【エアコン部分別】掃除スプレーの使い方|室外機/送風ファン
更新日:2020年08月28日
エアコン室外機の掃除に洗浄スプレーの効果はあるの?
エアコンの室外機の掃除には、エアコン用洗浄スプレーでの掃除は推奨されていません。なぜなら洗浄スプレーの成分の中に、熱交換機のアルミフィンを腐食させてしまう成分が含まれているものがあるからです。
室外機は、粉塵や雨などの影響は考慮されて作られているので、掃除せずに放っておいても汚れが室内に入ることはないのですが、室外機がベランダに設置されている場合は、掃除をした方が良い場合があります。
それは洗濯物から派生した埃が室外機の背面に付き、うまく熱交換できなくなっている場合の時です。室外機が汚れていることにより性能が落ちたり、コンプレッサの寿命が短くなることもあります。汚れにより熱交換機の効率が悪くなると、電気代も余計にかかってしまいます。
そこで、室外機の掃除の方法を紹介します。
室外機の掃除方法とは?
掃除をする前に、エアコンのスイッチを切って電源プラグは抜いておきます。室外機の上や近くに物が置いてあると、排熱の妨げになるので離しておきます。室外機の裏面にある薄い金属板に付いている埃や、枯草などが落ちていたら、掃除機で吸い取りましょう。取りにくい汚れは歯ブラシで掻き取ります。
冷却フィンに付いた汚れや埃も、歯ブラシや綿棒を使って掃除します。水を使う場合は、フィンがアルミでさびやすいのでしっかり水分を乾かしましょう。ファンとファンの前に取り付けられているキャビネットも、埃などを掃除します。
排水ホースの水抜き穴は、ゴミの蓄積によりふさがってしまうと室外機の内部に水がたまり故障につながる事もあるので、棒などを使い掃除します。
掃除の目安は、年に1回位です。
エアコンの掃除スプレーの問題点とは?
掃除スプレーを使い自分でエアコンの掃除に挑戦すると、色々な問題を引き起こす可能性があります。そこで問題点をいくつか紹介していきましょう。
1.エアコンの掃除スプレーは、洗い流したり拭き取る必要がないので、洗浄成分が内部に残ってしまい、エアコンの機器の触れてはいけない部分に触れてしまうと故障の原因になります。
2.掃除スプレーの洗浄成分には、カビを防止する成分が入っていますが、エアコン内に洗浄成分が残っていると、逆にそれがカビの温床になりカビを発生させてしまいます。また、残った洗浄成分に汚れや埃が付着し、プロの清掃業者でも落とすのが難しい位の硬い塊になり、故障の原因になりかねません。
3.掃除スプレーを噴射すると飛び散りやすく、スプレーの薬剤が部屋の壁紙やカーテンなどに付くと変色したりシミになることがあるので、エアコン周りにビニールを養生テープで貼り、スプレーの飛び散りを防御する必要があります。
4.カーエアコンや天井埋め込みタイプのエアコンなど、掃除スプレーが使えないタイプのもがあります。
掃除スプレーによる故障の原因とは?
掃除スプレーによる故障の原因は、大きく分けると2つあります。
1つ目は、電装部品を濡らしてしまうことで起こる故障です。市販されているスプレーの多くは、アルミフィン(熱交換器)で使用する物が多く、使用外のファンの部分や電装部の基盤部分にスプレー液が付くと、回路部がショートしてしまい動かなくなってしまうことがあります。
2つ目は、スプレーしたことにより流れ出た汚れが、色々な部位に詰まることで起こる故障です。
エアコン内部の埃やゴミがきちんと掃除されていないと、スプレーしてかかった洗浄剤により、埃やゴミが固まりエアコン内で詰まり故障の原因になったり、掃除スプレーは使用後洗い流さないので、スプレー成分が浄化せずエアコン内部に汚れと一緒に残ったり、その残った物にカビが発生したりして、故障の原因になります。
エアコンの掃除スプレーの使い方は?
ここではアルミフィン(熱交換器)の掃除スプレーの使い方について、説明します。
掃除をする前には、必ずエアコンの電源を切りコンセントをプラグから抜きましょう。ビニールシートを床に敷いたりエアコンの下や周りなどにテープを使い取り付けたら、窓を開け換気を良くします。
エアコンカバーを開けフィルターを取り外し、フィルターに埃などが付いていたら掃除します。露出したアルミフィンにも埃などが付いていたら掃除します。
エアコンスプレーのストッパーを取りよく振って、約5cm離してアルミフィンに向かって一気に全量スプレーしましょう。洗浄後15分以上経ったら、エアコン内部を乾燥させるため送風で1時間程度エアコンを運転させます。送風機能が付いてない場合は、冷房の設定温度を1番高くして運転させても良いです。
洗浄後は、排液が排水ホースから流れ出てきます。
エアコンの送風ファンの掃除スプレーの使い方は?
エアコンの送風ファンは、ファンを掃除できるスプレーを購入して掃除しましょう。
エアコンの電源を切りコンセントをプラグから抜きます。床と壁やエアコンの下にも必ずビニールをテープで取り付け養生します。ビニールに汚水が溜まると重みでビニールが落ちてしまう事があるので、こまめにビニールを取り替えたり床にバケツを置き汚水が溜められるようにしておくと安心です。電装部品もラップを使って保護しておくと安心です。
部屋の換気を良くし、送風ファンに向かって全体にまんべんなくスプレーしていきます。送風口に手を入れ、5~6回ファンを回転させ全体に行き渡らせます。30分位経ったら、リンスで洗剤を流します。リンスがない場合は、たっぷりの水で洗い流しましょう。
洗剤が完全に排水されたら、コンセントをさして電源を入れます。最後に、奥に残った汚水の吹き出し防止のため、吹き出し口にタオルをあてて10秒位送風運転をして、掃除は完了です。
市販掃除スプレーの種類とは?
市販されているエアコン掃除スプレーには、何種類かあります。スーパーやホームセンターなどで販売されているものもあれば、ネットショップで販売されているものもあります。種類は、エアコンのフィンを掃除するスプレーと送風ファンを掃除するスプレーです。
具体的にどのような商品なのか、これから紹介していきます。
アース製薬エアコン洗浄スプレー防カビプラス
このエアコン洗浄スプレーは、2本パックで格安な値段で販売されています。エアコン1台につき1本のスプレーを使用します。防カビ効果があり、初めてエアコン掃除する人には、使いやすい商品です。
無香性のものと、エアリーフローラルとフレッシュフォレストの香りが付いたものがあります。
エアコン内部クリーナーシュ!シュ!
このエアコン洗浄クリーナーは、水をベースに作られていて、薬剤が使われていません。有害物質が含まれていないので、環境配慮がされ健康被害もないのでがあります。
使い方は他の洗浄スプレーと同じで、手軽にエアコン掃除ができます。汚れ具合によっては、2~3本使用した方が良い場合もあります。使用後はニオイも消え、冷風・暖風が効率良く出てくると評価の高いスプレーです。価格は、他のスプレーに比べ少し高めです。
くうきれいエアコンファン洗浄剤
この洗浄スプレーは、エアコンの送風ファンを洗浄するためのスプレーです。2本組になっていて、ムースタイプのスプレーでカビやバクテリアを洗浄して、リンスの入っているもう1本のスプレーで汚れを洗い流し、ニオイも取れます。
またこのスプレーには、通常は別途用意の必要な養生シートが付いているので、購入後すぐに掃除を開始することができます。価格は、このスプレーも他のスプレーに比べ少し高めです。
メーカー別掃除スプレーはあるの?
エアコンメーカーで、メーカー独自の掃除スプレーを販売しているメーカーはありません。それはエアコン内部の専門的知識のない人が、自分で掃除スプレーを使い掃除すると、故障や破損を引き起こ可能性があるからです。
各メーカーは、エアコン内部の洗浄を各メーカーのサポートセンターやエアコン洗浄を専門に行っている業者に依頼することを推奨していますが、家庭でできる範囲のエアコンのお手入れ方法も紹介しています。メーカーによって説明の詳細に差はありますが、紹介していきます。
富士通
富士通のエアコンは、シーズン前・シーズン中・シーズン後のお手入れ方法が、紹介されています。
シーズン前のお手入れ
エアコンを使うシーズン前のお手入れは、室内機や室外機に問題や故障がないかチェックします。ブレーカーや電源プラグに異常がないか確認し、次にフィルターやダストボックスに埃やゴミがたまっていたら掃除し、破損もないか確認します。リモコンも電池切れや液晶画面に異常がないか確認しましょう。
室外機は、周りに吸気や排気を邪魔するものが置いてないかや、送風ファンに雑草などが絡まっていないかも確認します。ドレンホースにゴミや泥がたまっていたら取り除き、亀裂・たるみ・潰れがないか確認します。
自分でできるお手入れを確認できたら、エアコンの電源を入れて動作確認をしましょう。冷房は18度、暖房は30度で運転します。フィルターを掃除したのにニオイがしたり、送風が弱かったり、エアコンの内部が汚れている場合は、メーカーか専門業者に点検と掃除を依頼することが推奨されています。
シーズン中のお手入れ
エアコンを使用する日常のお手入れは、最初に必ず運転を停止し電源プラグを抜きます。運転中は内部で送風ファンが高速回転しているので、ケガや故障の原因になります。運転中吹き出し口に、指や棒を入れるのもケガや故障の原因になりかねません。
エアコンのふたの部分を、水かぬるま湯を含ませた柔らかい布で拭き、その後から拭きします。自動お掃除機能のないエアコンは、2週間に1度のフィルターの掃除が推奨されています。フィルターに埃が付いていたら掃除機で取ったり、水洗いして日陰でよく乾かしましょう。水洗いをする時は、ブラシでこすったり40度以上の温水は使用しないで下さい。
完了したら、電源プラグを差し込みます。
シーズン後のお手入れ
エアコンの必要のない季節に、使用しなくなって1か月以上経過している場合は、まず天気の良い日に半日送風運転して、機械の内部乾燥させます。乾燥を終えたら電源プラグを抜き、フィルターを掃除して取り付けておきます。リモコンの電池は液漏れ防止のために、取り出しておきましょう。
エアコンの内部の汚れを感じていたら、この時期にメーカーや専門業者に点検と掃除をしてもらうことが推奨されています。エアコンの点検・掃除は機種にもよりますが数時間かかり、点検・掃除作業中はエアコンの運転ができないため、使用しないシーズンの点検・掃除が推奨されています。
霧ヶ峰
三菱エアコン霧ヶ峰は、シーズン前とシーズン中のお手入れ方法が紹介されています。
シーズン前のお手入れ
電源プラグの埃を乾いた布で拭きとり、ダストボックスにたまっている埃も捨てて正しく取り付けます。室内機と室外機の吹出口や吸入口がふさがれていないか確認します。部品の汚れが気になる場合は、お手入れをします。
上記の確認ができたら電源プラグを差し込み、暖房運転で温風が出てくるか、冷房運転で冷風が出てドレンホースから排水されているか確認しましょう。
その後室内機本体のお手入れをします。汚れをやわらかい布で軽く拭き取り、汚れがひどい時は水またはぬるま湯を含ませた布をよく絞り、汚れを拭き取ります。エアコンフィルターを取り外し埃を掃除機で吸い取ったり、水洗いをして日陰でよく乾かしましょう。
汚れがひどい場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯ですすぎます。50度以上のお湯で洗ったり、直射日光や火にあてて乾かすと、変形や破損の原因になります。
ニオイが気になる場合は、窓を開けて2~3時間冷房運転をして様子を見ます。吸い込んだニオイ成分が熱交換器の結露水に溶け込み洗い流されて、ニオイが軽減されることがあります。
シーズン中のお手入れ
フィルターの掃除は、冷暖房効果を弱めないために2週間に1度をめやすに掃除することが推奨されています。フィルターお掃除メカ搭載機種は自動でフィルター掃除を行いますが、油汚れやタバコのヤニ汚れが気になる場合は、お手入れすることが推奨されています。また、ダストボックスに埃がいっぱいになったら、埃を捨てます。
フィルターのお手入れの方法は、富士通のエアコンと同様です。お手入れが終わりフィルターを元の位置に確実にセットしたら、リセット機能のある機種はリセットをします。
シャープ
シャープは、シーズン中のお手入れ方法が紹介されています。
シーズン中のお手入れ
シャープのエアコンは、フィルターとルーバーとダストボックスが水洗いできます。
フィルターの掃除は、自動掃除運転付きのエアコンの場合は6か月に1度、自動掃除運転の機能が付いていない場合は2週間に1度のお手入れが推奨されています。フィルターの汚れを掃除機で吸い取り、水洗いします。フィルターの形が崩れないように、力を加えず洗います。日陰でよく乾かします。漂白剤やタワシ、40度以上のお湯で洗ったり、直射日光やドライヤーなどで乾かすと破損の原因になります。
ルーバーは工具を使わず簡単に取り外せて水洗いでき、ルーバーの取れた吹き出し口は簡単に拭き掃除をすることができます。
車のエアコン用掃除スプレーはあるの?
車のエアコンのエバポレーターという部分に市販のエアコン掃除スプレーやカーエアコン専用のクリーナーで掃除ができます。車のエアコンで掃除が必要なのは、フィルターとエバポレーターです。フィルターは、外部と内部の空気を吸い込む役割をして、エバポレーターは、エアコンの中に吸い込まれた空気を冷却させて出す役割をしています。この2か所は、微細な埃がたまり菌が繁殖しやすい場所です。
フィルターの掃除は、フィルターがカーショップで販売されているので、適合を調べて交換すれば掃除をせずに交換するだけでニオイがしなくなります。交換する時は、フィルターの向きが違わないように気を付けて交換します。
エバポレーターの掃除は、エバポレーターがエアダクトの奥にある車種がほとんどで、ネジで固定されていたら蓋を外しエバポレーターの中にある板に直接掃除スプレーを吹きかけしばらく待ちます。車の下から水滴が落ちてきたら洗浄できた合図です。蓋をネジで固定してエアダクトを戻せば掃除終了です。
DRIVEJOY クイックエバポレータークリーナーIII
車専用のクリーナーで業務用として販売されている商品です。ディーラーのアフターケアメンテナンスでも普通に使われていて、口コミでも高評価の商品です。価格は少し高めですがネット通販などで購入できます。
抗菌・消臭効果は6か月~1年程度あり、定期的に使うことにより車内を衛生的に保つことができます。使い方も難しくなく、クリーナーの泡が電子配線やマットなどに飛び散らないように養生してから使用しましょう。
1番良い方法でエアコン掃除をしましょう!
上記の記事からわかるように、エアコンの掃除はエアコンにも自分にも無理をせずできる方法で行うのが良いでしょう。
市販の掃除スプレーを使ってフィンや送風ファンを上手に掃除し、内部環境をきれいな状態に保っていければコストも安く抑えられるし良いでしょう。しかしそれには使用しているエアコンの知識を十分に持っていなければ、エアコンを故障させたり破損させたりしてしまいます。
エアコンの知識に自信がなければ、各メーカーが推奨している自分でできる範囲の掃除をして、エアコン内部の細かな部分はメーカーのサポートセンターや専門業者のプロに依頼した方が、エアコンをきれいに安全に使い続けられるでしょう。
いつまでも清潔で安全にエアコンを使用していきましょう。
初回公開日:2017年11月30日
記載されている内容は2017年11月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。