日本国内/アメリカのウォーターサーバーの普及率・推移・理由
更新日:2020年08月28日
ウォーターサーバーってどんなもの?
ウォーターサーバーは、専用のボトルを設置するだけで、安心・安全な水(温水・冷水)を24時間いつでも飲める給水機器です。もともと業務用に作られたものですが、近年では家庭用も開発され、インテリアの1つとしてスタイリッシュなウォーターサーバーもあります。
日本ではまだ普及率が高いとはいえませんが、テレビコマーシャルなどで大々的に宣伝されるようになり、その認知度は高まっています。
ウォーターサーバーにはどんな水を使うのか
ウォーターサーバー用の水は「ミネラルウォーター(天然水)」と「RO水」の2種類があります。メーカーによってミネラルウォーターとRO水の両方を取り扱っているところと、どちらか片方だけしか取り扱っていないところがあります。
【ミネラルウォーター(天然水)】
化学処理されていない天然のミネラルが豊富な水。
【RO水】
天然の水を「RO膜(逆浸透膜)」で濾過し、不純物やミネラルを取り除いた水。
最近は富士山の麓から採取された天然水がです。しかし赤ちゃんのミルクや離乳食用に使う場合は、安全性が高くミネラルが少ないRO水を使うことをします。
ウォーターサーバーのボトル
ウォーターサーバーのボトルは「ワンウェイ方式(使い捨て)」と「リターナブル方式(再利用)」の2種類があります。それぞれメリット、デメリットがあります。最近はワンウェイ方式が主流になっているようです。
まずは、それぞれのメリットとデメリットを挙げてみましょう。
ワンウェイ方式のメリット、デメリット
ワンウェイ方式のボトルは使い切り、使い捨てタイプです。
【メリット】
・使い切りなので新鮮さが保たれ雑菌繁殖の心配がない
・使い切ったボトルは家庭用ゴミとして処理できる
・ウォーターサーバーのメンテナンス費用が不要
・ウォーターサーバーレンタル料が無料
【デメリット】
・料金がリターナブルと比べると水の値段が髙い
・ゴミを捨てる手間がかかることと環境に優しくない
・ウォーターサーバーのメンテナンスはセルフ
ワンウェイ方式のボトルは中身が減るとそれに応じてボトルが小さくなり、限りなく空気が入らない状態に保てるのがポイントです。使い切ったボトルも最終的には小さく畳めるので、ゴミの量もかさばりません。
リターナブル方式のメリット、デメリット
リターナブル方式はボトルを再利用します。
【メリット】
・ワンウェイ方式と比べると水の値段が安い
・ボトルが再利用なので環境に優しい
・専門家にサーバーメンテナンスをしてもらえる
【デメリット】
・回収してもらうまで空ボトルを保管しておかなければならない
・ウォーターサーバーのレンタル料が有料(のケースが多い)
・ガロンボトル内に外気が流入する(酸化しやすい)
専用ボトル(ガロンボトル)は再利用といっても洗浄、殺菌をきちんと施しているので安心して使えます。
ウォーターサーバー発祥の地はアメリカ
ウォーターサーバーの歴史は意外と古く、濾過システム付きのウォーターサーバーが誕生したのは1910年ごろのアメリカとされています。当時のアメリカ、特にアメリカ南西部は乾燥地帯で水が貴重でした。そのため、ウォーターサーバーの普及率が高まったのです。
1930年代には水の宅配ビジネスが盛んになり、水道水が確保できない土地に住む人たちの間で普及率が高まりました。
一方、日本はどの地域も水が豊富で人々の生活圏内には井戸や川があり、常時水を備蓄する生活習慣ではありませんでした。近年はスーパーやコンビニでペットボトルに入った水を買うことは普通のことですが、一昔前まで「水を買う」習慣は日本人にはありませんでした。さらに水道インフラが整っている日本では(一般的には)水道水を飲料水として利用している家庭が大半です。
このような土壌が、日本でのウォーターサーバー普及率が低い要素になっているのです。
ウォーターサーバーのメリット、デメリット
実際、ウォーターサーバーを使っている方々はどのようなメリット、デメリットを感じているのでしょう。
【メリット】
・おいしい水がいつでも手軽に飲める
・宅配なので購入が楽(重たいものを持ち運ばなくていい)
・ゴミ(ペットボトル)が減る
・災害時の備蓄水として使える
・インテリアとしてすぐれたデザインを楽しめる
【デメリット】
・設置する場所が必要
・温水・冷水使用の場合、電気代がかかる
・料金(水)がかかる
・タンクの入れ替え
特に赤ちゃんや小さいお子さんがいるご家庭で、ウォーターサーバーの普及率が高まっているようです。
日本でのウォーターサーバーの普及率
ネットリサーチ・マイボイスコムが2010年から2016年まで(計7回)、ウォーターサーバーに関するアンケート調査を行いました。それによると「現在利用している」と回答した率は以下の通りです。
2010年 2.8%
2011年 3.2%
2012年 2.7%
2013年 2.9%
2014年 3.6%
2015年 4.1%
2016年 4.0%
となりました。少しずつですが普及率が高まっていることがうかがえます。
初回公開日:2017年05月29日
記載されている内容は2017年05月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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