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屋根の種類と特徴・構造|素材/家/マイクラ/オープンカー

更新日:2020年08月28日

身近な存在でありながら家のメンテナンスの中でも今ひとつ関心が薄いのが「屋根」ですが、よく観察してみると面白いことに気づくようになります。ここでは、長い歴史と文化に支えられて今も進化をつづける屋根の種類について紹介します。

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方形屋根

「方形(ほうぎょう)屋根」は「寄棟」の種類のひとつで、沖縄県の民家に見られるようなピラミッド型の構造が特徴です。特徴は寄棟とほぼ同じですが、三角形の屋根板4枚の頂点が頂上部に集まっているため「かき合い」は一か所で、上空から見るとほぼ正方形に見えます。大棟がないのも、この種類の特徴です。

片流れ

「片流れ(かたながれ)屋根」は、切妻屋根の片側だけを残したような構造をした種類で、モダンな印象を受けるスタイルです。切妻よりもさらにシンプルで、メンテナンスもしやすいですが、雨が降ると切妻の2倍の雨水が片側に集中するのが特徴です。

片流れに似た屋根で、マンションやアパートのように水平の屋根をmった種類を「陸(ろく)屋根」と呼びます。シンプルでスタイリッシュな印象があるほか、豪雪地方では落雪事故を防止する目的で、頑丈な陸屋根を設置する住宅が増えています。

雪止め

金沢などの積雪地域で屋根の上に見られる種類の「雪止め」は、屋根に積もった雪が滑り落ちないようにするスパイクのような役割を果たします。瓦に雪止めが施されているタイプもありますが、既存の屋根に金属製の雪止めを後付けすることも可能です。

豪雪地帯では逆に雪下ろしの必要があり、作業の邪魔になることから雪止めは付いていませんが、比較的積雪が多い地域で軒先が道路に面していたり、植木がある場合には、落雪によるトラブルを防ぐために採用することをお勧めします。雨樋を守るのにも役立ちます。

ルーフィング

屋根の下葺き材のことを「ルーフィング」と呼びます。ルーフィングは、瓦やトタン屋根の隙間から漏れてきた雨水や水滴などを家の中に侵入させないため、防水機能を備えています。さらに、夏になると屋根の表面温度は70度にも達するため、高温に強い素材であること、一方で冬の低温にも硬化しない柔軟性などが求められます。

屋根の素材の種類

屋根を形作る素材は瓦やルーフィングばかりではありません。普段は地味で目立たない存在でありながら、そこには建築物の居住性を高めるための技術がふんだんに盛り込まれています。普段は仕上げ材の下に隠れて見えない、下地の種類についてご紹介します。

下地

見えないところで屋根の働きを支える下地は、どの種類の屋根にも共通する構造をしていますが、大きく分けて3つの種類に分類されます。屋根の骨組みとも言える「垂木(たるき)」は、大棟から軒先に向かって屋根面の強度を支えるるため、約45センチ間隔で取りつけられます。

さらに、その上を覆って屋根の面を形成する「野地板(のじいた)」と、主に防水の目的で野地板の上に敷く「ルーフィング」の3つが、屋根の「下地」です。

野地板

垂木の上に施工する野地板には、さらにいくつかの種類があります。一般に使用することが多い「コンパネ」と呼ばれる合板は、薄くスライスされた「べニア板(単板)」を奇数層使用し、縦と横90度で交互に木目を重ねて熱圧接着した種類のものです。コンパネとべニアは混同されることも多いですが、実際には「複数のべニアを接着して1枚にしたもの」がコンパネです。

さらに、日本農林規格の分類によれば、コンパネとはコンクリートで建築物の基礎を打つ際の型枠用合板のことで、住宅用の野地板などは「構造用合板」という種類に入っています。いずれにしても、合板の長所は重ねるべニアの量によって厚みや強度を自由にコントロールできる点で、それにより全方向からの圧力にも高い強度を発揮します。

合板に使用される木材の種類はさまざまで、シナ材、ラワン材、タモ材などが一般的です。芯にラワンを用いて表面に柔らかな質感のシナを使う場合もあります。

木造

合板に比べるとややコスト面では劣るものの、野地板に無垢の杉材が使われることもあります。高温多湿の日本では、接着剤で固定したコンパネでは強度に不安があるとの声もあり、その点で熱や湿気に強い無垢材はメリットが大きいと言えます。

無垢材を使った木造建築の心地良さは、無垢材が湿気を通しやすいことに由来します。これは接着剤の層を挟んでいる合板には無い特性ですが、その分だけ合板の方がシロアリなどの害に強いのが特徴です。

ハウスメーカーを中心に、なぜ合板が多く使用されるかと言えば、コスト面の問題に加え、自然素材である杉材は合板のように強度を数値化することが難しいことが挙げられます。さらに、時間経過とともに劣化する合板に対して、古くなるほど乾燥して強度を増すのが自然木の特質なので、裏を返せば新築の時がもっとも弱いということになります。

鋼板

鋼板(こうはん:Sheet steel)は、鋼を板状に加工した板金の種類のひとつで、屋根材に使用されます。種類は大きく「熱間圧延鋼板」と「冷間圧延鋼板」に分かれ、厚みによって「薄鋼板(3mm以下)・中鋼板(3mm以上)・厚鋼板(6mm以上)・極厚鋼板(15mm以上)」などの種類があります。また、加工の方法によって「帯鋼」「化学処理鋼板」「化粧鋼板」に分かれます。


鋼板のひとつである「ガルバリウム鋼板」は、1972年にアメリカで開発された新しい素材です。芯材の鋼板にメッキを施して腐食を防いだもので、屋根材は100種類にのぼります。計量でコストパフォーマンスが良いことに加え、耐久性にも優れます。最大の特徴はデザイン性の高さで、瓦の形をしたものからシンプルな横葺きスタイルまで自在です。

金属屋根の弱点は騒音に弱いことで、陶器やスレートと比較すると屋根を打つ雨音が部屋に伝わりやすいと言われています。断熱性の低さも特徴で、夏は室内温度が上昇しやすく、空調効率の面で他の種類の素材に劣ります。

家の屋根にの種類

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初回公開日:2017年11月11日

記載されている内容は2017年11月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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