄効果と繊維への影響も穏やかです。
ウェットクリーニングは新しい表示
ウェットクリーニングはクリーニング店が特殊な技術や設備を使用して仕上げる洗濯方法のことで、今まで表示はされていませんでした。汗の汚れはドライクリーニングでも落とせますが、しっかり落としたい時はウェットクリーニングがです。
スーツやコートなどは意外と汗による汚れが付きやすいので、ウェットクリーニングでしっかり汚れを落とすことができるのでです。【〇】に【W】のマークが表示されていたら、汚れの蓄積、においやカビ、生地の劣化予防に試してみるとよいでしょう。
【×】マークがある場合はウェットクリーニング禁止ですので、注意しましょう。
【ー】は強さ
マーク下の【ー】は強さを表示し、【ー】1本は「弱いドライクリーニングができる。または弱い操作のウェットクリーニングができる」となり、【=】2本は「非常に弱いドライクリーニングができる。または非常に弱い操作のウェットクリーニングができる」という表示になります。
水流の強さでもマークの下に【ー】で強さを表しています。【ー】が多いほど弱いを表すと覚えましょう。
ガラリと変わった乾燥は【□】
乾燥は少し複雑なのですが【□】で表示されまるで「乾燥機」のようですが、乾燥機乾燥と自然乾燥の両方を表しています。乾燥機乾燥と自然乾燥を間違えてしまうと、縮みや型崩れの原因になるので、しっかり表示を確認し間違えないようにしましょう。
【□】の中に【〇】でタンブル乾燥
【□】の中に【〇】の表示があればタンブル乾燥が可能の表示になります。タンブル乾燥とは熱や風と回転を利用して短時間で乾燥させることで、コインランドリーにあるドラム式洗濯乾燥機や家庭洗濯機の乾燥もタンブル乾燥です。まさに乾燥機で乾燥することなので乾燥機をイメージして覚えるといいでしょう。
さらに【〇】の中にドット【・】が入っているのは排気温度上限を表示しているので、家庭で乾燥機を使用する場合はマークをしっかり確認しましょう。
また【×】がついている場合は「タンブル乾燥禁止」のため、扱いに注意が必要な衣服です。タンブル乾燥は避け、自然乾燥または静止乾燥ができるクリーニング店へお願いすると良いでしょう。
自然乾燥は【□】の中に衣類の向き 屋根をつけて日陰干し
自然乾燥の表示も複雑ですが、イメージをしながらコツをつかむとわかりやすいでしょう。「干し方」を【□】の中の【|】たて線【ー】よこ線で「」日陰干しを【/】斜線で「脱水」を【|】【ー】の本数で表示しています。ここでは【|】や【ー】を衣類だとイメージしてみましょう。
【|】衣類がたて
干し方の意味は【|】たて線は衣類がたての意味なので「吊り干し」を表しますハンガーや小物干しなどに吊るして干しましょう。Tシャツやコットンシャツなどの普段着や、Yシャツは吊るして干した方がシワも減るので良いでしょう。
【ー】衣類がよこ(平)
次に【ー】よこ線は衣類がよこ(平)の意味なので「平干し」を表します。ネットなどを使い平らな場所に干します。ニット製品はこの干し方が一般的で、吊るしてしまうと衣服の重みで変形するため、重さが均等で負荷をかけない「平干し」をしましょう。
【/】屋根で日陰を
【/】は日陰を表示しており、屋根やひさしをイメージしています。衣服は紫外線エネルギーの影響を受けて変色や退色することがあるため、色柄物はできるだけ太陽光は避けた方がよいでしょう。【□】に【/】が入っていたら、日陰でひっそり干してあげましょう。
線の本数で脱水⁉
よく見ると線の数が1本と2本の表示があります。脱水の有無は線の本数で表示しており【|】【ー】1本は脱水して干す、【||】【=】2本は濡れたまま干すことを表示しています。2本であれば強さは非常に弱いを表すので気を付けましょう。
脱水は洗濯機の脱水も手で絞ることも、衣類に負荷がかかりダメージを与えるため表示をしています。濡れたまま干す場合衣類をひねるなどの負荷は与えず、タオルで包んで吸わせるタオルドライである程度水分をとってから干すとよいでしょう。
また脱水時間が長いとシワになりやすいので、シワの気になる衣類は時間を短くするとよいでしょう。脱水せずに濡れたまま干すとシワが伸びる素材(ポリエステル、リネンなど)もあります。
アイロン 温度表示が変化
アイロンは従来と変わらずアイロンマークですが、マークの中に表示されていた温度が数字から【・】ドットに変わりました。【・】が多いほど高温でのアイロンができるという意味で、【×】がついているとアイロン禁止です。
また従来はあて布を使用する場合の表示がありましたが現在は廃止され、必要な衣類にはマークの近くに「あて布使用」などと追記がされます。あて布も衣類を守るために重要ですのでしっかり確認をしましょう。
アイロンの温度変化
上限温度も従来と微妙に変わっているので注意が必要です。設定温度より低ければ衣類へのダメージは少ないのですが、設定温度より高いとテカリ、変色、生地が解けるなどの可能性があるので、アイロンをかける前は忘れずに確認をしましょう。
【高】210℃→【…】200℃
【中】160℃→【‥】150℃
【低】120℃→【・】110℃
10℃ずつ温度が下がっているので、設定温度に気を付けてください。また【・】の数は多い方が高いと覚えるとよいでしょう。
洗濯表示今と昔
洗濯表示は今と昔のものと比較してみたときに、どのように変化し、またどのようなものが残ったのでしょうか。
ここでは、洗濯関係の表示の昔のものと今のものとをあらためて見比べ、両方がどのように違うのかを見ていきましょう。
名残惜しい旧マーク
新洗濯表示マークは従来のマークを連想させるものもあれば、まったく違うマークになったものもあります。馴染み深かった洗濯機やフラスコ、セーターのマークはなくなりました。
洗濯機マークは手洗いと同じ表示になり、「家庭洗濯」という意味では統一されわかりやすくなっています。漂白剤も三角フラスコのマークだったので【△】マークもイメージが湧いてわかりやすいでしょう。干し方のセーターマークは【□】に変わり少し複雑ですが、セーター(衣類)が線【|】【ー】だとイメージするとよいでしょう。
また絞り方のマークもなくなりました。布が絞られているマークでカタカナで「ヨワク」と表示されていましたが、これは乾燥表示のマークで線【|】【ー】の数で「脱水」として表されるようになりました。
マークの種類は増えましたが、一つのマーク中でいくつかの意味を表せるので、コツをつかめば旧マークよりスムーズに洗濯ができるでしょう。
困ったときのアプリ
そうはいってもなかなか覚えられず間違えてしまいそうで心配です。サクッと簡単に洗濯表示マークが検索できるアプリの活用で、悩み時間を短縮してお洗濯をサクッと終わらせましょう。
そこでわかりやすいと評判のアプリを紹介します。
これ洗える?
ライオン公式の洗濯判定アプリです。
洗濯表示を選ぶだけで洗い方やアドバイスを表示してくれます。新旧どちらも調べられ、ライオン製品ですが適切な洗剤をアドバイスしてくれるのもありがたいです。
洗濯ナビ
花王の洗濯アプリで、経済産業省も監修しています。衣類のタグを見ながらマークを選択すると家庭洗濯ができる、できないなどを判定してくれるのが特徴です。
花王の製品ですが洗剤の種類や洗濯の強弱などのアドバイスをしてくれます。新旧どちらのマークにも対応していて便利な点と表示がシンプルかわいいのがです。
LAUNDRY MARK
新洗濯絵表示の解説と三択クイズのアプリです。図形別に分けて解説されているのでわかりやすいです。洗濯表示の意味を理解した後は三択クイズに挑戦しましょう。楽しく遊びながら簡単にマークを覚えることができます。
洗濯タグチェッカー iPhoneのみ
表示されているマークから確認したいマークをタップすると、選んだマークにマルがつきます。複数選ぶことができ、結果を確認できます。マークの意味も詳しく説明されいるので、洗濯できるできないだけでなく、わかりやすいと評判です。
海外の洗濯表示
ここまで日本における洗濯表示の最新の動向を見てきましたが、海外の場合はどのような事情になっているのでしょうか。
国際基準
従来の日本では国内と海外との洗濯習慣の違いにより、「家庭用品品質表示法」に基づいたマークが使用されていました。独自のファッション文化、風土や習慣などにより洗濯方法に違いあったからです。
しかし海外とのやり取りが増え、洗濯機や洗剤の種類が豊富になったこともあり、新洗濯表示では国際規格に合わせた表示に変わりました。国内外で統一されたことにより、今まで不明確だった製品も正しく洗濯することができるようになりました。
マークは少々違いあり
新洗濯表示マークは国際基準に合わせた表示ではありますが、マークに少し違いがあります。「漂白できない」「ウェットクリーニングはできない」はマークが同じですが黒く塗りつぶされています。
自然乾燥については【□】の中に【|】や【ー】の表示で似てはいますが違いがあるので注意が必要です。
予期せぬ事故に注意!!
海外の洗濯表示は表記の必要がある事項が記されていない場合があります。それにより洗濯の予期せぬ事故も考えられので注意が必要です。アジア製の衣類を購入する際は破損や伸縮、色移りなど危険があることを頭に入れておきましょう。
細かいケアで衣類を大切に
ちょっと複雑なイメージの新洗濯表示マークですが、わかりやすくそして洗濯がスムーズにできるよう洗濯表示マークの紹介をしてみました。
マークの種類が22種から41種に増えましたが、5つの基本記号と【線】【ドット】【数字】【禁止】を抑えてしまえば、スムーズに洗濯が行えます。実際に洗濯ものや道具などを連想してイメージすることで、覚えやすくなるのではないでしょうか。
また洗濯表示の種類が増えたということは、衣類をより細かく丁寧にケアすることができます。洗濯表示が国内外で統一されたことで、輸入製品や海外で購入したものの表示もわかるようなったので、洗濯で迷うことも減るでしょう。これからはお気に入り衣類を今まで以上に丁寧に大切に守ってあげましょう。
初回公開日:2018年01月26日
記載されている内容は2018年01月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。