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2017年08月31日

長期優良住宅にするメリットとデメリット|固定資産税/火災保険

あなたの夢のマイホームはどのようなプランを思い描いていらっしゃるでしょうか?できれば、老後の生活にも耐えうるしっかりとした住宅を購入したいものです。ここでは、国土交通省が推進する長期優良住宅について詳しく解説していきます。

長期優良住宅にするメリットとデメリット|固定資産税/火災保険

長期優良住宅とは?

長期優良住宅とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(平成21年施行)に基づく制度です。住宅の新築時において、長期にわたってクオリティの高い状態を保持するとともに、その後のメンテナンス、リフォーム等の利便性を評価するものです。具体的には、長期優良住宅の認定の条件として、劣化対策、耐震性対策、維持管理対策、高齢者対策(バリアフリー等)、省エネルギー対策等のついての細かい基準があります。

劣化対策

劣化対策は、新築住宅を建設するにあたっての最も重要なファクターです。この長期優良住宅は「通常想定される維持管理条件下で、構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年程度となること」というのが基本概念です。

たとえば、鉄筋コンクリート造であれば、セメントの水分比率を低減するとともに、鉄筋に対するコンクリートのかぶりを厚くすることとなっています。また、木造ならば、床下の高さを330㎜以上にすることや床下に点検口を設置する規定があります。

耐震性対策

耐震性は、東日本大震災や阪神大震災のような、大規模地震に対する損傷を一定以下に低減を図るとともに、継続利用のためのリフォーム等を容易にすることを定めています。具体的には、建築基準法レベルの1.25倍の地震でも倒壊しないということを想定しています。

維持管理

建物本体に比べて、メンテナンスの頻度の高い内装、設備等について、その点検、補修、清掃等を簡単に実施するための措置を考慮することとなっています。これは、一般住宅でも定期的に実施されますが、この長期優良住宅は、より短いスパンで、より細かい点検をする必要があります。

可変性

時代の流れとともに変化するライフスタイルに対して、フレキシビリティに対応しうる措置がなされていることとなっています。具体的には、間取りの変更の容易性や配管、配線のための天井高確保等があります。

高齢者対策

将来の高齢化を見越して、廊下の幅や階段の幅、勾配等について、バリアフリー改修に対応できるスペースを確保するようになっています。

省エネルギー対策

建築物省エネ法に基づくもので、断熱性能アップによって省エネ性能を確保することとなっています。

居住環境

街並みにマッチした景観の形成や地域における居住環境へ配慮する必要があります。

住戸面積

良好な居住水準をキープするための居住空間の基準です。たとえば、1戸建て住宅の場合は75㎡以上で、共同住宅の場合は55㎡以上となっています。さらに、1階面積が40㎡以上という基準もあります。

維持保全計画

これは、当初の建築時に長期的なスパンで点検や補修をする計画を策定することです。具体的には、給排水設備等の点検時期やその内容について細かい項目があります。

長期優良住宅のメリットは?

耐久性のメリット

当然のことですが、新築住宅が長期にわたってクオリティの高い状態に保持されるというのが最大のメリットです。親子2代にわたって住み続けることができ、また、ローンの承継もスムーズです。そのためにも、当初の長期優良住宅の品質に過信することなく、きめ細かいメンテナンスが必要です。

減税効果のメリット

まず、住宅ローン控除でメリットがあります。居住開始が平成26年4月から平成33年12月であれば、控除対象限度額が一般住宅の場合は4,000万円ですが、長期優良住宅の場合は5,000万円となります。つまり、10年間の最大控除額は一般住宅の400万円に対して、長期優良住宅は500万円になり、100万円も多くなるメリッがあります。

次に、住宅ローンを利用されない方にもメリットがあります。具体的には、所得税の投資型減税で、標準的な性能強化費用相当額(上限650万円)の10%相当額を、その年の所得税額から控除できます。さらに、不動産所得税は控除額が1,300万円と一般住宅より100万円アップするというメリットがあります。登録免許税、固定資産税もそれぞれ軽減措置があります。

住宅ローンの供給支援のメリット

民間金融機関が、長期優良住宅について最長50年の住宅ローンを供給できるよう住宅金融支援機構が支援するという金融面のメリットがあります。また、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」Sにおいて、長期優良住宅の場合に利用できるプランでは、金利を引き下げる期間を通常プランでは、当初5年間としているところを当初10年間に延長しています。

長期優良住宅の補助金は?

新築住宅

まず、長期優良住宅の補助金としては、「地域型住宅グリーン事業」(超長寿型)という国土交通省が木造住宅推進の一環として、木造住宅の生産体制を強化して木材、建材の需要促進を図る事業があります。それに伴い、事業の一定基準を満たした地元の建築業者で施工すれば、100万円の補助というメリットがあります。

中古住宅

また、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、高質住宅ストックの形成や子育てがしやすい環境の整備のため、住宅の長寿化や複数世帯の同居を念頭においたリフォームの推進を図る事業となります。その対象工事は、耐久性や耐震性等住宅性能を一定基準まで向上させる工事です。そのリフォーム後に必ず各項目について評価基準を満たすことが要件となります。

この補助額のメリットは、長期優良住宅認定を取得する場合は1戸あたり200万円、さらに、一次エネルギー消費量が省エネ基準化20%削減される場合は1戸あたり250万円です。

長期優良住宅のデメリットは?

長期優良住宅のデメリットは、この認定手続きに費用と時間がかかることがあげられます。長期優良住宅の認定を受けるためには、行政機関への支払い手数料が多いところで数万円必要となります。さらに、手続きをする住宅メーカーや工務店等のマージンも上乗せとなります。後でトラブルにならないためにも、当初のコストについての入念な打ち合わせをすることが肝要です。

また、時間も相当かかります。当初の設計から数回の打ち合わせそして長期優良住宅認可申請まで1か月程度の期間が必要です。さらに、住宅メーカー自体がその長期優良住宅のついての経験不足、知識不足等で、遅延の可能性もあります。これは、精神的なデメリットということでしょう。

次に、長期優良住宅を建築するということは、それだけ高い基準の建物を建てることになりますので、当然建築コストが上がるというデメリットがあります。ただ、その分良質な住宅で長期間にわたって快適に暮らせるわけですから、その費用対効果をしっかりとチェックしておきましょう。

さらに、居住後のランニングコストが気になります。一般住宅より短いスパンで細かく定期点検をすることが義務付けられていて、必然的にそのコストは高くなるデメリットがあります。

長期優良住宅の申請手続きは?

長期優良住宅の申請手続きの流れをまとめてみると次のようになります。長期優良住宅建築計画作成⇒登録住宅性能評価機関に事前審査依頼⇒審査⇒「適合証」受理⇒行政機関に認定申請⇒審査⇒認定通知書受理と少し複雑です。

長期優良住宅を取り巻く環境は?

民間金融機関の住宅ローン

現在、長期優良住宅を利用した住宅建築には、住宅ローンの超低金利というフォローの風が吹いています。政府日銀が推し進めるマイナス金利の最大のメリットです。現在、メガバンクで変動金利は年0.625%、全期間固定金利は年1.33%(期間30年)と金融史上稀にみる低金利です。昭和の終わりごろのバブル期には、住宅ローンの金利は約7~8%だったことを考えると大変なメリットといえるでしょう。

また、ネット銀行の住宅ローンは、さらに格安な金利となり、そのメリットはさらに大きくなります。ぜひ、このメリットを享受するように、しっかりとした生活設計を策定することが肝要です。たとえば、新たに住宅ローンを検討されている方は、全期間固定金利や一定期間固定金利の方が、長期間にわたって低金利が適用されメリットが大きいです。

ただ、当初の返済金額の負担が大きくなりますので、これからのライフスタイルも考慮しながら、無理のないローン設計をしましょう。また、借り換えを検討されている方は、ローン残高1,000万円以上の場合や、返済期間10年以上の場合であれば、手続きの諸費用(保証料、保証会社事務手数料、司法書士報酬、登録免許税等)を考慮してもメリットになるケースがありますので、借り換えシミュレーションを活用して積極的にメリットを享受しましょう。

住宅金融支援機構の住宅ローン

住宅金融支援機構の長期優良住宅を対象とした住宅ローンに「フラット35」S(Aプラン)と「フラット50」というラインナップがあります。たとえば、「フラット35」S(Aプラン)であれば、当初10年間の金利が年0.8%と優遇されるため、全期間通じて約84万円の返済金額が削減できるメリットがあります。

基本的には、ローンの設定において、この住宅金融支援機構の住宅ローンをできるだけ多く設定したうえで、不足分を民間金融機関で融資を受ける方がメリットが大きいです。

長期優良住宅の今後は?

国土交通省によると、長期優良住宅の認定件数(平成28年9月まで)の累計は、1戸建て住宅で73万戸、共同住宅で1万7千戸となっています。住宅着工件数に占める割合は、1戸建てでも約4分の1程度で、共同住宅においてはわずか数%というのが現状で、メリットよりデメリットが意識されているということでしょう。

これは、先ほどのデメリットのコスト高が大きく影響していると考えられます。特に、共同住宅においては、長期優良住宅という概念が居住者によって大きく隔たりがあるとともに、その長期優良住宅の性能向上の必要性についても意見が分かれるので、この長期優良住宅のデメリットが優先されるのでしょう。

長期優良住宅で豊かな老後生活

わが国の平均寿命は男女とも80歳をこえてきています。仮に、40歳でマイホームを取得すれば、その後40~50年の歳月があります。ですから、住宅建築については、長期スパンでの耐久性、快適性、機能性等のさまざまなファクターを十分考慮のうえ、後で後悔しないようなライフプランニングが必要です。

そのためにも、長期優良住宅のメリット、デメリットを十分に理解したうえで計画を策定することが必要です。また、超低金利というメリットもありますので、住宅建築、リフォームには千載一遇のチャンスといえます。今こそあなたの英断によって、これからのあなた自身のしあわせとともに、子供や孫のしあわせが確保されることでしょう。

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