虫干しをする意味・着物・本の虫干しのやり方・季節|ハンガー
更新日:2020年08月28日
和紙と表装用の布で作られている掛け軸も虫食いの被害に合いやすい調度品のひとつです。大切にしまっておいた高価な掛け軸を、慶事の時に飾ろうとたとう箱から出してみたら虫食いで穴が空いていた、なんて失敗もよくあることです。
掛け軸の虫干しも本や衣服の虫干しと同じように、湿度の少ない晴れた日に行います。直射日光は和紙や布を傷めたり、色あせ、色やけの原因になりますので避けましょう。
本の虫干しのやり方
本の虫干しのやり方は、晴天が続いて湿気の少ないよく晴れた日に風通しのよい日陰で行います。直射日光に当ててしまうと本が茶色く変色したり、写真が色あせたりと本を傷めることになりますので避けます。
本を虫干しする時間と注意
本の虫干しは午前10時頃から日が傾きかけた午後3時頃までに行います。
ただし、本を閉じた状態で風通しのよい所にただ置いていても、ページの間に入り込んだ虫を退治することはできません。本は立てて90°開いて置く、または180°開いて平置きにします。たまにパラパラとページをめくってもいいでしょう。
こうすることで本の中まで風が入り虫を追い出し、カビの予防にもなります。本の虫干し中は本の保管場所の掃除も合わせて行いましょう。
ひな人形や五月人形も虫干しが必要?
ひな人形や五月人形をキレイな状態に保つためには、年に一度虫干しすることをします。他の虫干しと同じように直射日光には当てずに、風通しのよい室内で人形の虫干しをします。
また、五月人形は兜や刀など金属を使用した場所が多く、手の汗が付いてサビてしまうことを避けるために、なるべく素手では触らずに手袋を着用して扱いましょう。
防虫剤を使う時に注意すること
衣服や人形を虫食いから守るには防虫剤の使用も効果的です。しかし防虫剤の使用には注意することがあります。まずは防虫剤の種類と特徴を紹介します。
ピレスロイド系(エムペントリン製剤)
除虫菊から抽出された殺虫成分が主な原料です。臭いが無くて効果が高く、安全性が高いのが特徴です。また、他の防虫剤との併用も可能です。
しかし、銅や真鍮と反応してサビさせてしまう可能性があるため人形の保存や真鍮のボタンなどが付いた衣服への使用は避けた方がいいでしょう。
パラジクロロベンゼン製剤
速効性があるものの昇華性が高く、効果が長続きしません。また臭いが強いため衣服や人形に臭いが付いてしまうことも難点です。
さらに、ポリエチレンやポリプロピレンを除くプラスチック製品と反応して、溶かしてしまうことがあります。
しょうのう製剤
クスノキ由来の防虫成分であり、ハッカのような香りがあります。古くから着物の防虫剤として使われていました。
天然由来成分ですが有毒なため、小さなお子さんがいるご家庭では誤って口に入れないように注意が必要です。
ナフタリン製剤
初回公開日:2018年03月10日
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