布ナプキンの洗い方|洗剤/重曹/簡単/落ちない/臭いを防ぐ
更新日:2020年08月28日
布ナプキンの洗い方って?
布ナプキンとは、布でできた生理用・おりもの用ナプキンのことを言います。布でできているため、生理特有の嫌な臭いがしない、お肌に優しい、ゴミが出ないと、体にも環境にも優しいナプキンです。
市販の紙ナプキンとは違い、布ナプキンは何度も洗って使えます。しかし、布ナプキンを使用する度に洗うのは正直面倒ですし、付着した経血を落とすのは大変そうというイメージがあります。また、間違った洗い方をすると、洗って乾かした後も経血の臭いがしたり、汚れが固着して落ちなくなってしっまたりします。
そこで今回は、布ナプキンの基本的な洗い方やそのポイント、使用する洗剤、臭いの防ぎ方などをわかりやすくご紹介していきます。
布ナプキンの簡単な洗い方
まず初めに、布ナプキンの基本的な洗い方をご説明します。布ナプキンの洗い方は、「予洗い」「つけ置き」「乾かす」というシンプルで簡単な3つのステップから成っています。それでは、各ステップを順番に見ていきましょう。
1)軽く予洗いする
水またはぬるま湯を使用して、布ナプキンから経血が出なくなるまで、押し出すようにして洗います。ここでほとんどの経血を洗い出すことによって、シミになりづらくなります。臭いが気になったり、汚れが酷い場合は、洗濯用固形石けんや純石けんを使って手洗いします。
洗い方のポイント・注意点
・お湯で洗うと経血が固まってしまうので、使用する水温は40度以下(自分の体温程度)にとどめておきます。
・生地を傷めてしまうので、ゴシゴシ洗わないように注意しましょう。
2)つけ置きする
バケツに水またはぬるま湯を溜め、重曹やセスキ炭酸ソーダなどの洗剤を溶かし入れて洗浄液を作ります。そこへ予洗いした布ナプキンを入れ、3時間から半日程度つけ置きします。つけ置きしてもきれいにならない場合は、洗浄液を作り直し、つけ置きの時間を長くします。
洗い方のポイント・注意点
・洗浄液は1日1回を目安に交換します。
・水量は布ナプキンがちょうど浸かるくらいにします。
・経血が固まらないよう、つけ置きには水かぬるま湯を使用します。
・バケツは布ナプキンつけ置き専用のものを用意しましょう。家族や人の目が気になる場合は、蓋つきのもののご使用をします。
3)乾かす
つけ置きが終わったら、水またはぬるま湯で押し出すようにしてよくすすぎ、洗浄液を落とします。その後しっかりと絞って水気を切り、形を整えて干します。日光には殺菌効果があるので、できれば天日干ししてください。
洗い方のポイント・注意点
・脱水の際は雑巾のようにねじって絞らず、水分をぎゅっと押し出すようにします。
・臭いやカビ防止のためにも、しっかりと乾かしましょう。
洗剤を使用するときの布ナプキンの正しい洗い方
ここでは、洗剤を使用するときの布ナプキンの洗い方をご紹介します。布ナプキンの洗濯には、重曹やセスキ炭酸ソーダなどが適しています。それでは、それぞれの洗剤を用いての洗い方を見ていきましょう。
重曹を使用した洗い方
重曹は、pH8.2の弱アルカリ性の物質です。白い粉の形状をしており、掃除、洗濯、料理と日々の生活の中で幅広く使用することができます。
布ナプキンを洗う際に重曹を使用すると、汚れ落ちがよくなり、臭いを防いでくれます。使用するのは「つけ置き」の段階です。1リットルの水またはぬるま湯に対し、小さじ1〜2杯(約5〜10g)程度を溶かし入れます。
洗い方のポイント・注意点
布ナプキンの汚れが酷い場合は、重曹を汚れている部分に直接振りかけると、汚れが落ちやすくなります。
セスキ炭酸ソーダを使用した洗い方
セスキ炭酸ソーダとは、重曹と炭酸塩の中間の物質で、pH9.8の弱アルカリ性の物質です。非常に水に溶けやすく、たんぱく質を分解し、血液汚れに強いので、布ナプキンの洗濯に適しています。重曹同様、布ナプキンをつけ置きする水またはぬるま湯に入れます。水量約500mlに対し、小さじ1杯(約5g)程度が使用量の目安です。
汚れが落ちないときはどうしたらいい?
布ナプキンの汚れが落ちない時の洗い方ですが、酸素系漂白剤を使用して行います。酸素系漂白剤には、液体と粉末の2種類あります。液体より漂白力が少し強いとされている粉末の方が、布ナプキンの汚れ落としに適しています。
酸素系漂白剤は、別名「過炭酸ナトリウム」と言います。「酸素系漂白剤」と書いてある商品もあれば「過炭酸ナトリウム」と書いてあるものもあります。商品名が違うだけなので、どちらを使用しても構いません。
バケツに40度より少し熱めのお湯を溜め、酸素系漂白剤を入れてよく溶かします。そこに、布ナプキンを入れてつけ置きします。つけ置き時間は、汚れ具合にもよりますが、大体15~30分くらいが目安です。
洗い方のポイント・注意点
・酸素系漂白剤の使用量は、水1リットルにつき小さじ1杯(約5g)程度です。
・酸素系漂白剤は、40度以上のお湯に溶かすとその効果が増すので、少し熱めのお湯を使用しましょう。ただし、あまり熱すぎると生地を傷めてしまうので注意が必要です。
どうしても汚れが落ちない場合は煮洗い
酸素系漂白剤でつけ置きしても汚れが落ちない、そんなときに有効な洗い方なのが煮洗いです。以下が煮洗いの手順となります。
1)鍋にお湯を沸かし、洗濯洗剤と酸素系漂白剤を溶かします。
2)布ナプキンを入れて、15~20分ほど弱火で煮ます。
3)お湯がある程度冷めたら布ナプキンを取り出し、水またはぬるま湯ですすぎます。
洗い方のポイント・注意点
・洗剤を入れず、酸素系漂白剤のみでも洗えます。漂白剤の量は、1リットルの水につき小さじ1杯(約5g)程度入れます。
・洗濯洗剤は商品に記載されている使用量を目安としてください。
・やけど、噴きこぼれに注意しましょう。
布ナプキンの臭いを防ぐ洗い方
布ナプキンの臭いを防ぐ洗い方ですが、つけ置きの段階でアロマオイルを使用します。つけ置きする洗浄液に、アロマオイルを2〜3滴垂らし、さっとかき混ぜます。以下5つのアロマオイルは、布ナプキンのつけ置きに特にです。
・ユーカリ
・ティーツリー
・ペパーミント
・ラベンダー
・ゼラニウム
ユーカリ、ティーツリー、ペパーミント、ラベンダーには殺菌効果があり、ゼラニウムにはホルモン分泌調整作用、抗菌効果があります。いろいろなアロマオイルを試して自分に合った香りを見つけ、月に一度のブルーデーを快適に乗り切りましょう。
アロマオイルを選ぶ際に注意しなくてはならないのは、中には「アロマ風オイル」なるものがあることです。アロマ風オイルは、アルコールなどで希釈してあったり、石油由来の合成成分を混ぜてカサ増ししてあったりします。「精油」と表記されているオイルを選び、あまりにも低価格のものは避けた方が無難でしょう。
布ナプキンの洗濯機での洗い方
洗濯機での洗い方ですが、まず初めに「布ナプキンの簡単な洗い方」でご紹介した「予洗い」「つけ置き」の2ステップを行います。その後、洗濯ネットに入れて、他の洗濯物と一緒に普段お使いの洗濯洗剤で洗います。脱水も洗濯機にお任せして大丈夫です。
柔軟剤ですが、生地をコーティングする作用があり、経血をはじいたり、吸収力が悪くなる可能性があるので、使用する場合は注意してください。
洗い方のポイント・注意点
・生地の傷み防止のため、洗濯ネットに入れると良いでしょう。
・お肌にも環境にも優しい布ナプキンなので、一般的な洗濯洗剤ではなく、液体せっけんや粉石けんでのお洗濯をします。
シルク地の布ナプキンの正しい洗い方は?
デリケートなシルク地の布ナプキンの洗い方は、基本的にはコットン生地のものと同じ洗い方です。まずは、予洗いをして大まかな経血を洗い出し、次につけ置きします。ここで注意したいのが、使用する洗剤です。
シルクは、たんぱく質を主成分としているため、アルカリ性に弱いのを特徴としています。アルカリ性が比較的強いセスキ炭酸ソーダは、シルクのたんぱく質を分解してしまうので、ナプキンにダメージを与える可能性があります。このため、シルク地の布ナプキンにはあまり向いていません。
セスキ炭酸ソーダを使用する場合は少量にする、もしくはセスキ炭酸ソーダよりもアルカリ性の弱い重曹を使用しましょう。重曹を使用する場合も、加える量に気をつけてください。
つけ置き後はナプキンを軽く絞り、洗濯用固形石けんや純石けんで手洗いします。または、ネットに入れて洗濯機のデリケート、ドライ、手洗いのような「優しく洗えるコース」で洗ってください。洗濯後は、陰干ししてしっかりと乾かしましょう。
布ナプキンの洗い方をマスターしてより快適に!
布ナプキンの洗い方をご紹介しましたが、いかがでしたか。使い捨ての紙ナプキンに比べると、洗濯に少し手間がかかりますが、体にも環境にも優しく、エコロジーなナプキンです。布ナプキンは、毎月一定の期間毎日使います。正しい洗い方をマスターして、清潔な布ナプキンを使いましょう。きれいな布ナプキンで、毎月のブルーデーを快適に過ごしてください。
初回公開日:2017年11月23日
記載されている内容は2017年11月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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