ドライクリーニングの服を自宅で洗う方法|洗剤/洗濯機
更新日:2020年02月26日
ドライクリーニングの服を自宅で洗う方法
特別な日に着ていきたいおしゃれ着、素材がデリケートなセーターやブラウス、スーツなど、ドライクリーニングに出せば、風合いの変化や色落ち、伸び縮みなどがなく、とりあえず安心です。しかし、時間的にクリーニングに出す余裕がないときや、経済的にもクリーニング代が負担になっているとき、できるだけ自宅で洗えたら助かります。
ドライクリーニングに出すような衣類を自宅洗うときのやり方、失敗しないポイントなどをご紹介します。
お店のドライクリーニングは石油系溶剤を使う
自宅でのドライクリーニングとお店のドライクリーニングとでは、洗い方も使っている洗剤も全く違うものだということを理解しましょう。お店のドライクリーニングは、水の代わりに石油系溶剤が使われています。この方法は、油汚れを落としやすく、衣類にやさしい洗浄方法です。水を一切使わないため、ドライクリーニングと呼ばれています。
しかし、自宅でドライクリーニングでは、水を使用します。そのため、厳密にはドライクリーニングとは言えません。使う洗剤も石油系溶剤ではなく、衣類への負担が少なくアルカリ度の少ない、いわゆるおしゃれ着洗い用洗剤を使います。
自宅でのドラクリーニングの服を洗うやり方
普段ドライクリーニングに出すような衣類を自宅で洗う場合には、まず、衣類のクリーニング表示を必ずチェックしましょう。確認したいところは「ドライマーク」と「水洗い」です。ドライマークがついている場合には、「ドライクリーニングしなければいけない」ということではなく、「ドライクリーニングできます」という意味ですから勘違いしないようにしましょう。
基本的に「水洗い×」の場合には、水洗いをすると色落ちしたり、縮んだりしやすいと考えてください。綿、麻、ポリエステルといった素材は、「水洗い×」であっても、自宅でクリーニングができます。しかし、大切な衣類で「絶対に失敗は許されない」というものは、ドライクリーニングに出したほうがいいでしょう。
自宅でドライクリーニングの服を洗う場合には、「洗濯機」と「手洗い」の二つの方法があります。両方に共通していることは、「水に浸けた状態で、できるだけ動かさない」「長い時間水に浸けない」「衣類に負担をかけない専用の洗剤を使う」です。
洗濯機で洗う場合には、専用のコースを選んで、洗濯ネットに入れ、おしゃれ着洗いの洗剤で洗うことが大切です。機種によって専用コースの名称は違いますが、「ドライコース」「おしゃれ着洗い」「ソフト」などあるので、取扱説明書をよく読みましょう。
洗濯ネットは、衣類をできるだけ動かさないようにするためのものです。洗濯中に繊維と繊維がこすれたりすると縮んだり、ケバ立ったりする原因になります。中に入れる衣類とサイズの合ったネットを使うことがポイントです。
ドライクリーニングが自宅でできる洗剤
エマール
おしゃれ着洗いの洗剤といえば、エマールです。普通の洗剤に比べると色褪せや縮み、毛玉が無くなるといった効果が期待できます。しかし、衣類の風合いを守るために洗浄力は、通常の洗剤よりも弱くなります。
また、エマールで洗える衣類の洗濯温度は30度以下がおすすめです。高い温度で洗えば、汚れが落ちやすいと考えますが、繊維を傷めてしまうことになるので、お風呂のお湯を使う場合にも、しばらくして温度が下がった頃を見計らって使いましょう。
蛍光剤無配合の、中性のおしゃれ着洗いです。
出典: http://www.cosme.net/product/product_id/2938831/review/50... |
手洗いOKのワンピースや衣類の洗濯時に使っています。
香りは、リフレッシュグリーンで、爽やかな香り。
麻の入ったワンピースもしわがきれいに伸びて、縮まずいい仕上がりに洗い上がりました。
ドライクリーニングを自宅でする場合の洗濯機で洗える服
普段ドライクリーニングしている衣類でも、洗い方のポイントさえ押さえておけば、失敗せずに洗うことができます。初めは不安を覚えるでしょう。もし失敗してもあまりダメージのない衣類から始めてみましょう。
スーツ
ウール素材のスーツは、自宅で洗濯すると縮んでしまいます。これは、水によって羊毛繊維のキューティクルが開いてしまうからです。開いたまま摩擦が起こると、キューティクルが絡まってしまうため生地が縮んでしまいます。
スーツの選択方法として用意するものは以下の3つです。
・おしゃれ着洗い用洗剤
・洗濯ネット
・スーツハンガー
手順1
シミや汚れが目立つところは洗剤の原液を塗っておきます。布やティッシュ、なければ指などで、薄くのばしてなじませておきましょう。
手順2
スーツをたたみます。このときジャケットの方は背中を中心にして二つ折りに、パンツはセンターラインが両端にくるようにして、三つ折り程度にたたみます。ジャケットは、ボタンを全部外し、パンツは逆に金具やファスナーを止めておきましょう。
手順3
洗濯ネットに入れて洗濯機へ入れます。洗濯機のコースを間違えないようにドライコース、あるいは、ソフトコースを選びましょう。
手順4
洗い終わったら、シワにならないようにすぐに取り出しましょう。そしてシワを伸ばしながらハンガーにかけて、陰干しします。ズボンは筒状にして干すとポケット部分までまんべんなく乾きます。
麻
麻の大敵は摩擦です。自宅では、ドライクリーニングと違って摩擦によって、ケバ立ち、色あせ、シワを作ってしまいます。そのため、洗濯機で洗うよりも手洗いの方が摩擦の危険性が少なくなります。また、色落ちする場合が多いので、初めて自宅で洗濯する場合には、他の衣類に色が移らないように、単品洗いをするようにしましょう。
手順1
おしゃれ着洗い用洗剤をぬるま湯でよく溶かします。そして、なるべく負荷をかけないように丁寧に洗います。すすぎも水を入れ替えながらやさしくすすぎましょう。
手順2
麻のシワは脱水が原因です。そこで洗濯機の場合には、高速回転に入ってから10秒以内に止めてしまいます。または、薄手の麻衣類であれば、脱水せずに干してしまうという方法も有効です。絞らないのでシワができませんし、自重によってシワが伸びてくれます。
レーヨン
レーヨンは、自宅で洗う場合最も難しい素材です。紙と同じ木材パルプを原料としているため水に濡れると縮んでしまうという性質を持っています。しかし、最近では生地の加工技術が進んだため、レーヨンでもウォッシャブルな衣類も増えてきました。まず、水洗いが可能かどうかをタグで確認してから始めましょう。
水洗い可能な場合、おしゃれ着洗い用の洗剤を使って、自宅の洗濯機で洗うことができます。色柄物に関しては、洗濯前に目立たないところに洗剤の原液を塗ってみて、拭き取ったときに色が落ちてないかどうか確認しましょう。
コート
コートは、ドライクリーニングに出すという人も多いのですが、洗濯機マークか手洗いマークがついていれば、自宅でも洗濯ができます。
手順1
袖口、襟部分など汚れのひどいところには、普通の洗剤でかまわないので、洗濯前に洗剤で手揉み洗いをしてから洗濯機に入れるようにしましょう。必ず洗剤はおしゃれ着洗い用を使います。
手順2
洗濯機のモードを「手洗いモード」あるいは「ソフトモード」「ドライモード」など、機種に合わせてやさしい選択モードに合わせます。もし、手洗いモードがない場合には、自分で手洗いしましょう。
手順3
脱水をするときには短めにします。目安は1分以内です。長く脱水をかけてしまうとシワの原因になります。
手順4
干すときは、コートの型崩れを防ぐために、太めのハンガーを使うようにしましょう。もし、細いハンガーしかない場合には、タオルなどを巻いて太くします。
カシミヤ
カシミヤは、非常にデリケートな素材なので、ドライクリーニングに出す衣類の定番ですが、自宅で洗う場合には、「手洗い」がおすすめです。
手順1
タライに衣類がすっぽり浸るくらいの30度以下のぬるま湯を入れます。そこにおしゃれ着洗い専用の洗剤を入れて、よくかき混ぜましょう。
手順2
たたんだままのセーターを入れます。上から軽く押すようにしてお湯になじませます。そのまま上に持ち上げ、またお湯に浸すという作業を20~30回ほど繰り返します。この時注意したいのが、押してしまわないということです。押してしまうと、せっかく出てきた汚れが、また繊維の奥深くまで入ってしまいます。
手順3
すすぎのときも30度以下のぬるま湯を使って、同じように持ち上げながらすすぎます。脱水は、タオルに敷いて、その上からさらにタオルで挟むようにして水分を吸収してから陰干ししましょう。
綿
綿は、肌着やシャツの素材としてよく使われており、自宅洗濯できるものも多くあります。ただし、洗濯機で洗うと縮んでしまうものもあるので、ドライクリーニングするべきか注意が必要です。
綿で気を付けなければならないのは、熱です。熱いと伸び縮みが激しくなるので、必ず30℃以下のぬるま湯を使うようにしましょう。自宅で洗濯機を使用する場合には、ドライコースや手洗いコースなど生地にやさしい洗い方で洗濯しましょう。とくに脱水は1分以内で行うと、生地へのダメージを最小限に抑えることができます。
コツさえつかめば、ドライクリーニングの服も簡単洗濯
お店のドライクリーニングでしかきれいにならないと考えていた服も、自宅での洗い方のコツさえつかめば意外ときれいに洗えます。普段、あまり見ない洗濯タグです。最近では世界標準になったということで表記も変わりました。この機会に、衣類についている洗濯表示を改めて見直してみましょう。
初回公開日:2017年11月14日
記載されている内容は2017年11月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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