刀の手入れ方法・手入れに必要な道具・手入れの頻度
更新日:2020年08月28日
日本刀の魅力と所有する方法は?
日本刀の魅力に刀剣女子たちも
日本刀の魅力は、なんといっても切っ先から刀の縁に沿って浮かぶ三日月などの紋様や刀の反りの美しさなどで、刀に向き合ったときの凛とした清々しさ、古来から面々と伝わる厳粛さにあるでしょう。最近は、名刀が展示される博物館などには若い女性も多く訪れます。
日本刀といえば、以前は中高年の男性の独壇場でしたが、「刀剣乱舞(とうらぶ)」というオンラインゲームをきっかけに「刀剣女子」と呼ばれる女性たちが急増しています。2015年のことで、この年の流行語大賞にも「刀剣女子」はノミネートされました。
博物館や資料館、神社などで観賞するだけでなく、本物の刀剣や模造刀を購入する女性が増えているそうです。
刀剣の所有方法と所有件数
通常、刀剣には「銃砲刀剣類登録証」が付いていますので、購入すれば許可を得たということになります。その登録証が無い刀剣の場合は、警察署で「刀剣類発見届出済証」を発行してもらってから、教育委員会で刀剣登録のための審査を受けて登録証の交付を受けることになります。
この許可を得た刀剣類の数、所有件数は、平成27年では全国で3157件とされています。警察庁の「平成28年警察白書」には平成23年からの推移が示されていますが、微減の状態が続いています。刀剣女子をはじめとする刀剣ブームで今後上向くかは微妙なところです。
刀剣の種類と各部の名称
日本刀の各部の名称は、上の図にあるように呼ばれています。鍔(つば)とか切羽(せっぱ)、鞘(さや)、鎬(しのぎ)など、慣用句に用いられている名称も多いようです。日本刀の手入れを説明するときに、いろいろな各部の名称がでてきますので覚えておきましょう。
日本刀の種類
日本刀には形や大きさ、用途の違い、造られた時代などによって次のような種類があります。
■直刀(ちょくとう):古墳時代から奈良時代にかけて造られた刀で、反りがほとんどなくまっすぐか、わずかに内反りのものです。聖徳太子の肖像画の剣には直刀が描かれています。
■太刀(たち):平安時代後期から室町時代初期に造られ、反りが大きく刃長は70~80cmあります。博物館などでは、刃を下にして飾ってあります。
■刀(かたな):室町時代中期から江戸時代末期まで使用され、刃長は60cm以上ありますが、太刀よりは短いものです。太刀とは逆で刃を上にして腰にさします。現在、日本刀というとこの刀が主流になります。
■脇指(わきざし):30~60cmのもので、刀と同じく腰に指します。桃山・江戸時代には「大小」といって刀の予備にし、揃えて一組にして用いられていました。
その他、30cm以内の短刀や剣(つるぎ)、薙刀(なぎなた)、槍なども種類としては日本刀のなかに含まれます。ここで紹介する日本刀のお手入れは、主に「刀(かたな)」の手入れについてのものになります。
刀の手入れ道具には何が?
刀の手入れに使う道具は上の写真で、右下にあるのが目釘抜(めくぎぬき)、その上が打粉(うちこ)、その上の容器には油塗布が入っています。その左が油、中央にあるのが拭い紙(ぬぐいがみ)です。拭い紙は油を塗るための油塗紙としても使われます。
目釘抜(めくぎぬき)
刀を手入れするためには、まず刀身と柄(つか)を固定している目釘を抜く必要があります。その抜くための道具で、真鍮製のものや竹製のものなどがあります。
打粉(うちこ)
砥石の微細粉、30g程度を吉野紙でくるみ、さらにその上を綿、絹でくるんだものです。刀身をポンポンとたたくと、白い粉が出ます。時代劇でよく見るシーンです。
油と油塗紙(布)
初回公開日:2017年09月25日
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