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虫干しをする意味・着物・本の虫干しのやり方・季節|ハンガー

更新日:2020年08月28日

久しぶりに開いた本の中に、ダニのような小さな虫を見付けた経験や、タンスにしまっていたウールのセーターやカシミヤの服が虫食いによって穴が空いていた経験はありませんか?本や洋服に付く虫の正体と、効果的な虫干しの方法や虫干しに適した時季、時間帯を紹介します。

虫干しをする意味・着物・本の虫干しのやり方・季節|ハンガー

虫干しって何?

虫干しとは虫やカビが付くのを防ぐために、書籍や衣類、調度品などを箱から出して、風を通したり、日に当てたりする作業のことを言います。虫干しは日本では古くから行われている作業です。

どうして虫干しをするの?

湿気の多い日本では、たんすや押し入れにしまっておいた服や本が、梅雨の時期に活発になる虫やカビによって傷んでしまうことがしばしばあります。

虫干しの歴史は古く、中国では「曝涼(ばくりょう)」と呼ばれていました。日本では平安時代の初期から始まったと言われ、正倉院やその他の寺社で中国の曝涼にならって蔵物の虫干しが行われてきました。虫干しは大切な着物や書物などをカビや虫食いによる被害から守るために行う生活の知恵です。

では、洋服や本を食べる虫とはいったいどんな虫なのでしょうか。

洋服に付く虫

衣服を食べる虫は1種類ではありません。4種類の虫が衣服に付く虫、衣料害虫として存在します。どの虫も幼虫の時だけ衣服に付き、衣服を食べます。

ヒメカツオブシムシ

ヒメカツオブシムシの成虫は、体長およそ4~4.5mmほどの全身黒褐色の昆虫です。成虫は花の蜜や花粉をエサとし、特にキク科の花を好みます。

ヒメカツオブシムシの幼虫は体長およそ5.5mm前後で色は赤褐色で、体全体は細かい毛におおわれ、お尻には長い毛が生えています。ウールやカシミヤ、シルクなどの動物性繊維を好み、綿などの植物性繊維を食べることはありません。

ヒメマルカツオブシムシ

ヒメマルカツオブシムシの成虫は体長およそ2.5mmほどで、体全体は細かい毛に覆われ、色は褐色と白、黒の斑紋があります。こちらも成虫はキク科の花の蜜や花粉を好み、特に白い色の花によく集まります。

幼虫は体長およそ4mmほどで太めの円筒形、体全体は細かい毛に覆われています。ヒメカツオブシムシほどではありませんが、お尻には長めの毛が生えていて、これは防御の役割があるとされています。

ヒメカツオブシムシの幼虫が動物性の繊維しか食べないのに対し、ヒメマルカツオブシムシは植物性、動物性どちらの繊維も食べてしまいます。

イガ

イガは漢字では「衣蛾」と書く蛾の仲間で、成虫は体長およそ4.5mmで淡い灰色をしており羽根には薄黒い斑紋があります。イガの仲間は光を嫌い、暗い所に潜む習性があります。

幼虫は体長およそ7mmで動物性の繊維を好んで食べ、エサの繊維で膜状の鞘(さや)を作り、鞘を体に付けたまま移動します。

コイガ

コイガの成虫は体長およそ6~8mmの淡い白色をした蛾です。羽根にイガのような斑紋はありません。

幼虫は体長およそ6~7mmで植物性、動物性どちらの繊維も食べ、時には化学繊維も食べてしまうことがあります。コイガの幼虫も繊維などで鞘を作りますが、イガの幼虫のような膜状の鞘ではなく、トンネル型のしっかりとした鞘を作ります。

本などに付く虫

本などに付く害虫を書籍害虫と言います。書籍害虫は主に次の3種類がいます。

シミ

シミは漢字では紙魚と書き、最も原始的な特徴を持つ昆虫類です。名前の由来は紙を好んで食べ、体をくねらせてまるで魚が泳いでいるように動く姿や、湿気った所を好むことから付いたと言われてします。書籍害虫としては最も有名な虫です。

シミは体長およそ9~10mmで、種類によって銀色に見えるものや黒く見えるものが存在します。体は平らで細長く涙滴形をしていて、お尻には長い尻毛と尻糸が生えています。卵から産まれたシミは成虫と同じ形をしていて、一生脱皮をしながら成長を続けます。

動きは非常に早く、和紙などの紙の表面を舐めるように食べます。

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初回公開日:2018年03月10日

記載されている内容は2018年03月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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