煮沸消毒について|効果/方法・種類別のやり方
更新日:2020年08月28日
ウイルスと言えばインフルエンザウイルスが有名なウイルスですが、感染経路は飛沫感染と接触感染です。飛沫感染は、咳やくしゃみで飛び散ったウイルスが体内に入る為に起こり、接触感染はウイルスを持っている患者との接触が原因です。ですが、咳やくしゃみで飛び散ったウイルスは空気に触れても死滅する訳ではなく、24時間から48時間生きたまま空中を漂うか物に付着してしまいます。
インフルエンザの感染は近くにウイルス保有者がいなくても、ウイルスの付着している物に触れる事でも感染します。インフルエンザウイルスに汚染された物で煮沸消毒できる物は、80℃以上で10分の煮沸消毒で死滅させる事が出来ます。
エンベロープを持つウイルスの煮沸消毒って?
エンベロープを持つウイルスにはインフルエンザ、B型・C型肝炎ウイルス・RSウイルス等がいます。エンベロープを持つウイルスは98℃で2分の加熱で死滅しますが、沸騰したお湯に入れてからの煮沸消毒の場合は器具自体が温度を上げるのに4分が必要となる為98℃6分以上の煮沸時間が必要となってきます。
エンベロープを持たないウイルスの煮沸消毒って?
エンベロープを持たないウイルスではアデノウイルス、A型肝炎ウイルスがあります。A型肝炎は100℃で5分の煮沸で死滅させる事が出来、アデノウイルスでは100℃で3秒の煮沸消毒で殺菌出来ますが、どちらも煮沸消毒する物の温度が上昇する迄の時間を5分必要とするので5分プラスした時間が煮沸消毒の時間になります。
ウイルスの煮沸消毒の時間がバラバラなのは?
ウイルスの煮沸消毒の時間がバラバラなのは、ウイルスの特性によって熱に強いか弱いかがでくるからです。エンベロープを持たないウイルスと持つウイルスとでは消毒に対する耐性が違い、消毒方法も変わってきますが、煮沸消毒ではウイルスでは種類別にはばらつきがありすぎるので、どのウイルスにも効果のある方法で煮沸消毒を行う事が理想的です。
ウイルスを死滅させるには98℃いようで15分から20分の煮沸で死滅するので、この方法であれば死滅させる目的のウイルスだけでなくどのウイルスに汚染されても煮沸消毒で対応できます。
どんな物が煮沸消毒できるの?
煮沸消毒をする為には100℃の熱湯に最低でも5分以上耐えれるものである事が前提になってきます。100℃以下で変形や割れが生じるものでは煮沸消毒後に使う為の役割が果たせない為、消毒をするだけ無駄になってしまうからです。
瓶や布、プラスチック製品、金属等何でも消毒出来ます。熱に対する耐久性と、煮沸消毒する時に使う道具との相性などを考慮して煮沸する事が出来れば煮沸消毒が出来ない物はありません。
煮沸消毒の危険性って?
煮沸消毒は確かに多くの細菌を死滅させるのに有効な消毒方法ですが、危険も潜んでいます。煮沸と言うのは文字が表す通り、物を煮るという事ですが煮沸消毒の場合は食品ではなく食器等の物を指します。様は物を煮て殺菌しましょう、と言う行為が煮沸消毒なのです。
物を煮るという事はその物に含まれる成分に熱を加える事で水中に溶け出す可能性もあるという事です。物によっては毒性を持ち人体の有害な物もあり、せっかく細菌やウイルスの脅威を取りある事が出来ても、消毒した物からでた毒で体を壊す危険性があります。
煮沸消毒が出来ない物ってどんなもの?
煮沸消毒出来るもの中にプラスチック製品がありますが、プラスチック製品の中には煮沸消毒をする事で有害な成分が出てくるものがあります。
プラスチックのポリカーボネート樹脂という物は色々なプラスチック製品に使われていますが水に弱くポリカーボネートの劣化を促進すると共に体に悪い影響を与える環境ホルモンが煮沸によって出てきます。物にも人にも悪影響が出るので、ポリカーボネート樹脂を使っている物を煮沸消毒する事は避けた方がよいでしょう。
水道水での煮沸消毒が実は危険だった?
煮沸消毒に使う水は水道水を使う人も多いはずです。消毒されて安全だからと言うのは一番大きな理由ですが、実は水道水にも危険が潜んでいます。水道水にはトリハロメタンと言う物質が存在していて、発がん性が疑われていますが、普通に水道水を飲むのは全く問題がありません。
トリハロメタンは5分間の沸騰で濃度が一気に上がってしまいそのままではトリハロメタンが高濃度のまま煮沸消毒した物に付着してしまいます。しかし、トリハロメタンは10分間の沸騰で蒸発してなくなってしまうので、煮沸消毒をする時には10分以上の煮沸をする事で危険は回避できます。
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初回公開日:2017年09月20日
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