障子の張替えについて|方法/道具/料金相場/コツなど

障子の張替え方、知っていますか?
今年ももう折り返し地点を過ぎ、暑さも過ぎ、秋風が吹くようになってきました。まだもう少し先になりますが、今年の大掃除は、普段より念入りに掃除しますか、それとも普段よりちょっぴり掃除するだけにしますか。
こちらでは、大掃除に向けて、今年は障子を張替えを検討されている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。参考にしていただければ嬉しいです。
一般的な紙素材の障子の張替え方は?

この頃ではいろいろな素材の障子紙が使われるようになりましたが、昔から使われている紙素材の障子紙の張替え方について、ご紹介します。
障子を破けた部分だけ張替えられる?
パッと見て、障子の一カ所だけ破けていたり、子どもがいたずらで穴を開けたようなちょっとした穴があるお宅もあるでしょう。その障子の破けた部分だけ張替える方法ってあるのでしょうか。いい方法があるのでご紹介します。
破けた部分に、100均などで売っている障子補修グッズでシールをぺったんと貼るだけのグッズもいいですが、いかにも破けた部分を隠している形になります。気になる方は、格子のひとマスを切り取って張替えしましょう。
まずは、破けた部分をカッターでひとマス切り取ります。このとき、障子の桟を傷つけないよに切り取りましょう。切り取ったら、桟にかかるくらいの大きさに新しく貼る障子紙を切ります。新しく貼る障子紙は、桟の外側にはみ出さないように糊をつけてください。これで、一見、障子が破けていないように見えます。
一部分だけ修正したいときには、簡単にできますので、もし、お客さんが急に来ることが決まったときには、急いで作業することができて便利です。
障子紙の剥がし方
一部分だけの障子の張替えは簡単ですぐにできますが、全体的に一枚の障子を張替える時、なかなか労力が必要です。心してかかりましょう。
まず、障子を張替える前に古い障子紙を剥がしていかなければいけませんが、その際、障子を踏んで桟を折ってしまわないように、広い場所で作業しましょう。また、水を使うので、濡れてもいいようにブルーシートやビニール、新聞紙などを引いて床を保護しましょう。
準備が出来たら、障子を取り外し裏返して置きます。水を含ませたスポンジや布、タオルなどで桟部分を濡らします。濡らすことで、桟と障子紙をくっつけている糊を浮かせます。糊が浮いてくると障子紙も剥がしやすくなるので、しばらく時間をおいて、糊が浮くのを待ちましょう。
5分~10分ほど置くと糊も浮き、障子紙も剥がしやすくなるので、ゆっくり丁寧に剥がしていきます。途中、剥がしづらいところがあれば、再度軽く水で湿らせましょう。
古い障子紙が剥がれたら、桟をキレイにします。水を付けた布やスポンジで優しく擦り、残っている糊や紙を落とします。桟を傷つけないように丁寧にしましょう。
剥がし終わったら、しっかりと乾燥させましょう。ただし、直射日光に当ててしまうと、桟が反ってしまうかもしれませんので、出来れば風通しの良い場所で、半日ほど干しましょう。
剥がし終わったら、障子紙をはる。
障子紙をキレイにはがし終わって、乾燥させたら、次は障子紙を貼りましょう。一番緊張する大事な部分ですが、落ち着いて丁寧にやれば大丈夫です。
ここでは普通の障子紙の貼り方を紹介します。準備するものは一般的な障子紙と糊、カッターと定規、あればマスキングテープを準備してください。準備が出来たら、貼っていきます。
まず、障子紙を片方の桟にマスキングテープで、仮に貼り付けます。続けて、桟に糊をつけていきます。丁寧に塗り残しがないように糊を桟へ塗っていきましょう。すべての桟に糊を塗り終えたら、片側に仮止めしておいた障子紙を転がして貼り付けていきます。転がしながら、手や使用していないきれいな刷毛で桟と障子紙をつけるように軽くなでて接着します。貼り終えたら、余分な障子紙をカッターで切ります。定規を使って、キレイに真っすぐ切りましょう。
障子紙を貼り終えたら、あとは乾燥させるだけですが、乾燥後もたわみが見られれば、軽く霧吹きで水をかけることをおススメします。
素材別、障子の張替え方
最近の障子は障子紙以外の障子も多くあります。プラスチック素材の障子紙や布など種類もいろいろです。その場合、普通の障子紙と少し扱い方が違うようです。その素材に合った張替え方がありますので、こちらも参考にしてください。
プラスチック素材の障子紙の剥がし方
プラスチック素材の障子紙の場合は、張替えする際にも少し一般的な障子紙とは扱い方が違います。まず張替え前の剥がし方から見てみましょう。
プラスチック素材の障子紙は、水を弾いてしまうため、水で湿らせて糊を浮かせることができません。プラスチック素材の障子紙を張替える場合は、ドライヤーを使用して剥がしていきます。
その剥がし方は、ドライヤーの熱風を桟にあてて、温めることで糊を緩めて剥がす剥がし方です。少し大変ですが、まんべんなくドライヤーの熱を障子にあて、少しづつめくって剥がしながら作業をしていきましょう。
プラスチック素材の障子紙の貼り方
プラスチック素材の障子紙は丈夫で、破れにくいので張替える回数も減ります。何度も障子を張替える手間をかけたくない方、小さい子どもがいて破れにくい障子を貼りたい方にはおススメです。
このプラスチック素材の障子の貼り方も、すこし普通の障子紙とは違いますが、貼り方は簡単です。まず、準備するのは、プラスチック素材の障子紙と、その障子紙専用の両面テープです。障子専用の両面テープを桟に貼り付け、普通の障子紙の時と同じようにマスキングテープで桟の片側に仮止めしておきます。すべての桟に両面テープを貼り終えたら、同じように転がしながらプラスチック素材の障子紙を貼り付けます。
プラスチック素材の障子紙を剥がすのは大変ですが、貼り付けるのは意外に簡単そうです。
障子に布を張替えたい場合
プラスチック素材の障子紙も強くて破れにくいですが、このところ布を障子紙のかわりに貼って楽しんでいる方もたくさんいらっしゃるようです。布も丈夫ですし、可愛らしい素敵な柄がたくさんあるので、オリジナリティあふれるお部屋ができそうです。
しかし、布を障子紙代わりに貼る場合は、どのように貼ればいいでしょうか。お部屋のリメイクを楽しんでいる方は、障子紙かわりに布を貼る場合、両面テープや画びょうや細めの釘などで桟にとめています。画びょうや釘を使用する場合は、落ちて足などで踏まないようにしっかりと留めてください。
また、桟の方にも少し穴が開いてしまうので、そこのところ、ご了承ください。
障子を張替える時に必要な道具って?
では、上手に障子を張替える為に必要な道具って、どんなものを揃えるといいでしょうか。キレイに障子を貼るために、しっかりと道具をそろえるところから始めましょう。
まずは、どんな素材の障子紙を貼るかで用意する道具も変わってきます。一般的な障子紙に張替える場合、プラスチック素材の障子紙に張替える場合、布製の障子紙に張替える場合、その他の障子紙に張替える場合とそれぞれで用意するものが違います。それぞれに必要な道具を、始める前にしっかり揃えましょう。
一般的な障子紙に張替える場合に必要な道具は?糊?
一般的な紙でできている障子紙に張替える場合に必要な道具はこちらです。
糊、カッター、長めの定規、マスキングテープ、刷毛、霧吹きがあればOKでしょう。
最近では、障子紙張替え用の専用糊があるので、昔のように自分でお米から糊を作ることをしなくてよくなりました。またすぐに桟に濡れるように専用の容器に入っているため、塗るための刷毛は必要ないでしょう。
しかし、桟と障子紙を糊で接着する際に、刷毛があると力を入れないで撫でるだけでキレイにつくので、あれば準備してるといいでしょう。
プラスチック素材を障子に張替える場合、両面テープが必要!
プラスチック素材のものを障子に張替える場合、必要な道具として何を準備したらよいでしょうか。
一般的な障子紙の場合は、糊が必要でしたが、プラスチック素材の場合、糊では貼り付けられないので、その場合は両面テープを準備するのを忘れないようにしてください。両面テープとマスキングテープがあれば、仮止めして、桟の両面テープ部分にしっかりとプラスチック素材の障子紙も貼ることができるでしょう。
布製のものを障子に張替える場合には何で貼るといい?
この頃、お部屋のリメイクをする方の間でも人気な布製のものを障子紙として張替える場合には、何で貼るといいでしょうか。障子紙用の糊では貼りつかないですし、両面テープでも強力なものでないと貼れません。しかし、強い粘着力の両面テープを使ってしまうと次に張替えたいときに剥がすのに一苦労です。
そこで、布製のものを障子紙として張替える場合、おススメなのが画びょうや細い釘です。落ちないように、しっかりと打ち込むことがポイントですが、桟に少し穴が開いてしまうのがちょっと残念なところです。しかし、色々とカラフルな布や自分の好きな柄の布を貼ると部屋の中も明るくなり、ぐっとテンションもあがります。
アイロンを使って張替える障子紙も!?
実は、変わった障子紙の張替え方にアイロンを使って貼ることができる障子紙があることをご存知でしょうか。アイロン接着できる特別な障子紙の場合だけですが、準備するものは、マスキングテープとアイロンだけです。かなり便利な障子紙です。
張替え方も簡単で、マスキングテープで四方に障子紙を仮止めしたら、アイロンをかけるだけです。その時、障子の中央から外側へむかってかけていきます。慌てず、ゆっくり桟の部分を撫でるようにかけていきましょう。アイロンの温度は、140度~160度くらいの温度にするのがコツです。
また、アイロンで貼り付けた障子紙を張替える場合も、剥がすときに簡単にはがせます。再度、アイロンをかけて熱で接着したところをゆるめるだけです。接着剤を温めると粘着力が弱くなるので、アイロンをかけながら、ゆっくり剥がしていくと上手に桟からはがすことができます。
自分で張替える場合にかかる金額は?
結構、時間と労力が必要な障子の張替えですが、材料費などはどのくらいかかるのでしょうか。必要なものには、障子紙、糊や両面テープなどの接着剤、定規やマスキングテープ、カッター、霧吹きなどです。
それらの道具に加えて、障子紙を準備しなければなりませんが、今は色々な素材の障子紙が揃っています。値段やライフスタイル、張替えやすさや柄やカラーの好みで選ばれるとよいでしょう。
紙素材の障子紙は?
まず、障子紙の相場ですが、一般的な紙でできた模様などない真っ白障子紙だとホームセンターで購入した場合、安いものでは、4枚入り300円ほどから購入することが出来、安価に張替えることができます。
他にも色付きの障子紙や柄が入ったものがありますが、それらは白い障子紙と比べると若干値段が上がります。2枚入りで900円ほどで購入できます。
お好みで、色付きの障子や柄付きの障子を楽しむのもいいでしょう。
プラスチック素材の障子紙は?
プラスチック素材の障子紙の相場はどうでしょうか。紙素材の障子紙と比べると値段がグッと上がります。ネット通販やホームセンターなどで購入すると、一枚700円~1200円ほどで買うことが出来ます。何度も張替えなければならない手間暇を考えると、高いけど丈夫なプラスチック素材の障子紙を貼るのもありでしょう。
また同じプラスチック素材の障子紙でも、普通のプラスチック素材や超強力プラスチック素材など色々あります。好みと値段で選ぶとよいでしょう。
アイロンで張替えられる障子紙は?
アイロンで張替えすることができる障子紙のタイプの相場を見てみると、プラスチック素材のアイロン接着タイプと紙素材のアイロン接着タイプの2種類あり、プラスチック素材は大体、一枚900円~1500円ほどになります。紙素材のものだと少し安くなり一枚700円~1000円ほどで購入できます。
家族の成長やライフスタイル、値段を考慮して、選ぶのもいいでしょう。
業者に張替えを頼む場合にかかる金額は?
時間がある方や張替える障子が少ないご家庭は、自分で障子を張替えるのもよいでしょう。しかし、忙しい方、張替える障子が多くて大変なご家庭は、業者に張替えをお願いするのもおススメです。自分で張替えするよりも高くなりますが、プロが張替えますので、見た目もキレイに張替えることができます。不器用で障子をキレイに張替える自信がない方も業者に頼むとよいでしょう。
張替えてもらう障子紙の種類にもよりますが、普通の紙素材のもので、一枚当たり1500円~3000円ほど、普通紙よりも強力素材のものになると、一枚当たり2000円~5000円ほど、プラスチック素材のものは、一枚当たり5000円~8000円ほどで張替えてもらえます。
また、高級素材の障子紙や普通の障子枠ではない障子に張替えなどをお願いする場合は、上記の値段とは変わってきますので、張替えを請け負ってくれる業者に見積もりをとってもらうことをおススメします。
障子を上手く張替えるコツは?
障子を上手く張替えるためのポイントを五つご紹介します。
まずは必要な道具をきちんと揃えるところが第一のポイントです。
第二のポイントは、古い障子紙を障子の桟からキレイに剥がすことです。キチンと貼られている障子紙の素材に合った剥がし方で桟から剥がしていきましょう。
第三のポイントとして、古い障子紙を剥がし終わったら、障子を平らな場所に置き、新しく貼る障子紙の位置を決めましょう。貼る位置を決めたら、糊や両面テープなどで障子紙を接着していきます。
第四のポイントは、両面テープや糊を桟にキレイにつけるところです。
第五のポイントは、障子紙を貼る際、たるみがでないようにしっかりと伸ばして貼り付けるところが重要です。アイロンタイプの障子紙を貼る場合は、中央から外側に向かって、桟の上にアイロンをかけるところがポイントになります。
道具と障子の下処理、貼り付ける際にしっかりと伸ばして貼りましょう。
しかし、どうしてもちょっとしたたるみなどが出来てしまった場合は、糊が乾いてから霧吹きで薄く水を吹きかけてみましょう。時間を置くとシワがとれ、ピンとしてきます。
新しい年を新しい障子で迎えましょう
しっかりと道具さえ揃えれば、自分でも簡単に障子の張替えができます。最近では、簡単に張替えることができるようにホームセンターなどで、セットで道具も販売しています。糊や紙素材の障子紙、マスキングテープ、定規、カッターなどは、100均などでも販売していますので、安く張替えたい方は、100均で揃えることも可能です。
また、道具をたくさん必要としないアイロン張りでできる障子も売っていますし、手軽に張替えることができ、素材も丈夫なので、しばらく張替える手間もかかりません。
コツさえつかめば、手軽に張替えることができるので、部屋の雰囲気を少し変えたいときなども障子を張替えると簡単に部屋の模様替えもすることが出来、気分も一新できます。これから、年末に向けて、家族みんなで今年あった出来事を話しながらコミュニケーションしながら、障子を張替えるのもおススメです。
新しい障子に張替えて、新年を迎えるのはいかがでしょうか。キレイに張替えた障子で、福をたくさん呼び込みましょう。