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無水エタノールとは|成分/価格/用途別使い方/販売店/保管方法

更新日:2020年08月28日

無水エタノール、ご存知ですか?これが1本あれば、掃除用洗剤から虫除けスプレー、化粧水など、私たちが日常生活で使うさまざまなものが自宅で簡単に作れちゃう優れものです。無水エタノールを使って、清潔で安全なエコライフ、始めてみませんか?

無水エタノールとは|成分/価格/用途別使い方/販売店/保管方法

最近はコンビニやスーパーでも薬が売られるようになりました。しかし、それらは「医薬部外品」、つまりかつて医薬品だったものがさまざまな理由で医薬品ではなくなったということです。もし、ホームセンターやコンビニ・スーパーで医薬品の取り扱いがあるとしたら、その店舗に登録販売者がいるから販売できることになります。

無水エタノールが該当するのは第三類医薬品なので、基本的に、「薬剤師または登録販売者がいる店舗」なら販売されている可能性がある、ということになります。端的に言えば、医薬品コーナーがあれば売っている可能性がある、なければ売っていない、ということです。

とはいえ、コーナーの広さによって販売される医薬品の種類が異なりますので、無水エタノールが置いてあるかどうかは店舗に直接確認してみてください。

ところで、100円ショップでは医薬品の取り扱いがありません。当然、無水エタノールも100円ショップにはありません。

インターネットでの販売

実は、インターネットでの一般用医薬品の販売が始まったのは、2014年から。つい最近なんです。これまた誰でも販売できるわけではなく、店舗での販売と同様に薬剤師または登録販売者がいること、さらに実店舗を持っていることが必要条件になります。ネット上のみのお店では販売できません。

とはいえ、実店舗があり、何かあったら質問に答えてくれる登録販売者がいるので、インターネットでの購入で怪しげなものを買わされるのでは、といった心配は無用です。大手の通販サイトには取り扱いがあるので、近くのお店に置いていない場合は活用してください。

無水エタノールの保管方法

自宅で保管するなら

何よりも気を付けなければならないのが、火の近くは厳禁だということです。無水エタノールには引火性があり、揮発性が高いので、たとえばふたを開けて火の近くに寄せてしまったら、それだけで燃えてしまう可能性があります。キッチンで使う場合はコンロの近くに置かないように、石油ストーブを使っている場合はその近くに置かないように気を付けてください。

エタノールの引火点(引火するのに必要な最低温度)は約13℃です。13℃以上の環境にあると、火を近づけるだけで引火してしまいます。13℃以下の場合は、火を近づけて温められて13℃以上になった時に引火します。そのことからも、高温になる場所での保管はできません。

「エタノールは自然発火する」という噂もありますが、それはエタノールが400℃以上になった時。基本的に、蓋をきっちり閉める・火の気に気を付ける・冷暗所に保管、という点を守っていれば特に問題はありませんのでご安心ください。

保管できる容器は?

もともとはポリエチレンの容器に入って売られています。買ってそのままの容器で保管することは問題ありませんが、もし別の容器に入れ替える場合は、ガラス製・陶器などをします。ただ、空気に触れると吸湿したり酸化するので、なるべくなら買ったそのままの容器で保管しましょう。

また、エタノールを多く含む液体は、入れられる容器の素材が限られています。OKなのが、ガラス製品や陶器、ポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(PP)・ポリ塩化ビニル(PVC)製のもの。無水エタノールを掃除の洗剤代わりや消毒・消臭スプレーとして使う容器も、やはりこれらで作られたものを選んでください。

保管に適さない容器は?

エタノールNGなのが、ペットボトルなどのポリエチレンテレフタレート(PET)・スチロール樹脂とも呼ばれるポリスチレン(PS)・アクリル樹脂などのもの。これらの素材でできた容器にエタノールを入れると、容器が割れたり変形したり、プラスチックが溶けだしてしまうことがあります。

100円ショップなどでスプレーボトルを購入する場合、中には「アルコールを含むものを入れないで下さい」という注意書きが入っているものがあります。それは、PET素材で作られていることが多いので、エタノールの濃度の高いものには使わない方がいいでしょう。

安全に使うことを考えたら、ガラス製の容器(100円ショップでも取り扱いがあります)や、多少高くてもきちんとした素材のものを購入することをします。

無水エタノールは飲める?飲めない?

無水エタノールは販売時に酒税相当加算額がかかります。つまり、飲めるか飲めないかの二択で言うと、飲めます。

エタノールの致死量は250~500mlです。その量以上を飲むことは絶対NGですが、ではその分量以内なら飲んでも平気なのかというと、そうとも限りません

アルコール度数100パーセントということ

無水エタノールはほぼ度数100%のアルコールなので、飲むと大変なことになります。要するに100度のお酒を飲むのと同じこと。ちなみに度数の高いお酒といえば、ウィスキーが40~60度、ウォッカが40~90度、その中でも世界で度数が高いお酒、ポーランドのスピリタスは96度。ここまで高いとストレートでの飲酒はできません。

100度となるとそれ以上なので、まず口・舌・食道・胃などの粘膜が荒れます。急性アルコール中毒になることもあるでしょう。

さらに、エタノールの純度を上げるため、何度も蒸留する過程でベンゼンを混ぜます。なので、このベンゼンが微量に残っている可能性があります。ベンゼンは発がん性物質なので、たとえ微量でも摂取するべきではありません。

オマケの豆知識

余談ですが、同じアルコール類でも毒性の強いメタノール(メチルアルコール)を万が一飲んでしまった場合、濃度50パーセントのエタノールを飲むと解毒になるのだそうです。正確には、体内の分解酵素がメタノールよりもエタノールを先に分解するため、メタノールの酸化によって現れる症状が抑えられる、という効果です。

一般家庭でメタノールを誤飲する場面はなかなかないでしょうが、知識として頭の片隅にあると、万が一が起きたときに参考になるでしょう。

もう一つ余談ですが、前項で「消毒用エタノールは飲用不可なので酒税がかからない」と書きました。

市販の消毒用エタノールには、メタノール・イソプロパノールといった成分が含まれており、それらが毒性が強いため、飲用不可です。メタノールは8~30mlの摂取で失明・最悪の場合は死亡する可能性がありますし、イソプロパノールも長期間飲み続けると、内臓や神経がやられ、呼吸器官もやられ、生殖機能への影響も出てきます。

少量なら飲んでも問題はないでしょうが、面白がって大量に飲んだりすると、確実に健康を害します。お子様が間違って飲んでしまったりしないように、保管には気を付けてください。

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初回公開日:2017年10月28日

記載されている内容は2017年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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